戦争
結局あの後神達が総動員して何とかしてくれたらしい。
途中で気を失ったから知らんけど。
それから、また邪神が出てきた時のためにベルが俺の部屋についた。聞いたところによると念のため全ての部屋につけたらしい。ナースコールみたいなやつ。
何度も替わられそうになったら押せと念を押された。
解せぬ。
因みに今のやり取りで判った方もいらっしゃるかもしれないが、邪神が宿っているのは俺だけだ。
押さえ付けるの大変なんだよな、こいつ。
唯一、こいつよりも力がある俺はこいつが出てきた時点で意識が薄くなっていくし。
天使たちの目がちょっと怖い。
なにやったんだよ、お前。
『名前で呼べよ』
「それ言ったらお前だって名前で呼ばないじゃないか」
おっと、こいつの声って普通の人には聞こえないんだよな。
突然喋りだした俺に天使が目を丸くしてこっちを見ている。
「ごめん独り言だから」
天使は、そうですか‥‥‥と呟いて去っていく 。
『と言うか、お前って名前で呼ばれてんの見たことないな』
確かに。
『レイラなんてお前の本名知らないんじゃないのか?』
え?教えたこと‥‥‥確かに無いかも。
『親の名前も知らない子供ね‥‥‥』
おい。その言い方やめろ。まるでレイラを捨てたみたいな感じになってるだろうが。
『放置してるから捨ててるも一緒だろう』
‥‥‥そうかな。
そんなどうでもいい話をしながらフェントの部屋の前へ。
一応ノックする。
「どうぞ」
「お邪魔しまーす‥‥‥」
真ん中にあるテーブルセットの椅子にウェントが座っている。ふかふかしたやつ。
「なんで毎回入るときは他人行儀なんですか‥‥‥」
「なんとなく」
くそぅ。金髪がキラキラして格好いい。
俺なんて仕事しすぎて赤色の髪がくすんでんだぞ‼
「昨日はすまんかった」
開口一番に謝っておく。
「珍しいですね。貴方があそこまで取り乱すなんて」
そう言ってポットから紅茶を淹れてくれる。
「ストレスが溜まってたんだよ」
「‥‥‥まぁ、そうでしょうね。というか、そろそろ出てくるかなーとは思ってたんですけどね」
今のはたぶん邪神に向けて言ったんだろうな。
「‥‥‥なんでそろそろだって思ったんだ?」
「だって‥‥‥普通の人ならストレスで死んでいても可笑しくないですよ?」
「‥‥‥部下たちのことか?」
「ええ。実際に貴方はそれで死にかけた。‥‥‥いいえ、貴方は死んでいるんです。本当ならば」
まぁ、そうだろうな。
たまたま昔に量産した分体を1体たまたま天界に残しておいてあった。だから助かった。
誰もがその分体を忘れていた。
ただ、それだけ。
「‥‥‥もっとご自分を大切にしてください」
「‥‥‥わかった」
「それで、勇者の件なのですが」
「え、話題変えるの?いい感じにしんみりしてたんだけど」
「はい。むしろこっちが本題です」
そっすか。
「日本の最高神様からコンタクトがありました」
「そうか‥‥‥。なんて?」
「時空間に歪みが入って仕事にならないと」
おおおおおおぉぉぉぉ‥‥‥。
い、胃が‼胃が痛いぃぃぃ。
すいません‼アマテラスさん‼
「‥‥‥すぐ向かう」
「あ、まだお待ちください」
「まだなんかあるの?!」
「はい。その‥‥‥申し上げにくいのですが」
「?」
「精霊族と魔族が‥‥‥」
なんか嫌な予感がする‼
とてつもなく嫌な予感がする‼
「人間族と獣族に‥‥‥全面戦争すると宣戦布告した模様です」
俺は即倒した。
この小説読んでくださる方っていらっしゃるのだろうか。