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狐神の蒼の登場です!

「翔太さん」

「なんだ?」

「冒険者になりません?」

「はぁ?」


 別に勇者として公国の方に紹介してもいいんだけど。それはそれでまた何かあったら記憶消して回らないといけないし。


「ってことで冒険者になりましょう」

「ファンタジーの定番だな」


 冒険者ギルドへ。久し振りだな。まぁ、新規で申し込めばいいか。そっちの方が早いし。


「こんにちは。登録ですか?」

「はい。身分証はこれでいいですか?」

「街の入税免除証ですね。大丈夫ですよ」


「入税免除証?」

「前王都で作ったやつ」

「あれか」

「本当は結構貴重な物なんだけどな」

「え?」

「貴族の振りしてはいったからタダだったんだよ。あの貴族証が今も有効で助かった」


 期限とかないけど、デザインとか変わってたら怪しまれるしな。


「こちらでよろしいでしょうか?」


 新品のギルドカードを見せられて確認をされる。


「大丈夫です」

「それでは代表者の方の血をここにお願いします」


 ゲッ!やばっ!


「翔太さん。お願いします」

「極星でいいじゃん」

「お願いって」


 渋々翔太さんが血を1滴いれて登録完了した。で、今日はもう翔太さんが疲れただろうから宿を捜しに行くことにした。


「なんで俺の血をいれたんだ?」

「あ、それ気になってました。ご主人様。なんでです?」

「簡単だよ。俺の血はちょっと人間離れしすぎてて獣人でも通らなさそうだったし……」

「「?」」


『ハッキリ言ったらいいじゃん』


 ……そうですね。


「俺の血は光るんだよ」

「は?どういうこと?」

「しかたないな……見てろよ。直ぐに透明になるから」


 腰に挿してあるナイフでそっと指先を傷付ける。真っ赤に光る血がほんの少し出てきた。と思ったら水になって地面に落ちた。


「「「????」」」


「こういうこと」

「意味がわからん」


 面倒だなー。


「俺の種族は不死鳥フェニックスな訳だ」

「はい」

「そうなのか?」

「そうなの。で、それの伝説知ってるか?」

「血を飲めば不老不死になれるってやつ?」

「そうそう。ま、デマだけどな!」

「違うのか!?」

「運が良くて不老になれる程度だな。寿命を伸ばすとか若返らせるとかしか効果はない」


 十分だろって呟いてるけど。不老と不死は全然違うぜ?ま。俺はどうでも良いけど。


「ここにしようか」

「昨日もそうだったけど結構良いところの宿なんじゃないか?」

「気付くのか?日本とは段違いだと思うが」

「段違いだけど……ラノベとかではもっとひどい宿がたくさん出てくるからさ」


 確かにな。この世界もそんな感じではある。だが!


「金はあるから」


 そう、金はある!この世界に来たときに大量に稼いだ。どれぐらいかって?


「日本円にすると、大体50億位?」

「へー。……………え?」


 唖然とする翔太さんを置き去りにして宿へ。


「僕ご主人様と一緒が良いです!」

「私も!」

「ラテも!」

『私も!』

「いや、無理だろ」


 いくら言っても聞かなかったので、二人部屋2つ、一人部屋2つ取った。


「クラセントとラテは同室。ソルトとレイラも同室だ」

「ええーなんですかぁ」

「やだー」

我が主(マイ・マスター)と同室を希望します』

「そうですよ!」


「はい。諦めろ」


 無理矢理押さえ込んで宿の部屋に。あれ?二人部屋?


