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プロローグ

 魔王だけど詰んだかもしれない。


 魔界の発展に尽力し、歴代最高の魔王ともてはやされていたけど、


 詰んだかもしれない。


 魔界で戦があれば、軍を率いて連戦連勝、

 千人相手の決闘であっても、常勝不敗だけど、


 詰んだかもしれない。


 戦いは始まる前に勝敗が決まっているというが、

 今それを身に染みて感じている、

 勇者達がチートを持ってやって来た、


 詰んだかもしれない・・・


 たった四人に城の奥まで攻めこまれている。

 城門で物音が聞こえてから僅か五分で、

 城内にいる手練れの魔物達がほんの五分で

 魔界から選りすぐられた四天王がものの五分で、

 いるハズの無い敵が今目の前にいる。


 そして、先ほどからこちらの攻撃が全く効いている様子がない。

 勇者には華麗なステップで回避され、

 戦士には盾で軽々受け止められる、

 魔法使いには結界で攻撃を半減され、

 僧侶にはかすり傷すら残さず回復される。


 突破口はどこにあるのだろう、


 僧侶だろうか、

 セオリー通りに回復役を潰すべきだろうか、

 しかし、直接攻撃は戦士がきっちり壁になって届かない、

 魔法も各種叩き込んでいるのだが、

 チートアイテムのローブに吸い込まれているかのように手応えがない。


 戦士だろうか、

 壁を突破できれば勝機はあるだろうか、

 しかし、物理でも魔法でもびくともしない、

 チートアイテムのアクセサリーで状態異常の効果も無い、

 強化(バフ)でダメージ通そうとしても弱体(デバフ)が魔法使いから飛んでくる。


 魔法使いだろうか、

 強化弱体(バフデバフ)を防がないといけないだろうか、

 しかし、結界で障壁で防がれる、

 そもそも魔法が届く前に全て打ち落とされる、

 チートアイテムの杖で効かないハズの状態異常まで飛んでくる。


 勇者だろうか、

 ダメージの発生源を潰すべきだろうか、

 しかし、攻撃が当たる気がしない、

 攻撃をかいくぐって、剣の切っ先で突っついては帰っていく、

 地味に痛いのでやめてほしい、いっそのこと一思いにやってくれ。


 もう、どうしろと・・・


 急に四人で集まって魔王弱いなみたいに話すのはやめてくれ、

 飽きたし止め刺すかみたいなのやめてくれ、

 勇者様その剣を振り下ろすのはおやめください。


 斬撃が顔の横を抜けて、城の壁どころか遠方の山まで真っ二つになっている。


 世界の半分をあげるので勘弁してください。

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