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まじで覗いたんですね……

 鑑定で翔太さんの今の状態を見る。


「翔太さんのスキルは鑑定、異世界言語、二刀流(1)、算術」

「異世界言語と二刀流は判るけど……鑑定と算術って?」

「鑑定はトーラがおまけでくれたんだろうな。算術は算数ができるかどうかだ」

「足し算とか引き算とか?」

「そうそう」


 算術がかなりできる人になると、算術法ってのにクラスアップするんだけど……まぁ。それはいいや。


「二刀流(1)って?」

「二刀流のレベルだ。最大で5。今翔太さんはなんとか扱えるレベルでしかない」

「えええええ」

「まぁ、そのうち上がる」


 よし、癖もわかったし。俺が相手しよう。


「そんじゃああの吹っ飛んだやつ拾ってこい。俺が相手しよう」

「あ、ああ」


 2本の剣を持った翔太さんと丸腰の俺。まぁ。怪我しないから大丈夫だろ。


「そっちから」

「よ、よし!たぁ!」

「遅い。モーションが大きい」

「くっ!」

「剣に振り回されるな!足はなるべく前に出しすぎるなよ!攻撃が来たときにバックできなくなる!」





 小一時間ほど続けていたら完全に日が落ちたので、一旦休憩にする。


「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……」

「すぐ疲れすぎだ。体力ないなぁ」

「こ、これでも。かなりあるほうだし、この世界に来てから上がったと思うんだけど……?」

「勇者にはそれだけ恩恵があるしな。そんな事に身を委ねてたら戦場で即死だぞ?」


 恩恵にすがってたらいつまでもこのままだ。なにも変わらない。


「さってと。飯でも作りますかね!」




「なにこれ滅茶苦茶旨い……」

「日本人の舌にあうかは微妙だったけどお気に召したみたいだな」


 俺の手抜き料理を全力で食ってる。ラテも隣で。なに張り合ってるんだよ……。


「極星様!おかわりありますか?」

「ん。皿出せ」


 おかわり合戦が始まった。


「ご主人様!次は僕が!」

「ラテも!」

「あるから!全然量はあるから!」


 俺の食べる分殆んどないんですけど。まぁ別に食べなくても良いんだけどな。




「極星。お前女子力高いな」

「何言ってんだよ」


 ソルトたちにはジュース、俺はワインを飲みながら話す。このワインは俺が作った葡萄酒だ。たまに飲む理由は、人に出すときに失敗してると怖いから。


 え?酒?そんなに好きじゃない。


「それ、どこのワインだ?」

「原産?俺ん家」

「ワイン農家だったのか!?」

「違うわ!趣味で作ってんの」


 んー。まぁまぁかな。


「俺は飲んじゃダメか?」

「未成年だろ?駄目に決まってるだろ」

「極星っていくつだ?」

「あー。知らない」

「は?」

「話したろ?時間もない空間に生まれたからそんな概念ない」


 遡りようがないわけだ。


「800憶は越えてると思うけど」

「はっ!?」

「地球なんかよりずっとずっと前からある由緒正しき世界なんだぜ?」


 自分で言って思った。由緒正しき世界って何だよ。いかん。酔ってるな。


「さて、風呂にでも入るかな」

「風呂があるのか?」

「いや、作る」





 魔法って便利だな。囲いで覆われた露天風呂が完成しました!所要時間は3分です!カップラーメンつくったら露天風呂も出来ます!


