首輪の製作者ですよ
遅くなりましたが、一昨日更新できなくてすみませんでした……頑張って書いていたのですが眠気に負けました。これからも二日に一回とか有りうるのでそうなった場合は暖かい目で待っていてくれると嬉しいです。
「待たせたの!」
「行かないぞ?って言うか誰が家族かなんて教えないぞ?」
「何でじゃ!」
「お前に言うと拘束対象になりかねないからだよ!」
首輪つけられて良い気するやつなんか居ないわ!居たとしてもそいつは変態だ!
「それはなんじゃ?家族とやらがエレンにあげた物か?」
蒼は俺の耳を見ている。隼人の作ってくれたイヤリングだ。
「下手じゃの」
「そりゃそうだろ。これ作ったの6歳の子供だぜ?」
「ふむ。そう考えれば中々の出来じゃな」
「で、これ外せ」
「嫌じゃ!妾はエレンと離れとうないわ!」
「知るか!俺の意見も聞けよ!」
どうすれば良いんだよ……こいつを連れていくなんて事になったらアウトだな。最悪、この首輪を取って逃げれば良いんだけども。それやるとこの世界中の狐神やら妖狐やらが俺を追ってくるしな……。
レイラ達に迷惑かかるしな、それは……。首輪を壊そうにも、直接的な神力とか魔力とかを吸い上げるんじゃ意味がない。やろうと思えば周囲ごと爆発出来るけど、この周辺一帯をぶち壊すからな……なるべく避けたいけど。
「エレン。妾と子を……」
「アホか!それこそ馬鹿だろお前!」
「妾はバカではない!エレンが好きなだけじゃ!」
「意味わかんねえよ!あー!来るんじゃなかった!」
無視しておいたとしてもこいつは多分俺の気配を感じてすっ飛んで来るんだろうけど!
『相変わらずお前こういうやつに好かれるよな』
は?どういうこと?
『あーうん。何でもない』
「その辺にしておいてあげて下さい。蒼鈴様」
奥の方から9本の尻尾の狐神が出てきた。あれって……。
「黄鈴か?」
「お久し振りです。エレン様」
来たああぁぁぁ!唯一の常識人が!
「黄鈴!ちょっと助けてくれ!」
「はい。蒼鈴様。エレン様から離れましょう」
「嫌じゃ!邪魔するな黄鈴ぅぅぅぅ!」
やっと引き剥がされた……。
「助かったよ」
「いえ。主人を押さえるのも私の仕事なので。行きますよ、蒼鈴様」
「黄鈴!エレンの首を見ろ!」
「?…………ああああ!申し訳ございませんエレン様!」
「へ?」
「それ作ったの私でして……まさかあなたに使うとは思ってもいませんでした」
…………え?これ俺用に調節してあるよね?
「調節は妾がやったのだ!素晴らしい出来だろう?」
…………。
「なにが素晴らしい出来だこののじゃロリがああぁぁぁ!」
どうすんだよ!黄鈴の作った魔道具ってことはかなり性能が良いって言うけど、呪い系の魔道具になるとあり得ないくらい歯止めが効かないっていう………。
あまりにイラついたので吹き飛ばしてやった。9割以上魔力吸われたけど。
「どうすれば取れる?」
「えっと………今のところその方法はないかと………」
「何て物作ってんだよ……」
「申し訳ございません……立ち話もなんですから、中へどうぞ」
吹き飛んでいった蒼は今のところ放っていこう。自業自得だ。
「変わらないな」
「はい。老朽化の工事は終えましたし、後500年はもつと思われます」
「ふぅん」
適当に黄鈴と話しながら社の奥へと進んでいく。
「エレン!」
「ぐほぁ!」
後頭部にまた突っ込んできた。この首輪に魔力吸われてるから障壁も張れないし、殆どダメージが直で来るんだけど。
「痛い……」
「情けないぞ!エレン!」
「この首輪のせいで防御力下がってるんだよ!」
滅茶苦茶痛い……。
「エレン。妾を背負ってくれぬか?」
「誰が背負うか、のじゃロリ」
「のじゃロリじゃないわ!」
「じゃあその口調やめたらいかがですかー!?」
もうやだこいつと一緒に居ると疲れる……。
「エレン様。申し訳ございません……」
「悪用したの蒼だし良いよもう……外す方法考えてくれ」
「そうですね……」
こっちはお通夜みたいな雰囲気だし!
