表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

ファンタジーワールドイズマイン3

「前回は魅了チートの対応でバタバタしましたが、今日は大臣も来ています」

「どうも、こんばん魔ー。前回はご迷惑をおかけしました」

「はい、さっそく行きましょう。魔王様ラジオスタート」


「ふつおたのコーナー」

「このコーナーでは、皆様から届いた普通のお便りを紹介していきます」

「今日は『大ふつおた祭り』ということで、どんどん読んでください」

「はい魔王様、最前線の城にお住まいの魔界民ネーム『廃屋のハイオーク』さん」

「お、最前線の城からか」

「魔王様、大臣さん、こんばん魔」

「こんばん魔」

「先日の魅了チートの部隊が最新の装備だったと聞いたのですが」

「うん、最新の装備だったね」

「僕たちの装備は新しくならないのですか?ということですが」

「新しくしたいんだけどねー、プロの魔界民がうるさくてね」

「異世界転生者対策費も修繕費と人件費がほとんどですよね」

「最新の装備は無意味だーって言われててねー」

「今回でハッキリ証明されてしまいましたしね」

「なので装備の方に予算は振れませんが、福利厚生の方に注力したいです。つぎー」


「続きまして、闇よりも深い沼にお住まいの魔界民ネーム『美魔女リティ』さん」

「キノコが名産のとこね」

「魔王様、大臣さん、こんばん魔」

「こんばん魔」

「私が先日、空を飛んでいたところ、若い魔女とすれ違いました」

「すれ違ったかー、危ないね」

「高さによる飛行向きの制限が徹底されていない気がします、再度の周知お願いします」

「はいはい、まず空を飛ばない人は方角制限の事を知らないと思うから、大臣、説明」

「衝突事故防止を目的として、高度別に進んで良い方角を定めました」

「一番危ないのが正面衝突だから、高さでずらしたんだよね」

「はい、30mの層毎に12方向にわけたので正面から飛んできても180m上空になるわけです」

「それで、登録してる人には方角指示する機械を配って、講習も行ってるんだけど、ねー」

「はい、未登録の魔女もいますし、完璧ではないです」

「我々も努力はしてるけど、無理なこともあるのね」

「申し訳ないですが、各自で気を付けていただきたいですね」

「それに野良ドラゴンとかいるのよ」

「浮遊障害物とかも危ないですね」

「なので、進行予告精霊で対策しようと動いています」

「方角も守った上で、二重の対策ですね」

「そう、光ってたら目立つし、あとバリカタにしといて」

「バリア固めですね」

「という所でいかがでしょう」

「はい、これからも方角は守って安全運転でお願いします」


「大臣、次ー」

「はい、忘れ去られた島にお住まいの魔界民ネーム『八重歯のケンシ』さん」

「あそこは魚介類おいしいよね」

「魔王様、大臣さん、こんばん魔ー」

「こんばん魔」

「ボクは先日の魔王様ライブで仲良くなった女の子とデートに行くことになったのですが」

「血よりも紅い魔素達は、緋く輝く焔へと――」

「魔王様、爆焔魔法の詠唱はおやめ下さい。デートにもいろいろありますし」

「そうだよね、デートって言っても、二人きりとも限らないよな」

「続き読みます。簡単なダンジョンに行くのですが、用意した方が良いものってありますか?」

「あぶないあぶない、この文章なら二人きりとは限らないな」

「追伸、二人きりです」

「――爆ぜる業火で全てを包み、煙を残し灰塵に帰す」

「ちょっと、灰塵は最上級じゃないですか。落ち着いて下さい」

「すまぬ、取り乱した。最近悲しい出来事があってな」

「はい、悲しい事件でしたね」

「で、ダンジョンの話だっけ」

「ダンジョン攻略に必要な物の話です」

「まず、大量のアルミを用意して、溶かしたら入り口から流し込みましょう」

「そういう変な事、教えないで下さい。いくらかかると思っているのですか」

「金銭チートのおかげで、そこら辺はねー」

「いやいや、個人で出来る事の話ですよ」

「というと、ダンジョン探索アルゴリズムの話かな?」

「左手で壁を触りながら進む話はしてませんよ」

「左手法って古いな、それ対策で階段を壁から離してるから使えないよ」

「古くてすみませんでしたね、装備の話をしてくださいよ」

「ふむ、鎧を脱ぎ捨てると身体が軽くなるぞ」

「何ですかそれ、矢が飛んできたらどうするんですか」

「そこは、ほら、5人パーティーの内の2人が鎧を着て盾になればいいじゃん」

「あら、ふざけているのかと思えばロール概念のタンクの話ですか」

「全体の重量が軽減されるから、軽装3人で重装2人を押して進むと進軍速度が向上する」

「側面の弱さは、戦場では部隊数で、ダンジョンでは壁でカバーですね」

「そして、後衛の3人も魔力の練り上げ、整形、発射で役割分担」

「適性のある役割で効率をあげるわけですね」

「ね、完璧でしょ」

「いや、二人きりですよ」

「爆焔灰塵、我が前に立ち塞がりしその敵に」

「わー、魔王様ー。女の子同士の可能性があります」

「ん、僕っ娘……ありだな」

「魔王様の気が変わらないうちに進めます。回復薬を多目に持ってください」

「いや、やっぱり女の子同士でも、うらやましい」

「状態異常用の治療薬も多目に、脱出用のヒモも持ってください。次行きます」

「ダンジョンにデートを求めるのは間違っているー!」


「光も届かぬ谷にお住まいの魔界民ネーム『†暁のアギト†』さん」

「時間的に最後かな」

「魔王様、大臣さん、こんばん魔ー」

「こんばん魔ー」

「はい、こんばん魔。魅了チート討伐おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「その魅了チートですが、その後の話を聞かないのですが、どうなったのでしょうか?」

