ソルトの種族ってそんな名前だったんですね
『我が主。説明を求めます』
ですよねー。
「何でここに!?」
「極星様に置いて行かれてから私、異次元転移の練習ずーっとしていたんですよ‼」
「覚えるの早すぎだろ!」
「愛のなせる技です」
意味がわからん。
『良かったな!』
なにがだよ‥‥‥。
『レイラにこっぴどく叱られるが良い‼』
なに言ってんだよお前も‥‥‥。
「ご主人様。この方は?」
「レイラって言う。後でしっかり説明する‥‥‥」
ここじゃ話せないな。予定を変更して先にカフェの方に行こう。
あそこの個室なら良いだろう。
と、言うか俺一応オーナー兼音楽家だし。
「極星君じゃない‼家族でお出かけ?あら?そちらは?」
「レイラと申します。よろしくお願いします」
何をお願いするんだ?
「個室って空いてますか?」
「今の時間帯なら問題ないわよ。私達に一々許可とらなくても良いのに」
「なんとなくですよ」
個室に入り、防音壁を張る。
「えっと‥‥‥じゃあ先ずは自己紹介だな」
「はい。僕はソルトです。自然発生タイプのドラゴンで、種族はアルテリオンです。因みに、ご主人様と将来結婚します」
しないからな!?
「じゃあ、僕も!僕は隼人!来年学校に入るんだ!それでかっこいい冒険者になるの!」
『次は私ですね。私はクラセントです。我が主の魔力から産み出されしヒポグリフです』
今考えてみたらここにいるメンバーで人間なの隼人だけじゃん。
俺(神)
レイラ(神)
隼人(人間)
ソルト(ドラゴン)
クラセント(ヒポグリフ)
って感じで。怪物のオンパレードだな。
「最後に私ですね。私はレイラと申します。極星様の仕事をサポートしております」
あ、そうやって纏めるわけね。神ですとか言われたらどうしようかと思った。
「レイラお姉ちゃんだね!よろしくね!」
「極星様‥‥‥この隼人という子は‥‥‥」
「あのときの子供だ」
「やっぱり!こんなに早く大きくなるんですね!」
神様が遅いだけなんだけどね。
「えっと‥‥‥?レイラお姉ちゃんって会ったことあるの?」
「まだハイハイもできない時に会ってますよ」
「覚えてないと思うけどな」
レイラと隼人が話し始めた。
「ちょっとご主人様!僕を差し引いて恋人ですか!」
「違う‼」
『我が主。嘘はいけません。あの方は男性、あなたは女性。しかも互いに産まれてくる性別を間違えているような性格です。私は騙されません』
「やっぱり騙したんですね!」
「騙してない‼」
断じて違う‼って言うかクラセント!お前、産まれてくる性別を間違えているようなってなんだよ!
まさかお前に言われるとは思ってなかった‼
『裏切り発覚!』
ややこしくなるからお前は黙ってろ‼
「取り敢えず、レイラは俺の兄弟みたいな関係!いや、ちょっと違うけどそんな感じなの!お前ら変なこと勘繰り過ぎ!」
「兄弟みたいなって言ってから一旦訂正したじゃありませんか‼やっぱりそうなんですね!そういう関係なんですね!」
違うっての!俺の子供って言う意味で‥‥‥ああ!何て説明すれば良いんだ!
「だから違うって!」
『見損ないました。我が主。まさか我々に隠して恋人が居たなんて‥‥‥』
もう嫌だこいつら‥‥‥。
現実逃避で楽器弾こう‥‥‥。
「あ!逃げるつもりですかご主人様!」
うん。もう逃げよ‥‥‥。
ソルトを速攻で撒いて舞台裏へ。クラリネットにしよう‥‥‥。
舞台裏にはチューニング室があり、そこでチューニングする。
クラリネットを持ったまま舞台へ。うわぁ。真正面にレイラ達が勢揃い‥‥‥目を合わせないようにしよう。
曲はフォスター・ラプソディ。
すっごいマイナーな曲なんだけど、クラリネットで吹くと結構かっこいいんだよね。俺は好きだな。
浸透の魔力を流しながら吹く。
いろんな楽器とか人で試したんだけど、クラリネットなんかの柔らかい音のする楽器だと、浸透の魔力を流すと一番綺麗に聴こえるらしい。
俺は自分の音が聴けないから解んないけど。
「さすが極星様‥‥‥以前より美しく聴こえます」
魔力流してるだけなんだけどね。
何曲か吹いて舞台裏に戻る。さてと、買い物行くか。
なにか言いたげなレイラ達を華麗にスルーして買い物へ向かう。
「極星!僕、飴が食べたい‼」
「買ってきて良いぞ」
「やったー!」
お金を握って隼人がソルトと一緒に飴を買いにいった。
「少々甘くないですか?あなたにしては」
「隼人にいつか本当のことを話して俺がここを離れるまで楽をさせてあげたいんだ。‥‥‥あのこには」
そうですか‥‥‥とレイラが呟く。
いつこの世界から離れるか分からないからな。俺がいる間は俺がしっかり守っていかないと。
「さてと、帰るか」
隼人が飴を持って帰ってきたのをしっかり見てから家に帰ろうと歩き出す。
「あ、あの!私も‥‥‥その‥‥‥宜しいでしょうか」
なに言ってんだよレイラ。
「俺が駄目って言うわけ無いじゃん」
「そうだよレイラお姉ちゃん!」
「ご主人様との関係は許せませんけどね」
『我が主は恋愛に現を抜かせないのです』
約二名(二匹?)が盛大に勘違いしてるけど、いいや。
「行こう。レイラ」
「はいっ!」
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ご主人様に女のような男が抱き付きました。
僕はご主人様に恋人がいたことに驚きました。
失礼きわまりないですが、ご主人様は女性なのに全く女性らしくない方なのでそんな人は居ないと思っていたのです。
まさか、ご主人様にピッタリの男が居たなんて‥‥‥。
敵はクラセントだけと思っていましたがまさか他にも居たなんて!
