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アルファベットの上ってギリシャ文字なんですか?

「ついてないだと!?」

「どこについてましたか?」

「あの男はお前とは違う人間だとーーー」

「説明はしていませんよね?」


 同じ人間とも別人とも言っていない。


「な、ならあの時あの男は直ぐに帰ったとかーーー」

「彼、等という一人称は出してませんし、気まぐれに弾いて帰っていくというのも自分のことですし」

「働いてないと言っていただろうが!」

「働いてませんよ?ステージでお金を稼ぐためにカフェは建てただけですもん」


 あくまでもカフェはついででしかない。


「ぐっ‥‥‥」

「それだけなら帰らせていただきます」


「くそ‥‥‥フィムに任せろと言ってしまったからな‥‥‥。お前!私と勝負しろ!」


 そう言って持っていた杖を俺に投げつけた。


「わ!」


 何かが急にとんできたのでストレージに回収してしまった。良いじゃん!研究癖が治んないんだよ!


「あ、あれ?私のワンドが‥‥‥?」

「何するんです?マジックボックスについ入れちゃいましたけど」


「け、決闘だ!」

「え、お断りします」

「貴族の恥だぞ!?」

「平民ですが」


 何をどう考えたら俺が貴族なのか不明だ。


「っく‥‥‥‥良いから受けろ!」

「話になりませんね。いくよ、ラテ」


 こっちに利がないのに誰が受けるかこの野郎。あの家庭教師は自分で俺にやられに来た。こちらが逃げるチャンスをやったのにそれに従わずアホみたいに突っ込んできた。

 俺はただ一発聖十刀を鞘ごと振っただけ。


「ま、待て!」

「ピリュウ!?」

「ラテ!?」


 ヤバイ!ラテが人質‥‥‥じゃない鳥質にされた!ラテは未だ産まれてからそんなに経ってない。下手したら死んじまう!


「卑怯だぞ!」

「決闘だ。受けろ」

「チッ。受ける。今すぐ離せ」


 本気ではなかったらしくラテが直ぐに空中・・に解放される。不味い!まだラテは飛べないのに!

 仕方ない。

 下手に人前で使いたくなかったが。


「1!2!3!」


 その掛け声と共に地面から大量の綿が出てくる。


「な!?」

「ピリュウ!」


 上手く着地してくれた!良かったぁ。


「‥‥‥‥今ここであんた殺そうか?ラテが飛べないのを知っていてそれやったのなら確実に今ここで!」

「ピリュ!」

「‥‥‥‥ラテ」

「ピリュウ。ピリュ!」


 ラテは多分俺に殺しなんてさせたくないのだろう。顔がマジだ。


「す、すまない‥‥‥まさか飛べなかったとは」

「‥‥‥‥」


 嘘はついてないようだ。まぁ、決闘でボロッボロにしてやる。


「ピリュ!」


 再びラテを肩にのせる。


「決闘。受けてやる。ただし、死にはしないが死ぬほどの恐怖を味あわせてやる」

「‥‥‥いいだろう。ただし私はでない」

「じゃあ俺もでない」

「く‥‥‥ではこちらが用意した人材を倒せたら私が相手しよう」

「‥‥‥いいだろう。日時は」

「1週間後の12時、コロシアムで」


 コロシアムはオーグラスの観光名所だ。普通の武闘大会や決闘何かも行われる。


「いいだろう」





「あー‥‥‥‥やっちまった」

「久し振りの暴走ですか」


『50年振りか?』


 そんな前だったっけ‥‥‥?


「暴走とは?」

「極星様って家族思いなんですけど、それがたまに激しすぎて。家族が傷つけられそうになったら国1つ滅ぼすまで止まりません。今回は自分で押さえ込んだようでが」


 そうなんだよな‥‥‥前の時は気付いたら小国を2つ落としてたもんな‥‥‥。


「え‥‥‥」

『流石は我が主(マイ・マスター)。お強い』


 クラセントさんよ‥‥‥いまは話すべきはそこじゃない。


『ちぇー。代われると思ったのにな』


 そう簡単に身体を受け渡すかバーカ!


「まぁ、やってしまったものは仕方ありませんよ、ご主人様」


 ソルトが紅茶を持ってきてくれる。天使だ。いや、ドラゴンだけど。





「極星君‥‥‥‥やっちゃったね」

「やっちゃいましたねー」


 グラスさんには当然もう伝わっている。


「何でそうなったんだい?」

「あー。この前親鳥に捨てられた卵拾ったらそれが孵化したんですよ。で、その鳥が殺されそうになりまして。つい」

「うん。確かに君ならそうなるよね」


 もうグラスさんは俺のことを結構判っている。そりゃそうだよな。6年くらいの付き合いだし。


「はぁ‥‥‥‥」

「すみません」

「問題は君の強さだ」

「?」


「君、王子様に決闘を申し込みされてなんて答えた?」

「あまりにイラついていたので殺すぞって脅した気がします」

「え?そんなこと言ったの?」

「いいじゃないですかー。我慢しましたし」

「してなかったらどうなってた?」

「そうですねー。王都は確実に人が住めない地域にはなってたかもですねー」


 前回そうだったし。もう俺は開き直るぞ!