「………ラテ」

「やだー」

「返せ」


 この図体だけはでかい小鳥め。俺の鍵と別の二人部屋の鍵さりげなく交換してやがったぞ。


「全く……レイラとクラセントは情報収集にまわれ」

「「はい」」

「ソルトはラテをつれて買い出しに行ってくれ。あ。序でに翔太さんも公国を見て回ると良い」

「はい」

「うん!」

「わかったよ。極星は?」

「俺はちょっとやることがあってな……」


 誰か連れていくと大変なことになるのでな。さすがに留守番は可哀想だから全員に仕事を割り振ったわけで。


「そんじゃあ、頼むな」

「「「はい」」」


 さてと。気乗りしないけど………行くか。あいつまだ生きてるかな。意外とくたばってたり……しないだろうなぁ。




『ふぁ』


 あ、寝てたのか。


『寂しかった?』


 静かで良かった。これからもずっと寝ててくれ。




『この道……あいつに会いに行くのか』


 ここは一応あいつの管轄だしな……無断で好き勝手すると面倒になるのは確かだし。できれば会いたくないんだがな。


『解剖されるから?』


 されたことねえよ!やられかけたことはあるけど……。



 山の上にポツンと建つかなり大きな社の前に立つ。


「おーい。蒼ー!いるかー?」

「…………」


 反応がない。よっしゃあ!来たけど居なかったって事にできるぜ!


「さて。帰ろう」


『いつになく上機嫌だな。気持ちはわからんこともないが』


 後ろを向いた瞬間、後頭部になにかが激突した。


「いってえ!」

「エレン!エレンじゃな!?きゃーっ!こんなに逞しくなりおってー!妾感激じゃ!」

「蒼……」


 結局出てきたよこの人……。


『まぁ……ドンマイ』


 この人は(そう)。この世界では珍しい、人間が奉り上げて生まれた神様だ。日本と一緒だな。さっきから人って言ってはいるが、蒼は尻尾が十本ある狐だ。俺が知ってるなかでも十本持ってる狐神はこいつ以外いない。


 狐神は人間の体に狐の尻尾と耳が生えている。獣人と一緒で、混乱しないのかと思ったことはあるが、何故か獣人には狐がいない。だから絶対的に神様だと言われている。


 狐神はその尻尾の数で妖力の強さが判る。1、2本が普通、3、4本が神格高め、5からかなり神格が高い狐神だ。普通は最高9本なのだが、俺と同じく蒼は例外の存在と言われていて、10本尻尾がある。


「エレン。やっと来たのう!もうお主は放さぬぞ!妾の物にするのじゃ!」

「ふざけんな!俺は誰の下にもつかないとあれほどーーーー」


 カチャン。と音がした。首元に金属のような冷たい感覚。嫌な予感がする。そっと首元に視線を移すと、銀色のかなり美しい装飾の入った首輪がーーー


「ドアホ!何すんだてめえ!」

「ふふふ。これでエレンは妾の物……」

「なに言ってんだこの………外れねえ!?」


 全然折れない!?俺が触ってびくともしないってどうなってんの!?


『極星!これ、お前じゃ外れないようになってる!』


 どういうことだ!


『お前の力が全部放出した瞬間に吸われてるんだよ!神殺しだぞこの首輪!』


「神殺し!?」

「判ったのか?流石エレンじゃ!」

「ふざけんな!外せ!」


 神殺しと言ったって別に死ぬ訳じゃない。簡単に言えば神の力を封じる武器の総称だ。ここまで強いのは初めて見た。って言うか完全に俺用に調節してあるぞこれ!


「このーーー」

「エレン!ステイ!」

「!?」


 なんだこれ!?魔力で固められてるのか!?体が動かない!完全に犬みたいじゃん俺……。


「フフン!どうじゃ?妾のエレン専用特殊拘束具は!造るのに50年は要したぞ!」

「意味判んないことに時間費やしてんじゃねーよ!って言うか外せ!今すぐに!」

「外すわけなかろう?それに、おなごがそんな言葉遣いはあまりよろしくないと思うぞ?」

「そんなのどうでも良い!この首輪気持ち悪いんだよ!」


 いまだに体が動かないんだけど。これでもかなり抵抗してるんだけどな。まぁ、抜け出そうと思えば以外と簡単に抜け出せるけどな!


『性格悪いなー』


 うっせ!そういうのが俺なの。


「妾とここでずっと暮らそうぞ……?使用人も沢山居る。全てをエレンに捧げよう」

「怖いこと言ってんな……俺はここに居る気はさらさら無いし、今回は家族も連れてきている。だから……」

「なんと!エレンの家族とな!?挨拶にいかねば!エレン!そこで暫し待っておれ!今から直ぐに準備をする!」


 は!?って言うか俺動けないんですけど……。

「腰がいたいんだけど……」


『歳か?』


 固まってるからだわ!でも、歳でもあり得ないわけではないけどな……

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