迷宮探索の恩恵って凄い
グラスさんまで?
「ほ、本当か?」
「あれ?グラスさんに話したこと……無いですね」
完全に話した気でいたな。
「ギルドマスターまで知らなかったんですの!?」
「まさか極星君が……」
言ってなかったか……。どうでも良いけど。
「私はこの6年何を見てきたんだ……」
「だ、大丈夫ですよ!何十年も一緒にいて最後まで気付かなかったやつ居ましたし」
「何十年も?」
「はい」
「君、幾つ?」
………あああああああぁぁぁ!墓穴掘ったぁー!これじゃあ俺は人間ではありませんって言ってるようなもんじゃねーか!
「………秘密です!」
「まだそれで隠し通す気かい?」
「無理ですか」
「無理だよ」
って言われても。俺だって実年齢知らないし。
「俺も知らないんですよ」
「ふーん」
帰りてぇ!
「人間じゃないんですの?」
「直球ですね……」
「亜人なのかい?」
何て答えようか。もう正直グラスさんには話して良いと思う。けど、問題はこのお嬢さんだ。言いふらす可能性は大いにある。
記憶消去も思い出してしまう可能性があるから多用できない。どうしようかな。お嬢さんには出ていって貰いたいんだけど。
「グラスさんならともかく、お嬢さんにはちょっと」
「な、なによ!私が言いふらすとでも!?」
「会ったばかりの人はあまり信用しきってはいけない。冒険者の掟ですよ」
「冒険者の掟なら仕方無いですわね!」
おお!やっぱこれが効くな!
『………最低だな』
黙れ!って言うか解放してないなら神力返せこらぁ!
『前金は前金だ!』
なに言っとんだこの野郎!
「では私は外で待っておりますわ」
マジで出ていった。ドアの前で聞いてなきゃ良いけど。聞いてるな。完全に盗み聞きポーズしてるよ。透視使ってなくても分かる。
『グラスさん。こちらでお話ししましょう』
『以前使っていた念話か』
『ええ。聞かれていると少々不味いので』
『君は亜人……なのか?』
『いいえ』
『人間か?』
『いいえ』
いいえしか言ってないけど良いか。
『じゃあ君は……?』
『そうですね……ならヒントです。俺は年齢800億を越えてます』
『は、800億……?』
『恐らく、でしかありませんがね』
『君は、その、神様なのかい?』
『はい。もう隠すこともないかと思い、グラスさんには明かします。俺はこことは違う異世界の精霊神及び最高神及び母神です』
及びが2つ付くな。でも一応これが肩書きだし。
『異世界の……』
『こちらの世界に来た理由はただの観光です』
本当はちょっと違うけどこれで通した方が良いだろう。
『やはりか』
『あ、気付いてました?』
『君の異常さを見ていれば嫌でも気がつくよ。全く容姿が変わらないのも気になっていたしね』
『そうなんですよね。成長なんてしないものですし』
俺はフェニックスだからな。余計にそう感じるのかも。
『レイラ君もかい?』
『はい。レイラは人間神です』
『私はとんでもない人達と会話していたのだな……』
『こちらの世界ではあまり干渉しないですしね。………ラントが』
『ラント?最高神のラント・エラム様か?』
『ええまぁ。あの人情報通だけど自分の世界の管理は俺に手伝わせるんですよ……』
何回か駆り出されたもん。あれ結構キツいのばっかだし。
『とまぁ兎に角。そういうことで。あの子も限界みたいですし』
もう中の様子を覗こうと必死だ。見えないけど。
「もう入っても大丈夫ですよ」
そういった瞬間直ぐに飛び込んできた。
「あんた達本当に話していたの!?」
「聞いていたんですか?」
「き、聞いてないわよ!気になっただけですわ!」
「そうですか。ちゃんと話しましたよ。あ。グラスさん。他言無用でお願いしますね」
「それぐらいは弁えてるよ」
やっと解放された……疲れた。素材売りにいこう……。
「ピァー」
「あ!何か静かだと思ったら寝てたのかお前」
「ピイ!」
「もう追求しないよ……」
解体済みだからこれそのまま売ればいい。素材買い取りカウンターにいく。
「買い取りを頼みたいのですが」
「はい。なんのモンスターでしょうか」