「君ならできるよね‥‥‥確かに」

「すみません」


 この世界の奴じゃないからな、俺は。


「だとすると穏便に終わった方なのかな?」

「一応」

「君、代理をたてても構わないって言ったんじゃない?」

「言いましたね。あっちが言ってきたことですが」


 俺はちょっと渋ったぞ。まぁあの王子ボッコボコにできるなら良いかなーなんて。


「それがね、君とレイラ君を抜いたなかでの実質ナンバーワンの冒険者なんだよね‥‥‥」

「Vランクの?」

「そうそう。ほらこれ見て」


 そこには一枚の書類、王子様の判子が押してある。内容は、グラスさんが言った通りのことだ。


「んー、俺に対する挑戦状ですかね?」

「確実に勝てないだろうとあっちは思っているのだろうね」

「俺とその人だったらどっちが強いと思いますか?」

「君だよ。それは間違いない。彼は本当は元々Tランクだったんだけどギルドの貢献度で2ランク上がっているだけなんだ。元からZランクの君には敵わないし、君はそこから更にもう一段階上の階級に上がっているからね‥‥‥」


 成る程。ギルドの貢献度でもランクは上がるのか。強さだけじゃないってのも良いな。


「そういえば俺ってランクってなんですか?」

「見ていないのかい?」

「消したまんま一回も確認してないですね」


 忘れてたわ。ストレージから出す。


「んーと。Ω?え?ギリシャ文字突入!?」


 まさかのアルファベットからギリシャ文字に変更ですよ。


「え!?Ωなのかい!?」

「Ωですけど」


 俺がカードを見せるとグラスさんはがちで驚いた顔をした。


「つまり君の力は完全に未知数な訳か‥‥‥」

「?ΩがZの次なんじゃ無いんですか?」

「Zの次はΑ(小文字だとα)その次はΒ(小文字だとβ)」

「ギリシャ文字でも一番上になっちゃったと‥‥‥‥」


 まじか。因みに、ギリシャ文字は24字。俺の場合数字にしたら26+24=50。俺のランクはAから見たら50ランク上、Αから見たら24ランク上だ。つまり。Vランクのやつから見たら28ランク上だ。


『それでももう上無いからお前の力量は測れないって奴だな』


 確かに。


「決闘は受けるのかい?」

「そりゃもちろん」

「かなりこの人は強い。だけど君になら確実に負けてしまうだろうね‥‥‥殺さないでくれよ?」

「手加減はしますよ?腕の一本や二本は知りませんけど」

「‥‥‥」

「嘘ですよ。そんなことしたとしても回復魔法で治しますから」


 殺し合いじゃなくてただの決闘なら俺はそんなことしない。


『でも昔のコボルトの‥‥‥‥』


 あれは殺してないから良いの!黙れ!思い出させるな!


『はいはい』


「極星君に1つ言っておこう。Vランクの彼は戦闘狂だ。とにかく腕はたつが、本当に君を殺しに来るかもしれない。そうなっても君はその人を殺さないでくれるか?」

「わかりました」


 殺しはしない。恐怖・・を植えつけるだけ。


『こえー』


 ふん。ラテに手を出すということの意味を身を持って分からせるさ。




「今日から対人戦闘訓練をする」

「それが良いでしょうね。極星様ってモンスターには容赦なく攻撃しますが人間にそれをやったら確実に死にますのでね」

「うん‥‥‥レイラに言われるとは思ってなかった」


 そんじゃあ、開始といきますか!


 俺は聖十刀と同じ重さ、大きさの刀(木刀)と鞘を背負い、レイラも方天画戟に似せた木の槍を持つ。


 レイラが走ってきたのでこちらも間合いを詰める。中段に構え、横凪ぎに振るう。レイラが跳び上がって避ける。それを意識しながら逆袈裟に切り上げる。レイラは木の槍で受け、そのままの体制で横についた刃を切り下げてくる。

 鞘を背から外し、それを盾にするかのようにガードする。


「そんな避け方があったんですね」

「鞘が頑丈だからな」


『俺が頑丈だからな!』


 はいはい。


 片手木刀、片手盾のように構えた鞘を持ち、俺はそのままレイラに走る。と、俺の木刀の刃がレイラの首筋にピタリと当たっていた。


「俺の勝ち」

「予備動作無しの攻撃ですか。全然わかりませんでした」


 これが対人戦の切り札になってくれれば良いのだけどな。

「あー。めんどくさい」


『自分で良いって言ったじゃん』


 それとこれとはなしは違うんだよ。


『なにがだよ』

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