「あー、その話かー」

「差し支えなければラジオで詳しく教えてください。お願いします。と言うことですが魔王様」

「いい加減、話さないといけないかー」

「この話、しても大丈夫ですか?」

「まあ、時期が来たと言うか、これ、大臣の口から言って」

「はい、結果から言うと『魅了チートはキングオークにさらわれた』ですよね」

「結果だけだと、そうだねー」

「作戦の概要を大まかに言うと『魅了される前提でけしかけた』ですよね」

「それで、キングオークが巣穴に連れて帰ったというか、持って帰ったと言う方が正しいかな」

「そして、魔王様の素晴らしい戦術によって、想定通り魅了チート軍は内部から瓦解した。ですよね」

「まあ、オークは想定外だけどね」

「あそこまでは想定内じゃなかったのですか?」

「オークヶ島ってそこそこ遠いし、隊列に居なかったからオークの事は考えて無かったのよ」

「確かに遠いですよね」

「片手で魅了チートを掴んで帝国州ビルに登ってった時にはどうしようかと思ったよ」

「飛竜隊の総攻撃で映画みたいになってましたね」

「うん、結果的に上手く行ったけど今回作戦は良くなかったかなー」

「あの暴動で十数万の死者が出てた可能性もあったのですよね」

「それねー、最悪のケースだけど一番起こりそうなケースだったんだよね」

「私は、魅了チートが無力化されればいいと思いますが」

「大臣ってそういうとこ”合理的”に進めるよね」

「すみません」

「いや、いいと思うよ。で、最終的に魅了されたのが20万だっけ」

「先に魅了されたのが約15万で奪還部隊が5万の20万です」

「奪還部隊の話もしないといけないか」

「もっと作戦の詳細を話した方がいいと思います」

「そうだね。今回の作戦は魅了されても遂行出来るようにしたんだよね」

「美女と南の島に行く権利作戦でしたっけ」

「魅了状態を逆に利用して、上手くけしかければ魅了で止められないと思ってね」

「先に魅了された兵も相当な数が暴徒化していましたね」

「『俺が彼女と南の島で暮らすぞ』って叫ばしたの効果あったねー」

「鎧に書いた『魅了チートをさらって来れば南の島にご招待』って効果ありましたね」

「そのまま魅了チートを連れて南の島で暮らしてもらえば御の字」

「混乱したまま同士討ちで全滅が最低ラインの目標でしたよね」

「奪還部隊がスムーズにやってくれると思ったんだけどね」

「抜け駆けしようと足の引っ張りあいが始まりましたからね」

「それで横からキングオークに持ってかれてねー。良くない、非常に良くない」

「それにしても鮮やかでしたね、キングオーク」

「全員ポカーンとしてたな、さらわれた瞬間」

「本当にポカーンでしたね、殴る手を止めて」

「かえってよかったのかな、負傷者減ったし」

「ただ、魅了状態から回復してないのですよね」

「魅了状態の者はオークヶ島の監視にまわしてねー」

「あれはついてましたよね」

「奪還部隊の名目で一ヶ所にまとめられたからね」

「今後は大規模奪還作戦の準備でのらりくらりですね」

「監視しながら、城を築いて、戦艦を建造してやることは色々あるからね」

「戦艦を搾取すればいくらでも時間を稼げますね」

「そうそう、しばらくは安泰だね」

「まとめると、魅了チートは無事隔離されて、動きがあればわかる。ですね」

「はい、以上ふつおたのコーナーでした」


「と言うことで魔王様、エンディングのお時間です」

「うむ、告知ー、大臣は何かある?」

「はい、魔王様の『10万20th Anniversary LIVE』来週です」

「もう来週かー」

「チケットは、ごめんなさい全席sold outです」

「完売?ありがとうございます」

「はい、当日来られる方は気を付けてお越しください」

「今年はね、去年より盛り上がるようにスゴい仕掛けがねー」

「当日まで秘密ですが、頑張りました」

「見てもらえばわかるけど金かかってんなーって」

「去年以上の規模になっています。お楽しみにしていてください」

「あと、ダイマオーね」

「はい、DX魔導合金ダイマオーが増産になりました。こちらもお願いします」

「品薄だったみたいでねー」

「ご迷惑おかけしました」

「多目に作ったんですけどねそれ以上に好評みたいで」

「はい、ありがたい事です」

「告知は以上かな?いやー、それにしても、魅了チートがねー」

「大きな損失ですね、魅了されたままの20万の兵」

「異世界転生者戦史上最大の損失だな、20万の兵(サキュバスさん)は」

「そんなサキュバスさんを助けるための情報を募集しています」

「魔王軍もね、総力を挙げて魅了解除の方法を探っていきたいなーと思ってます」

「些細な事でもかまわないので番組までお便り、お待ちしています」

「お便りが採用された方にはこちらの『魔王様御用達ステッカー』をお送りします」

「そして、魔王軍ではいつでも、優秀な兵を募集しています。詳しくはお近くの城まで」

「魔界を守るため一緒に戦いましょう。と言うことで、今週はここまで。お相手は魔王と」

「大臣でした」

「魔王様ラジオまた来週。グッ魔ーイ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