僕はご主人様に何度も何度も恋人かと訊ねました。
ポーカーフェイスが常のご主人様なので何度も同じ顔で違う違うと言われました。
あまりに顔の変化がないので本当なのかとも一瞬思ってしまいましたが、その後のご主人様の兄弟みたいなって言ってから訂正を入れたことにかなり疑惑が広がりました。
ここで、また以前の疑問が出てきます。
ご主人様は何者なのか。どんな仕事をしているのか。そして、ここに来るまでにはどこに住んでいたのか。
本名も、出身も、なぜそんなに強いのかも。
全て、謎のままです。グラスさんにご主人様の素性を調べて貰うように言ってありますが、結果は出ません。
ここに来るまでのいままでがまるでこの人には無いような、そんな気がするのです。
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「うわぁ!豪邸ですね!」
レイラが家を見上げて興奮している。
「まぁ、棚ぼたに近いけどな」
「ぼた餅どころじゃないと思うんですが」
レイラの部屋は三階の一番端になった。何でかは知らないけど、レイラがそこを希望したのでそこになった。
「じゃあ、ご飯作るから隼人とソルトはレイラを案内してくれ。クラセントは手伝いを頼む」
クラセントは俺の力の一部が使えるらしく、記憶力がかなり高いらしい。俺みたいに全部覚えられないが。
『シチューを作るにはまず‥‥‥』
ただ、何故かは分からないが声に出さないと正確に思い出せないらしい。
『次ぎに玉ねぎを‥‥‥』
一旦放っておこう。今日はハンバーグにする。
どうでもいいけど、隼人は野菜好きだ。子供って野菜嫌いが多いのにその辺は苦労しない。と言うか好き嫌いがあんまりない。いいことだよな。
俺?バナナが嫌いです。
ハンバーグのタネをぺったぺったしながら今後のことを考える。
レイラってもしかしたらフェント達に内緒で出てきたんじゃないかな‥‥‥?
もしそうだったらあっちは現在大混乱だよな‥‥‥。
後で連絡しよう。
「極星様!お風呂って何であんなに大きくしたんです?家の方が寧ろ小さいじゃないですか」
「いいじゃん。魔力は有り余ってるし」
「問題はそこじゃ‥‥‥」
ジューっと音がなりハンバーグの良い匂いが立ち込める。
「ハンバーグ!久しぶりです!」
「あっちじゃ出ないからな、家庭料理」
専属コックのフルコースメニューばかりだからな。
あれ、本当に美味しいんだけど、味が健康思考過ぎて薄かったり、妙にお腹にたまらなかったりするんだよな。
「あっちってどっちですか?ご主人様」
「あっちはあっちだよ」
適当にはぐらかす。
「はいはい!手洗ってから席につけ」
「なんか府に落ちません‥‥‥」
とか言いながらちゃんと手を洗いに行くんだよな。
「クラセント、もう煮込まなくて良いぞ?」
『もう少しとろとろにしたいのです』
「お、おう。程々にな?」
クラセントって一度やり出すと止まらなくなるタイプなんだよな。
俺も手洗ってから食べようっと。
「頂きます」
「「「『頂きます』」」」
レイラが綺麗な食べ方でハンバーグを食べていく。ソルトとクラセントが対抗してものすごい小さな口で綺麗に食べようと必死だ。
「楽に食べれば良いぞ?」
「こうやってたべます!」
「あ、うん。お好きにどうぞ」
テーブルマナーは一応しっかり教えているけど、普段俺がマナーもへったくれもないような食べ方してるから特に気を張る必要ないのにな。
「流石極星様。いつ食べても絶品です」
「え?ああ、うん。ありがとう」
ソルトとクラセントが物凄い対抗心を燃やしている!レイラも気づいてて煽ってるんだろうな。
‥‥‥この家大丈夫かな。怪物の巣みたいなもんだし。
「いやー。まさかレイラが異次元移動覚えるとは思ってなかった」
「兄達は驚いていました!」
「どうやって覚えたんだ?」
「極星様の本で」
「ですよねー」




