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取り合えず連れて帰る事にしました

「外す方法はまだか……?」

「申し訳ございません……蒼鈴様が了承すれば良いのですが」


 黄鈴と同時に蒼を見る。俺の膝でとうとう寝始めた。


「「…………はぁ」」


 無理だな。どうしよう。そろそろ暗くなってくるぞ。もう戻らないとレイラ達が俺を捜し出すだろうし、ソルト達に頼んだ買い物を俺がストレージに移さないといけないし。


「これがあると、蒼から離れられないのか?」

「はい……半径1キロ以上離れると強制的に魔力で封じます」

「ステイのやつか……あれ結構強力なんだよな」


 あの体が突然動かなくなるやつ。多分吸った俺の魔力で俺を固めるんだろうけど。かなり強力で本気出さないと動けないくらいなんじゃないのかな……。


「勝手に外すと?」

「最悪の場合、毒針等が……」

「何でそんなもん作ったんだよ……」

「囚人用でして」

「成る程ね……」


 こいつから離れられない。まじで。真面目に不味い事態だぞ。


「連絡だけでも入れないとな……」

「こちらがしましょうか?」

「やめとけ。殴り込んでくる可能性が98%もある」

「ええええ……」


 どうするか。そうだ。邪神行ってきてくれないか?


『面倒なんだけど』


 レイラに連絡なしの方が余計面倒だろ。頼むって。


『仕方無いな……確かに手をつけられないレイラは凶器だからな……』


 凶器って……


『いったぁ!』


 は?


『出れない。俺もここから出られない』


 なんでだ!?あ、お前魔力で出来てるからか……


『だな。どうする?……もうこうするしかなくない?』


 避けたい。それはちょっと不味い。


『無理だって。せめて解析が終わるまで我慢しろ』


 …………はぁ。


「黄鈴」

「はい?」

「もう今日はこいつ連れてくわ……一刻も早く解析頼む」

「了解しました。こちらの魔道具製作隊を総動員致します」

「悪いな。後、これを」

「これは?」

「魔道具のマニュアルだこの前完成したばかりだからまだ内容にまとまりがないけど」


 この前書いておいた魔道具の作り方が書いてある本。基礎から応用まで詰まっている。これの中身を完全に理解できれば神級の武器も夢ではない。


 ………俺が作る武器って大抵神級だけどさ。




「仕方無いな……背負っていくか」

「お気をつけて」



 蒼を背負いながら山道を降りる。あー!空が飛びたい。バレると困るから止めておくけどさ。


「んぅ……エレン。ああ、夢でも嬉しいぞ……そなたに背負って貰えるなど」

「夢じゃない。起きろ。自分で歩け」


 あ、また寝た。全く……。あ。首輪丸見えじゃん。マフラーでも巻いておくか。


 時期的にはおかしくないよね。クルトアのマフラーを首に巻いてからまた歩く。何でこんなことになってるんだろうかな……。




 宿の部屋の鍵をさして回すと何か違和感がある。扉の向こうに誰かが居る。


「…………」

「あ、極星。えっと、これはその……っていうか何その背中の子は!」

「その前にこの状況を説明しろ」

「えっと、買い物行っただろ?その時に奴隷市場を見て……奴隷商に鞭で叩かれてたから……」

「ふぅ………」


 俺の部屋には。奴隷紋が首元についている獣人や人間が計5人。しかも全員女の子だった。


「俺も人のこと言えないけどさ……もっと考えてくれよ」

「すまない。これだけはどうしても許せなくて」

「日本は奴隷制度無いからな……金は?」

「ソルトさん達のお小遣い借りて払った」

「そうか……これから生活費何とかしないとな……」


 一杯あるから良いだろって?たくさん使えばその分目立つ。俺がこの世界にいたのは100年近く前だとはいえ、エルフなんかの長命種はまだ生きてる可能性があるし、俺の背中に居るやつはこの世界の神様だ。


「色々不味いことが重なってるな……本当だったら今すぐ出ていきたいが……こいつがな」

「えっと。極星?」

「翔太さんはしばらく反省してろ」

「はい……」


 どうしよう。ソルト達はこの辺にいない。ってことはこの人達の服を買いにいったのだろう。それはいいんだが、俺の家族+翔太さん+蒼+女の子奴隷5人。計12人の大所帯だ。これで目立たない筈がない。


