王族に完全に喧嘩売っちゃいました
「アトラ王子。貴方が自分から出した条件です。呑んでください。それとも、ただのどこにでもいる平民に背を向けて逃げ出すおつもりですか?最悪の場合‥‥‥‥王都に隕石落としますけど?」
ガチだぞ俺は。隕石って重力の方向ちょっと変えるだけで落とせるから低コストで殲滅率が高い。昔何度か使ったことあるけど。
『あれは悲惨だったなー。あのときも今回みたいな暴走だったっけ?』
そうだっけか?まぁ今はいいや。
「なんと!キョクセイ選手は主催のアトラ王子に戦闘を申し込みました!最初からそのつもりだったようです!」
「アトラ王子。もう逃げられませんよ?」
威圧をかける。すると、その近くにいたボディーガードとかが顔を真っ青にして逃げ出した。アトラ王子は動けずにいる。
「キョクセイ選手。あれだけの大きな魔法を使っても問題ないのでしょうか?」
「問題ないです。もう全部回復しましたから」
「「「ア・ト・ラ!ア・ト・ラ!」」」
アトラ王子。あんたはいくつか読み間違えた。1つは俺の強さを知らずに決闘を申し込んだこと、もう1つは観客をよんだこと。もう、あんたは逃げられないぜ?
顔が真っ青になったアトラ王子がコロシアムに降りてきた。
「はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥‥」
緊張と恐怖でもう息が乱れてる。
「さぁ、始めましょう」
「ヒィ!」
聖十刀を鞘から引き抜き、神力を流す。赤透明な刀身が光を帯びる。
「これはですね。ちゃんと綺麗に斬れるんですよ」
さっきの戦闘でそのままだった氷の柱に刀を軽く振るう。すると、その斬撃のみで他の氷の柱も真平らに切断される。
「あああ!」
「ほんのちょっと振るだけでも威力は中々あるんですよ」
完全にビビっているアトラ王子に囁く。
「お前がラテに手を出した瞬間からお前の運命は決まってるんだよ。お前なんて魔法で爆破でもいいかなとちょっと思ったんだが、やっぱり王族だからな。死体は残さねえと。ってことで一瞬では死ねないかもしてないけどこれで殺してあげる」
アトラ王子が気絶した。
「はい、終わり」
俺は唖然としている観客席を一瞥もせずにその場を離れる。あー。面倒なことやっちまったな。
「流石は極星様。一瞬でしたね」
「お前ら俺に入れてないだろうな?」
「ご主人様に入れるに決まってるじゃないですか!お陰でスッゴい貯まりました!」
あ、さいですか。
『殆どの人がギュテスに賭けていましたからね。ガッポリですよ』
ガッポリなんて言葉どこで覚えてきた。
「それにしても、一体なんだったんでしょう?なんで決闘なんか?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
俺はあのフィムが襲ってきたことを話した。
「そんなことが」
「それはあちらが完全に悪いですね。でもそれの理由が僕だったんですか」
『ふん!我が主に滅されればいいのです』
いや、怖いよ。
その後、グラスさんに呼ばれたのでギルドに行った。
「極星君。派手にやったねー」
「あれ位やっておかないとまたきそうなんで」
「それにしてもあの魔法は凄かったねー。動物が大量に出てきたやつ」
「あー‥‥‥ありがとうございます」
ここで下手に話して正体発覚とか面白くないだろ。天の天敵が確実に襲いに来るし。それに俺の見立てではそろそろあいつらがスタンガンを取りに来るだろうし。
「隼人は大丈夫ですか?」
「大丈夫どころじゃないよ。英才教育してたどころじゃないって、あの子は」
「あー‥‥‥敵無しって感じですか?」
「教師まで歯が立たないよ」
「おおぅ」
全魔法使える上に剣道とかも教えてたからな‥‥‥無双武具流は難しいから教えてないけど。
「じゃあ、俺はこれで」
「あ。もうひとつ。君にもしかしたら王都に行くよう呼び出しかかるかもしれないけど」
「次いでじゃないですよそれ」
「ごめん。どうする?」
「嫌ですけど」
「だよねー。ギルドを通してだったら断っておくよ」
隕石落とすって脅したのに呼び出すのか?隕石が分かってないのか?いや、それはないだろ。流石に。
カフェに行く。
「キョクセイ君!大丈夫なの?」
「何がです?」
「王家に完全に喧嘩売っちゃったじゃない!」
「あー。問題ないですよ。多分」
「キョクセイ君暗殺部隊に狙われたりして‥‥‥」
「あ、それこそ問題ないので大丈夫です。返り討ちにしますし、俺には魔法も武器も大抵のものは効きませんので」
魔法ならほぼ無意識に相殺できるし、武器なら再生系の物じゃなきゃ俺には効かない。切れてもその場で回復する。俺不死鳥だし。
「じゃあ、行ってきます」
今日はどうしようかなー。決めた。サックスにしよう。
サックスはジャズや吹奏楽なんかに使われる木管楽器。とはいっても木の部分なんて殆ど無いけど。画像検索してください。俺じゃ伝えきれん。
曲は何にしようかな。そうだなー。『人生のメリーゴーランド』にしよう。
知ってる?アニメ映画のやつ。説明しにくいなー。調べてくれると嬉しい。
ステージに上がったらめっちゃ人が居る。何時も来てくれるお客さんの人数の3倍以上入っている。コロシアム効果半端ないなー。お客さんを飽きさせないように、次いでにコーヒー買って貰えないかな。無理か。結構高いし。
「綺麗でしたよご主人様」
「ピリュウ!」
ソルトとラテが迎えに来てくれた。
「あんがと。じゃあ夕飯の材料買いながら帰りますかー」
「はい」
「ピリュウ」
結構金は貯まっている。コーヒーの代金は結構原価に近い。そこから微々たるもんでしかないけどおばちゃんたちに払うと残りは殆どない。俺からしたら土地代とかあって寧ろマイナスだ。
喜んでくれる人が居るから続けるけど。冒険者やめたらちょっとキツいかな。家にいる人数が人数だし。
八百屋にジャガイモがあった。メークイン!
