新メンバーが増えました
私事ですが、『無気力超能力者の転生即興曲』というやつを2作目として投稿します!今日からなので興味があれば読んでいただければと!
俺の目の前には、落ちた俺のギルドカードと、ギルドカードに生成された巨大すぎる魔石。そして、困惑したグラスさん。
「‥‥‥これはどうするのが正解なんだ?」
「俺に聞かないでください」
こっちが聞きたいわ‼
「取り敢えず、何しようとしたのか教えてください」
グラスさんの話によると、Zランク冒険者の枠に収まらないような者が居たらこの水晶をギルドカードの上にのせろ。
ギルドカードがZランクの枠に収まらないと判断した場合、魔力を吸い上げる。
魔力を極限まで吸い上げたギルドカードは、何かを産み出す。
と、先代から言われていたらしい。
何かってなんだよ‼
一番大事なところが伝わってないぞ‼
「で、俺は馬鹿正直に水晶に最大まで魔力を供給してしまったと‥‥‥」
「まぁ、そんなところだろうな‼」
グラスさんがここまで頼りないと思えたのは初めてですよ‥‥‥。
これ、どうしよう。
グラスさん曰く、何かが産み出されるんだから何かが産まれると思っていたらしい。
あながち間違っているとも言えないけど。
「とにかく、ギルドカードだけは回収しますか‥‥‥」
このでかい魔石は最悪ストレージに仕舞うけど、極力触りたくない。なんか本当に産まれてきそうだ。
念のため予見眼と動見眼を発動。戦闘スタイルを取っておけば問題ないだろう。
魔方陣を瞬時に作り出し、ギルドカードに向けて発射する。
魔法は簡単に成功し、ギルドカードが浮いて戻ってくる。
ギルドカードに触れた瞬間、魔石に大きなヒビが入る。‥‥‥卵みたいに。
予見眼を開眼しているので大丈夫‥‥‥と思ったら予知が全く反応しない。動見眼も同様だ。どうやら、魔眼が一切効かないらしい。
仕方ないので魔眼を切って肉眼でやるしかない。肉眼での戦闘は日本やレイラとの訓練で慣れているので問題ないだろうが‥‥‥。
不安だ。魔法が一切効かなかったら剣技でいくしかない。
それも大丈夫だが、グラスさんを守りながら周囲に被害を与えずに戦闘をするとか無茶がある。
俺の武器は基本的にでかいんだから。
って言うかマジで生まれてくるの!?グラスさんの勝手な妄想じゃなくて?
そんなどうでもいいことを考えていたら本当に何か出てきた。俺は反射的に刀を構えるが、計算上はこの刀じゃ‥‥‥。
パァーンッ!!
そんな音がして何かが出てきた‥‥‥真っ白な翼を持った鷲の頭部が見える。
え?グリフォン?まじ?
と、思ったら下半身が馬だった。
ヒポグリフじゃねーか‼
知っている方も居るとは思うが、説明する。
ヒポグリフは鷲の頭部に馬の下半身を持つ幻獣だ。最も美しい幻獣って言われてた気がする。
確か、グリフォンと雌馬の子供だ。
あの有名な魔法使いの子供が戦う映画にも出ている。名前は流石に出さないけど。
前日本に遊びに行った時に観たんだよな。俺の世界より安全性凄いありそう、とは思った。
あの映画では礼儀正しくしないと仲良くできないって設定だったけど、半分あってて半分違う。
少なくとも俺の世界では。
別に仲良くなるためにお辞儀する必要ないし。只、悪意とかにスッゴい敏感だから変なこと考えて近付かなきゃ問題ない。
この世界ではどうなんだろう。
たまにあるんだよね。世界が違うと動物の獰猛性が全然違うとかさ。
前いったことのある世界だと(観光で)兎とかが肉食で、ライオンとかが草食だった。
まるっきり逆だった。
兎がライオンを襲って貪り食う様はトラウマにしかならないほどの恐ろしさだった。
雑食は雑食だった。
「ヒポグリフって獰猛でしたっけ」
「獰猛だよ‼それはもう最悪のモンスターって言われるぐらいに‼」
最悪のモンスターって‥‥‥。
「‥‥‥それってヤバくないですか?」
「ヤバイよ‼」
ヒポグリフがめっちゃこっち見ている。
って言うかグラスさん‼俺の後ろに隠れて俺を盾にするな‼動きづらいし、俺だって怖い‼
「極星君!あれ、何とかしてくれ‼」
「諸悪の根元が何いってるんですか‼」
倒せないわけではなさそうだが‥‥‥グラスさんがいる以上、下手に暴れられない。
周りの高そうな調度品も壊しちゃいそうだし。
ヒポグリフがこっちを見てお辞儀をした。
‥‥‥へ?