「えっと……沢山あるんですが」
「拝見しましょう。こちらに出せますか?」
「もっと広い所じゃないと出ないですね」
「わかりました。こちらへどうぞ」
奥の部屋に案内された。
「じゃあ出しますが……机壊れないよな?」
「え?」
「なんでもないです。よっと」
とりあえず半分。机が壊れた。
「やっぱりか………弁償します」
「こんなに……よく取れましたね」
「もう半分ありますけど」
「これで半分!?」
すんません。会ったやつから片っ端から倒していった挙げ句にモンスターボックス入ったりしたからそれもかなり。
「買い取り、できます?」
「やって見せます」
なんか受付嬢が燃えている。他の人たちも総動員してこれに当たってくれている。ごめんなさい。
3時間は経ったな……ラテが俺の髪の毛で遊び始めた。抜けるから痛いんですけど。
「お待たせいたしました……」
「お手数かけまして申し訳有りません……」
「いえ、仕事ですから。これが証明書となります」
何気なく見てみる。
「………白金貨500枚?」
金額が大きすぎてリアクションがとれない。
「はい。今回は値段が少々低くなっており、白金貨563枚程となりました」
……これはめちゃくちゃだろうに。金銭感覚がおかしい気がする。俺がおかしいんか?そうなんですか?だって、白金貨1枚で100万円だよ?白金貨563枚だと、5億6千3百万円。
「多すぎませんか?」
「スプリガン等の大物もいましたし、魔石の質も良かったものですので」
そう言うものなのか。わからん。
「此方が代金ですね。手数料は抜かれてありますので」
おおぅ。白金貨の重みが。ストレージにしまう。なんか大金を持っていると途端に誰かに狙われている気になる。何時でも狙われているような物だけど。
「またのお越しをお待ちしております」
「金額が凄いことになった」
「いくらになりましたか?」
「白金貨563枚」
「「え?」」
『妥当ですね』
「「「妥当なの!?」」」
流石はクラセント。もう既にいくらくらい入るか計算していたらしい。
「これが妥当……ギルドってこんなに払ってよく機能しますよね」
『売るときには約20%ほど上乗せするのです』
白金貨563枚に2割乗せると……考えるのやめよう。
『約675枚』
お前こういう計算本当に早いよな!
「さて。10枚くらいはカフェの方に持っていっていくとして」
残りの523枚どうしようかな。3枚は隼人に送ろう。送りすぎか?まぁ、一杯あるからいいや。
520枚。貯金しておこう。俺が作った金庫に入れとけば問題ないだろうし。
「じゃあ1人3枚ずつ取り敢えず渡しておこうか」
「「「いりませんよ?」」」
「なんで?」
レイラ達は互いの顔を見合わせて、
「だってそれ殆ど極星様のお金ですよ?」
「モンスターボックスを叩いたのもご主人様だし」
『私達、ただ後ろにくっついていただけですし』
なんでそうなるの?
「いや、みんなで入ったわけだし」
「そうですけど」
「……僕達お荷物状態でしたし」
『我が主の功績が殆どですし』
要らないとか。欲がないな。
「じゃあ全員3枚は受けとれ。俺の分だとしても分けるのはいいだろう?」
「極星様がそう言うならそうですけども」
「はい、決定!だけどお前は無しな」
「ピイ!」
「どこにお金入れるんだよ。小鳥が大金持って飛んでたら1発でスラムのやつらに取られるぞ。大きくなって変身できたらな」
一応全員に渡して残りは金庫へ。これは俺の作った特殊性で、俺が全力で魔法を打とうが殴りかかろうがびくともしない。壊す方法はあるけど。
これには魔力認証を使っている。魔力にはある一定の周波があって、それを記憶させることにより、超頑丈かつ記憶していない人以外は開けられない。
「えっと」
これには魔力認証、指紋、虹彩、あと顔認証なんかも使っている。神経質になりすぎって思うかもしれないが、この世界の治安はかなり悪いのでこれぐらいしないととられる可能性大なんだよね。
「金庫って頑丈にし過ぎかな」
『それかなり今更だぞ』
まじで?