「これは?」
「新しく入ったジャグだよ。3個で銅貨2枚だ。どうだい?」
ジャグっていうのか。って言うかジャガイモだし。メークインだし。
「15個下さい」
多いと思う?種芋作りたいだけだよ。
「銅貨10枚だ。はい。毎度!」
メークインをゲットして露店巡りして色々買う。
「綺麗ですね」
ソルトが見ていたのは露店に並べられたアクセサリーだ。女かよ。俺が男っぽいからか。
「買ってもいいぞ?」
「でも‥‥‥」
「丁度良いし皆にも買っていこう。な?」
「はい!」
目をキラキラさせてソルトが選び出す。そういやアルテリオン種(ソルトの種族)って光り物が好きなんだっけ?そう言うことか。ただ本能か。
「ご主人様!これでどうでしょうか?」
ソルトが一人ずつ選んだやつを見せてくる。センスがいいな。レイラは緑色のブレスレット、クラセントは赤色の魔力石の付いたミサンガ、ソルトは銀色のブレスレット、ラテは小さな足につける青色のミサンガ。
「ご主人様は?」
「俺はつけるタイプじゃないだろ」
結局俺以外の全員分購入した。俺がつけない理由?邪神が面倒臭くなるからだよ。
『なんか言ったか?』
俺がなにもつけれない理由。
『俺以外の物はつけないで欲しいの!』
俺たちはカップルかよ。いや、お前だけがその気なのか。
「可愛いです!」
『ありがとう。ソルト』
二人はお気に召したようだ。
「ピリュウ!」
ラテもだが。
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「なぁ、知ってるか?ギュテスさんが負けたんだって」
「うっそ!誰に?」
「なんでもただのカフェのオーナーらしい」
「強いのか?」
「それはもう」
最近はこの話題でもちきりだ。当然だろう。ただのカフェのオーナーが最強の冒険者に勝ってしまったのだから。
「でさ、それが決闘で行われたんだけど、決闘を申し込んだのは第一王子のアトラ様らしい」
「まじか!でも代理をたてたんだからアトラ様は戦ってないんだろ?」
「それがさ、そのオーナーがアトラ様に勝負を申し込んだらしくってさ」
「それで?」
「アトラ様が気絶してすぐ終わったらしい」
くそ。私の噂まで流れている。なんて事だ。あの決闘に勝ったらあの男に謝ってもらおうと思っていたのにあわよくば家も取り返しもう一度フィムに渡したかったのに‥‥‥!
私はその兵士達の近くを通る。
「こ、これはアトラ王子!」
「はっ!」
ふん。私なんてどうせ一回も剣を交えることなく負けた負け犬だ。
「アトラ‥‥‥‥お前には失望したよ。決闘を勝手に申し込み、しかもそれで負けるとは‥‥‥」
「申し訳ありません、父上」
「失態はもう揉み消せぬ。あれだけの民衆のなかで起きてしまったからな。もう噂も広がっているようであるし‥‥‥この落とし前、どうつけるつもりか?」
ぐっ。判っている。あの男に勝たなければならない。そう言うことだろう。それは、無理だ。あの男に勝てる人間などいない。世界中を捜しても居ないだろう。ましてや私が勝てる筈もない。だが‥‥‥‥
「‥‥‥‥精進、致します」
これからは勉強の類いは一旦休み、あの男との再戦に臨まねば!私は第一王子、アトラなのだから!
『俺マジで暇なんだけど』
あっそ。
『もうちょい優しくしてくんない?』




