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邪神の得意な魔法は

 次の日。


 俺とレイラとクラセントは3人でギルドに向かっていた。グラスさんにレイラを紹介するのと、レイラもギルドに冒険者登録しに行くためだ。

 テストがあるって聞いてたけど、レイラなら大丈夫だろう。


 ソルトよりは確実に強いし。


「こんにちはー、グラスさんいます?」

「ギルドマスターなら、ただいま留守にしております」

「そうですか」


 グラスさん居なかったね。


「これがギルド‥‥‥!」


 レイラが興奮している。


「案内するよ」

「はい!」

『むう』


 クラセントがご機嫌斜めだ。何でだろうか。


 一通り案内を終える。


「思っていたより綺麗でした!」


『クラセントが可哀想だな』


 ん?なんで?


『鈍感にも程があるだろ‥‥‥』


 あ、グラスさん帰ってきた。何かあったのかな、顔が暗い。って言うか全体的に。


「グラスさん」

「おお‥‥‥極星君。そちらの方は?」

「レイラです。極星様の仕事のサポートをしております」

「仕事のサポート?楽器のかい?」


 げ!


「ま、そんなところですよ!そんなことよりも‥‥‥」


 俺はレイラのギルド登録をしたいと申し出る。


「それは構わないが‥‥‥今少し込み入っていてね」

「何かあったんです?」

天の天敵(堕天使)のやつらがね‥‥‥‥やっぱり上で話そう。君にも関係がある話なんだ」


 久し振りに聞いたな、その名前。って言うか、俺にも関係あること?隼人の学校のことかな。




 ギルドマスターの執務室に入る。


「で、なんでしょう?」

「まぁ、聞いてくれよ。天の天敵(堕天使)の奴等が君を引き渡せと言ってきたんだ」


 ん?