リビングとして使われている大部屋に着いた。って言っても完全に畳敷のでっかい広場にしか見えないけどな。
『あの染みまだあるぜ!』
そう言うのは気付いてても言っちゃいけないんだぞ。
「緑茶で宜しいでしょうか?」
「ああ、別に良いよ」
別に食べなくても生きてられるし。腹は空くけどな!
「で、これからどうするつもりだ?」
「エレンと愛を育んで……」
「…………ほぅ?」
「いえ、何でもないのじゃ……」
全く……この首輪あると本当に困るんだけど。
「首輪を外すには方法ないのか?」
「有るっちゃありますけど……蒼鈴様の同意と魔力が必要なんですよね……」
ちらりと横を見る。蒼は俺の膝で寝ようとまでしてくる。……こいつは絶対にとらないな。
「無理だな……」
「ですよね……頑張ります」
「頼む。お前以外に頼めるやつがいない」
この世界の狐神の中で話が通じるのは黄鈴しかいない。狐神の代表がこの膝にすり寄ろうとしている奴だしな……。まともなやつがいない。
「これからどうしよう……」
「だから!妾と子を……」
「ナニカイッタカナ?」
「い、いえ!何もないのじゃ!」
かなり怒気の籠った声を出したら、直ぐに静かになった。このまま維持できたら最高なんだけどな……。
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ご主人様に言われた通りに僕達は翔太さんを連れて買い出し中です。
翔太さんは獣人が珍しいようで、あまりに周囲を見すぎて警備隊の方々に怪しまれていましたが……。その後、いろんな店に回ったらそこで一々反応するのでただのおのぼりさんかと思われたらしく、何とかなりました。
「あまり人をじろじろ見ないで下さいよ?ご主人様に迷惑がかかるので」
「ダメだよー?」
「すまないな……。珍しくて、つい」
「その気持ちは判らないわけではないですけど」
確かに獣人さんは多種多様で、見ていて面白いです。かくいう僕はモンスターそのまんまなんですけどね。
「ソルトさん。何で極星のことをご主人様って呼ぶんだ?」
「ご主人様だからですよ。僕は分類としてはテイムモンスターなので」
「人間にしか見えないのにか?」
「クラセントもそうですし、ラテも同じですし」
「おんなじだよ!極星だいすき!」
ご主人様って意外と可愛い部分もあって、お風呂入ってる時とか、楽器弾いてるときとか以外にも楽しそうに笑うときがあって。普段殆ど表情同じですけどね。
「本当にドラゴンなのか?見た目じゃ判らないんだが」
「ドラゴンですよ。でも多分、僕みたいに変身しているドラゴンとかを一発で見分けられるのはそれこそご主人様くらいですよ」
「一緒に居るとよく判らないがな……」
「あ、呉々も怒らせようとかしないでくださいよ?この世界が消えますので」
「ああ、わかっ………え?」
さてと。お買い物お買い物です!ご主人様が多めにお小遣いくれたので何か良いものがないかこの辺をブラつくとしましょうか!
僕達は買い物を終えて、通りを適当に歩いていました。なんだか嫌な感じがします。いえ、臭いとかではなくて、嫌な気配がするのです。
「ソルトー。あれ何?」
ラテと翔太さんが興味を持ったので仕方なく嫌な気配のところを見ることにしました。
「奴隷市場……ですね」
「あれが、か」
「ラテ、前に見たよ?獣人さんだったよ?人間さんじゃなかったよ?」
「場所が違えば文化も違います。ここでは奴隷は許されますし、人間だろうが獣人だろうが関係ないようですね」
嫌な気配の正体はこれでしたか。
「……行きましょう」
「助けたりしないのか?」
「ここでそんなことしても指名手配されておしまいです。もしそうなった場合ご主人様に記憶消しに行って貰わなければなりませんし、それをしなくても多大な迷惑がかかります」
ここは僕たちの出る幕ではありません。引き際を間違えたら僕達どころかレイラさんやご主人様にまで危険が迫るかもしれません。ご主人様なら力業で回避できるかもしれませんが、一度戦い続けて死にかけていらっしゃる。もうそんなことは僕が二度とさせません。
それが、僕がここに居る理由でもあるのだから。
「首輪が冷たい……地味に肩凝る」
『俺に言うなよ』
いや、別にお前に言った訳じゃない。