「見んなよー」

「誰が見るか!」


 さっさと服を脱いで、体を洗う。シャンプーその他は持参だよ。


「ふぅ」


 スッゴい久しぶりな気分だ。実際はそうでもないけど。さっさと上がって交代しないとな。


 あ、服どうしよう。狼に噛ませていたからすぐに洗濯したし。戦闘用の方で良いか。


「あいたぞー」

「あ、じゃあ私入ってきます」

「あ、僕も!」

「ラテもー」

『では、私も』


 レイラ達が全員が入っていった。女子力高い男子たちは群れをなして……何が言いたいんだろ。俺。


「翔太さん。何しようとしてますか?」

「男として当然だろう!?」

「いや、知りませんし」


 覗いても虚しいだけだぞ?全員男なんだから。あ。クラセントは違うか。上も下もないし。何がとかは特には言わない。


「その服袖がやけに長いな」

「戦闘服なんだよ。ナイフとか仕込んである」

「何それ怖い」


 俺も最初怖いと思ったけどな。


「極星。覗かないのか?」

「覗くって断言してるじゃねーか……覗かねーよ。虚しくなるだけだから諦めたら?」

「女湯は男のロマンだろう!」

「何馬鹿なこと言ってんの?もう俺は知らないからね」


 女湯だと思って覗いた先は男湯でしたって。あまりにも悲しすぎるだろ。




「「「きゃーっ!」」」


 あ、ばれたな。爆発音も聞こえる。近くにいなくてよかったぁ。っていうかマジで覗いたんだ。


「…………」

「おかえり」


 焦げた翔太さんが帰ってきた。


「焦げ臭いから近付かないでくれ」

「……極星。知ってたのか?」

「当たり前だろ?」

「なんで教えてくれなかったんだ!?」

「言ったろ?虚しくなるだけだからって」


 虚しいの粋を超えてるきはするけど。


「まさか男だらけのパーティだったなんて……」

「はははは!諦めろ。あ、でも一人性別不詳が居るじゃん」

「それは慰めにはなってない……」


 はははは!俺の事を無視した天罰だぁ!……いかん。確実に酔ってるな。酒には強い方だと思ったんだけどな……歳かな。





 翔太さんも風呂に入って出たので露天風呂は綺麗に無くしておく。


「魔法って便利だな」

「翔太さんの今の魔力じゃお湯半分くらいしか入んないけどね」

「は?俺ってそんなに少ないのか?」

「むしろ多いと思うよ?俺が多いんだよね」


 人間の数億倍の魔力量あるからなぁ。


「今日は休んだら良いよ。はい。寝袋」


 王都で買った寝袋を渡しておく。俺は見張り兼鍛錬の時間だ。


「その辺うろうろしてるから何かあったら連絡してくれよ」

「はーい」


 聖十刀を担いだまま暫く適当に歩く。この辺なら良いだろう。聖十刀を鞘から抜き、素振りをする。ゴォっとなる。


「力入りすぎかな」


 調節をしながら振り続ける。どれくらいの時間が経ったのかな?一時間もしてないか?人の気配がした。その気配は感じたことのある気配。翔太さんだな。


「どうした?」

「見てないのにわかるのか」

「気配くらい判るさ」


 一切見ずに刀を振り続ける。


「凄い音なってるな……」

「まぁ、刀自体の重さが結構あるからな」

「持ってみても良いか?」

「重いぞ?」


 鞘にしまって片手で渡す。普通に渡したら手が巻き込まれて骨折れるから上向きに持ってもらう。


「離すぞ」

「お!?」


 あ、やっぱりおとした。拾い上げようとしてるけど持ち上がってない。っていうか動いてもいない。


「なんで?」

「3トンは越えてるからな?」

「なんでそんなもの片手で振り回せるんだよ」

「鍛えてるから」


 それ以上もないし、それ以下もないな。






「さってと、先に進みますかね!」

「極星。お前寝た?」

「寝てないぞ?」

「寝ろよ!」

「睡眠の必要ないもん」


 便利だよねー。俺はなるべく寝たいけども。


「はい!じゃあ頑張ってね」


 馬たちに声をかけて走り出す。馬たちの速度にあわせて、少しゆっくりと。




「ついた」

「ここが?」

「ヤマト公国。日本の文化が根付いてるわけ」

「本当だったなんてな……あれ?地図ではもっと遠くなかった?」

「ふふふ。秘密」

「何やったんだよ……」


 ソルト達は興奮している。


「わー!あの服なんですか?」

「着物だな。そういや見せたことなかったな」

『あの店は?』

「酒屋だな」

「面白い!面白い!」


 この国は戦争を殆んどしない国だ。でも別に弱いわけではない。要するに、強すぎて誰も戦争を吹っ掛けてこない。


 この国は人間が殆んどいない。亜人の国という別名がつくほど亜人だらけの国なのだ。


「ちょっと!極星!」

「どうした?」

「け、ケモ耳だ!」

「あー、はい。そうですねー」


 翔太さんはケモ耳好きなのか。メモメモ。


「何書いてるんだよ!?」

「なんとなく?人間観察?」

「なんで対象が俺だよ?」

「唯一の人間だからだ!」


 ここには相変わらず人間率がかなり少ないからな!


「よし!行くぞ」

「行きましょう!」

「おー!」

「なんでヤマト公国を選んだんですか?」

「いや、ラノベとかで日本に近い文化の国の名前はそんなのが多いから……」

「へー」

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