「え?」

「数年前の君が消したハリケーン、覚えてる?」

「そんなこともありましたね」

「あれ、彼奴らがやったことらしくてね」


 まぁ、大体想像はつくけど。


「あれを消せることのできる君を引き渡せと前から言われていてね」

「え?俺がやったってバレてたんです?」

「いや、バレては居ないんだが。ただ、今回の雹の防御壁、あれが不味かったみたいでね」


 そんなに難しい魔法じゃないんだけど‥‥‥。


「あれを張ったのは数年前のハリケーンを消した人物だと向こうが断定してきてね‥‥‥」

「それ、従わなかったらどうなります?」

「戦争かな‥‥‥最悪の場合」


 戦争かなってそんなあっさりと‥‥‥。

 しかもその理由が俺が居るからってのがまたちょっとな‥‥‥。


「相手の方ってはっきり極星って名前を出してますか?」

「いや、名前は聞いていないな」


 じゃあゼリオが俺を無理矢理天の天敵(堕天使)に入れ込もうってした訳ではなさそうだな。


「なんでだい?」

「いえ、知り合いが居るんですよ」

天の天敵(堕天使)にかい?」

「そこの若頭ですね。自称」

「ゼリオ・ユーイか?!」

「あ、その人です」


 結構な有名人だったりするんだな。


「あいつは相当なレベルの戦闘狂だと聞いたが?」

「そうです、そうです。俺に会ったとたんに殴りかかって来るような奴ですからね」

「そうか‥‥‥」


 俺、どうすればいいのかな‥‥‥。




 結論がでないままその日はレイラの登録をしてギルドマスターも執務室からでる。

 レイラのランク?Yだったよ。


「まぁ、考えても答えは出ないからついでにモンスターでも狩りに行くか」

「冒険者っぽいですね!行きたいです!」

我が主(マイ・マスター)との仲の良さを見せ付けてやります』


 おーい、クラセント?あ、ダメだ。聞いてねぇ。


「どれにしようか?」

「これがいいです!」


 Kランクのドラゴン討伐だった。


「目立つだろ」

「大丈夫ですよドラゴン退治くらい」

我が主(マイ・マスター)。問題はないと思います。あなたの異常さは既に周知の事ですので』


 さいですか。





我が主(マイ・マスター)以外は乗せたくないのですが‥‥‥』

「はい、わがまま言わない」


 なんとかクラセントを説得してレイラと一緒にクラセントの背に乗る。


「よろしくお願いしますね」

『‥‥‥』


 反応位してやれよ。




 竜の巣へ到着。


「速いですねー」

「それにしても暗いな」


 真っ暗だった。風が中へ吹き込んでいく。何処かに繋がっているんだろうか。

 暗視を発動させて巣の中を進んでいく。


「卵だ」

「卵ですね」

『大きすぎませんか?』


 そう、巣をそんなに進んでないのに巨大な卵を発見した。


「こんなにでかいの見たことある?」

「無いですね」

『データにも該当しません。新種の可能性97%です』


 新種だよな、多分。って言うかなんでこんなところに?巣なんて10分の1位しか進んでないぞ?

 って言うかこれドラゴンなのか?


「んー。鑑定でも不明って出るな」

「やっぱり新種‥‥‥?」

『これで卵だったら成長したらどれだけの大きさになるでしょうか?』


 種属も分かんないしな。でも、今の卵状態で確実に10メートルはあるからな。数百メートルは確実にいくだろ。


 卵を見ていたら、なにか音が聞こえた。

 足音とかそんなんじゃない。地響きに近い、ズゥン‥‥‥って感じの音。というか、震動。


「もしかして‥‥‥」

「どうされましたか?」

我が主(マイ・マスター)?』


 これ‥‥‥卵の状態から動いてね?


「ちょ‼転がってきました!」

「見りゃわかる!一旦帰るぞ‼」


 転移で家の庭に帰った。


「あれは一体なんだったんだ?」

『データは保存しました。ギルドに提出しましょう』

「そうだな」


 庭から道に出たら、広場の方から激しい爆発音と、悲鳴。それから火柱が上がるのが見えた。


「レイラ、クラセント!行くぞ!」

「『はい!』」





 広場の方角に向かって走る。屋根づたいに。道をガン無視して走れるから今は上を走った方がいい。

 因みに今は隠蔽能力を使っているため、誰もこちらを気にしない。


 広場に着いた。

 屋根の上から人に見つからないように広場の様子を確認する。


 幸いにも怪我人は出ていないようだ。ただ、女子供が中央に集められ、男連中は縛られて柱に括りつけられている。

 完全にテロ現場。


「ここに冒険者を片っ端から連れてこい!遅いとコイツらの命はないと思え!」


 冒険者を片っ端から?潰すつもりか?‥‥‥いや、違うな。俺を誘い出そうとしているのか。

 あんまりよくわかんないけど、多分あいつら天の天敵(堕天使)だし。俺の炙り出しと、敵対するやつの排除が目的か。


「何て事しやがる‥‥‥」


『落ち着け。今お前がしてはならないのはあいつらの前に出ることだ。それぐらいは判れ』


 言うようになったな。武器精霊の癖に。


『ふん!俺は遊びたいだけだ』


 ‥‥‥まぁ、お前らしいな。

 ‥‥‥邪神。敵対する奴のみ。殺しても構わん。


『ふはははは!いいぞ!それでこそお前だ!』


 全く。俺の事は匂わせるなよ?


『それぐらいわかってるさ』


 それと、あの一番左のやつには注意しろ。あいつの持っている武器には多分霊魂切断が入っている。切られんなよ。


『あれぐらいにやられねーよ。ちょっと力くれ』


 ‥‥‥はぁ。自分の霊力で何とかしろよ。


『じゃあ全員殺すぞ?』


 チッ!これでいいな!