よくわからんがこっちもお辞儀をしてみる。この場合は合わせた方がいいかなと思ったからだ。
『貴方が我が主ですか?』
めっちゃ恭しく話しかけてきた。
「主かは俺もわからん」
『では、質問を変えます。貴方の力で私が産まれましたか?』
「多分」
わからんけど。多分俺の力の集合体だろうな。このヒポグリフ。
『警戒を解いていただけますか?我が主。こちらは危害は絶対に加えません。後ろの方にも』
俺は聖十刀を背にしまう。
「ちょっと、極星君!大丈夫なのかね!?」
「え、話聞いてませんでした?」
「聞いていたが‥‥‥少なくとも私のしらない言語で何を言っているのか‥‥‥」
知らない言語?あ、これ今気づいたけど精霊語じゃん‼ヒポグリフって精霊だったっけ?まぁ、いいや。
「多分大丈夫です」
『我が主貴方からは神の気配がいたします。失礼ながら、貴方は神の一種なのですか?』
「まぁ、そんなところだとおもう」
『それと‥‥‥貴方は精霊族系の幻獣と言うのも間違いではありませんか?』
うぉう!いきなりの爆弾発言。精霊語で良かった‥‥‥。
「ああ、不死鳥だ」
ここで初めて明かされる俺の種族。気づいてた人もいるかもしれないけど、俺は不死鳥とか、火の鳥とかそんな感じで言われる種族だ。
血や涙には癒しの効果があり、傷は直ぐに治る。
伝承と違うのは、血を飲んでも不老不死にはならないし、自分の体を焼いてまた転生とかしなくて良い点だ。
『やはりそうでしたか。並々ならぬ神力を感じます』
そうかな?自覚ないけど。
『私は貴方にお仕えしとうございます。どうか名前をつけてください』
名前を付けると契約することになっちゃうんだよな‥‥‥。
家にはもうすでにドラゴンが住み着いてるから今更すぎるけど。まぁ、でも俺が造っちまったんだしな‥‥‥。
「わかった。お前の名は《クラセント》だ!」
契約しちゃった‼もういいや。ドラゴンが居る時点であの家はアウトゾーンに差し掛かってるし。
一匹も二匹も一緒だ!
「と、言うことでクラセントになりました」
「なんでそんな話に‥‥‥って言うか君はなんであの言葉が使えたんだ?」
「それは言いませんよ。個人情報です」
「とにかく君はとんでもない人だとは判ったよ」
とんでもない人ね‥‥‥。人じゃないけど。
「それにしてもヒポグリフを手懐けるとは‥‥‥」
「まぁ、俺が造っちまったからってのもあるとは思いますけどね」
クラセントは今俺の斜め後ろに居る。メイドとか執事ってこの辺に居るよね。俺の家にも居るけど、俺の部屋には居ない。
あんまり帰らないしな。
『我が主。この方は精霊語が分からないのですか?』
「わかんないと思うよ?」
『人間語での会話も可能ですが』
「あ、出来る?あ、でも俺が神っていうのと俺の種族なんかは内緒で頼む」
『了解いたしました』
『聞こえますか?』
「喋った!?」
グラスさんが物凄い驚いてる。と言うか焦ってる。
「人間語でも話せるらしいのでこっちで話して貰うことにしました」
「そ、そうかい」
『初めまして、ギルドマスター。私はクラセントと申します。以後、お見知り置きを』
恭しく頭を下げる。
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なんと言うことだ。
極星君を連れてきて先代の言った通りに水晶を渡したら本当に生まれてきてしまった。
Zランクモンスター、ヒポグリフが。
先代はその者にあった強さの物が作り出されるだろうと言っていたが、まさかヒポグリフだなんて。
この世界にはモンスターにもランクがあり、高いほど危険度を表している。
例えばスライムはAランク。ゴブリンはBランク。あの家に住み着いているドラゴンのソルトでさえ今のところはKランクだろう。
成長していけばもっと上がるだろうが。
エンシェントドラゴンが世界一危険だと思われているが、エンシェントドラゴンには人間よりも高い知能を持っており、人間を襲うほど馬鹿なことはしない。
そのエンシェントドラゴンでさえ、Wランクだ。
それよりも危険な絶対種、ヒポグリフ。人間を襲い、人肉を食べる人間がもっとも忌み嫌う美しい幻獣。
もっとも、ここ何十年かは全く姿どころかこの世に居る痕跡さえなかったため、絶滅したらしいが‥‥‥。
まさか、産み出してしまうとは。しかも、本人は事の重大さに全く気づいていない。
しかも極星君は精霊語が話せるらしく、普通に会話している。どこで覚えたのだろうか?
「グラスさん。クラセントを連れて街中歩いたらアウトゾーンですよね」
「いや、テイムの申請書が出ていたら問題はないんだが」
つい、言ってしまった。
「あ、じゃあお願いできますか?申請はギルドですよね」
「あ、ああ。用紙を持ってくる」
私は一階まで降り、テイム申請書を持ってくることになってしまった。
最近は何度か胃が痛む。しかもそれは全てこの極星君の異常さ故になんだが‥‥‥本人も気付いていないようだ。
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クラセントと触れ合ってみる。
うお!ふっかふかやん!
「柔軟剤使った?」
『柔軟剤‥‥‥?それは何でしょうか。説明を求めます』
「あ、いや。なんでもない」
『この世界には柔軟剤無いからな‼』
あ、邪神‼お前だろ、魔力限界まで出させたのは‼
『面白そうだったし』
って言うかいつから起きてたんだよ。
『ギルドに入ったとき位から』
全く話しかけられなかったからいつまで寝てるんだとは思っていたが。お前、無視しやがったな‼
『ざまあ!』
こいつ‥‥‥!
『どなたと話していらっしゃるのですか?』
え?念話に入ってこれるの!?
『はい。我が主の魔力で私は形成されているので』
すげー。
『お前がクラセントか?俺は聖十刀の守護精霊だ。宜しく‼』
『貴方が‥‥‥!初めまして。クラセントです。これから宜しくお願いします』
二人とも何となくアッサリしてんな。
「っていうか、魔力って全部放出しないように調節した気がするんだけどな‥‥‥」
『どうされましたか?』
「いや、なんでもない」