 人間の奴隷の女の子が一人俺の前に出てきた。


「あの……」

「はい?」

「その……翔太様を責めないでください……奴隷が進言なんて畏れ多いですが……この方は命の恩人なので」


 命の恩人、か。


「……はぁ。全く。蒼といい君といい、中々運が悪いみたいだな」

「……へ?」

「俺は別に何も怒っちゃいない。翔太さんは世間に疎いのにかなり目立ってしまった。それに少々疲れているんだよ」

「そうなのか!?」

「そうだよ。さっきほんの少し町を回っただけで翔太さんの噂が聞こえた。順次記憶を消していっても間に合わない速度でな」


 どんだけ目立つ買い方したんだよって思った。


「だからその子達は運が悪い。大量の買い占められた奴隷=貴族が買った=カモだからな。商人は黙っちゃいないさ」

「そう言うことだったのか!?」

「これからは俺が買い物行くかな……あ、でもこの人数は流石に……」


 あああ。胃が痛い。


「あの」

「ん?」

「ありがとうございます」

「?」


 よく判んないけどお礼言われた。


「で、その背中の子は?」

「あー……忘れかけてたのに……」


 なるべくこいつから離れておきたいんですけど。


 その辺に放っておこう。ベットでいいや。ぽいっと置く。


「雑!」

「もういいんだよ。色々自業自得だ。こんなの連れてきたくなかったのに……」

「こんなのとはなんじゃ!」

「起きてたのかよ!」


 もうやだ。帰って風呂入って寝たい。今すぐに。


「エレンー!妾感激じゃ!そなたと一緒に居れて……ああ、黄鈴様様じゃ」

「呪いが解けるまでな!」

「呪いではないであろう?」

「呪いじゃねーか!どんだけ動きが制限されてるか判ってないだろ!」


 俺真面目に帰ろうかな……。


「良いではないか!それと、こやつ等は誰じゃ?」

「知らなくて良い。俺に話しかけるな」

「まあまあ。何が起こってるのか判んないけど一先ず落ち着こうよ?」


 まさか翔太さんにそれを言われるとは思っていなかった。


「はぁ……」


 さっきから溜め息ばっかり出る。幸せは逃げていくな。もう取り返せないくらいの。流石は幸運50だよ。レイラの半分もないわ。って言うか俺今まで見た中で俺より低い人見たことないわ。


 ………自分で考えて余計に落ち込んだな。




「極星様!ただいま戻り……これはどういう状況ですか?」

「おお!そなたがエレンの家族とやらか!確かに同じような魔力を感じるのう」

「はい?どちら様ですか?」

「妾は蒼鈴じゃ!エレンの恋人であり、この先に夫婦にーーー」

「ただの仕事仲間だ」


 変なこと言い出す前に全部止める。やっぱり蒼が居ると疲れ具合が半端じゃない。


「そうですか。私はレイラです。よろしくお願いしますね?」

「よろしくのう」


 最後の言葉が妙に殺気混じりに聞こえるのは気のせいだろうか。


「この方がなぜここに?」

「うっ……後で話す」


 あんまり人前で話したくないんだよね……。


「そうですか」


 レイラの口調が若干固いのは気のせいだ。多分俺の気のせいだ。そうであって欲しい。




「ただいまー!」

「服を買ってきました。あ。ご主人様……この方達は、その」

「もう知ってるから良いよ。服貸してくれ。はい。全員出ていけ」


 翔太さんがこっちを見て目を丸くする。


「お前そんなやつだったのか……?ド変態」

「誰が変態だ!この子達買ってきたのあんただろーが!」


 外に追い出し、女の子達に向き合う。


「先ずは、体を綺麗にしないとね」


 一人一人触れながら洗浄魔法を掛けていく。最初の方の子はビクビクしていたけど、俺が何したいか判ったらすぐに落ち着いた。意外と肝が座っている。


「さてと。服着ようか」

「えっと……何で他の人は追い出したんですか?」

「男だから」

「貴方は?」

「ああ、俺か?これでも女だぜ?見るか?」

「け、結構です」


 すぐに静かになる。下着とか結構あるな。ソルト普通に買ってきてたけど。あ、女子としてしか見られなかったわけか……。


「サイズ合うの着てくれ」


 渡して選ばせる。


「あの……私の着れるサイズが無いです」

「あー。合わなかったか。どれくらいか見せてくれないか?」


 奴隷用の服を脱いでもらう。寒いだろうから俺の上着を着せる。


「これぐらいならレイラのを借りよう。メンズだけど良いか?」

「え、あ。はい。大丈夫です」

「今度買いにいこうか」

「は、はい!」


 嬉しそうだな。やっぱり女の子か。


『お前にはない感情だな』


 そうですね!



「全員着たか?袖が長いとか大丈夫だな?」

「「「はい」」」


 全員着たのを確認して追い出していた人達を中に入れる。いつの間にかクラセントも帰ってきていた。


 蒼と睨みあってるけど。

「えーと、取り合えず中入ってくれ……」

「………」

『……はい』


 触れば爆発しそうとはこの事か。

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