『まあこれぐらいならいいよ。さいなら』




「極星様。邪神を出したのですか?」

「まあね。あいつならそうそう見える人居ないし」

『あの方なら大丈夫だと思いますが、周りに一切の被害を与えずに全員倒せるでしょうか?』


「それなら問題ない。あいつの得意分野(・・・・)だしな」



 あいつは戦闘狂だし、こっちの言うことも全然聞かないけど、意外と常識はある。

 あいつの得意魔法は範囲固定型魔法。


 普通の魔法だと、例えば火球フレアを発動させるとしよう。

 この魔法はその名の通り、火の玉を出す超初級魔法なんだけど、この魔法をうったとき、その周りも焼け焦げる。

 魔法をうって、発動するまでの間に他の人が駆け込んできたらその人に当たって発動してしまう。


 範囲固定型魔法って言うのは、ある一定の者にしか効果がない(・・・・・)ものだ。

 つまり、うちだしてから、発動するまでに人が駆け込んできても発動せず、まるで霊体のようにすり抜けてしまう。

 勿論、壁も、水も、土も全く効果がない。

 それどころか発動した際に出る関係ない場所の焼け焦げなんかもつかない。


 恐ろしく暗殺向きの魔法なのだ。





「ぐは!」


 お、一人吹っ飛んだ。


「どうした!?」


 邪神が範囲固定型魔法、《氷山》を発動する。


 氷山は固定した相手の足下から氷柱のような剣山が生える魔法だ。‥‥‥とんでもなく、えげつない。


「うがああああぁぁぁ!」

「痛い!痛い!」


 何人かは地面に気づいて跳んで回避したな。これが範囲固定型魔法の弱点。

 一度発動したら、変更不可能なのだ。調節が利かない。


「ッチ!ここに魔術師がいるのか!」

「いや、多分報告にあった亡霊だろう。安心しろ!霊魂切断用の剣ならあるぞ!」


 やっぱり霊魂切断だったか、あの剣。


「どこにいる!出てこい!」


 本当にいるけどさ、それ居なかったら痛い人だよ。


「が!‥‥‥‥」


 お、邪神が頭使って声がでないようにあいつらの数を着々と減らしていってるぞ。最後の一人になったな。


 ガキィィィン!


 霊魂切断の剣と邪神の持っている聖十刀が激突する。

 ‥‥‥ん?聖十刀?


 あああああああ!ない!あいつ!自分の本体持っていきやがった!ご丁寧に鞘までない。

 どうすんだよ!俺とあいつの関係ばらしたようなもんじゃねーか!


「亡霊‥‥‥!貴様と戦えることを心待ちにしていた!」

『‥‥‥』


 なんで無反応?


「この霊剣・グラドールに貴様の力を入れさせてもらうぞ!」

『それは、殺すぞって脅してんの?』

「勿論だ」


『‥‥‥‥そうか。脅しってな、こうやるんだよ』


 邪神を中心に空気が変わる。


『たかだか人間の癖に俺に楯突くとは‥‥‥失笑以外の何者でもない』


 どっかで聞いたことのある台詞だな?どこだったか。


『俺は殺しは好まない。‥‥‥だから、ひれ伏せ』


 これ‥‥‥!俺の若い頃の宣戦布告じゃねーか!ご丁寧に威圧の方法まで真似やがって!


「ふ、ふふ‥‥‥それくらいで‥‥‥なにを‥‥‥」


 いやもう結構威圧効いてるよ?自覚がないのかな。


『ふはははは!死ぬがいいさ。まだ楽だぜ?』

「死ねるかあああぁぁぁぁ!」


『雑魚が。黙ってろ』


 邪神のそんな声が聞こえたと思ったら、そいつが倒れた。まぁ、簡単に予測できた結末だな。


 ‥‥‥ってそんなことより、あいつ俺の黒歴史をほじくりかえしやがった‥‥‥。いつか殺してやる‥‥‥。

「‥‥‥‥」

「えっと、極星様。私、あれ格好いいと思いますよ?」

「悲しすぎるよそのフォロー」

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