ラント・エラムに会いました。ほんの少し身の危険を感じました
アトリートの神様の話は前にもしたと思う。
俺が時空間の歪みに入って死にかけた時に助けてくれた神様だ。
名前は《ラント・エラム》
太陽神で、最高神だ。
力は結構強い。
ちなみにおネエだ。
「あらー、早かったわねー。」
クルトアのしゃべり方に、若干似ていないこともない。
「ラント!悪いね」
「私たちの仲じゃなーい。遠慮は、ナ、シ、ヨ?」
そういってウインクをしてくる。
最初はちょっと寒気がしたけど、もう大分なれたのでさらっと受け流す。
「その子はどうしたのかしらー?」
「日本で捨てられていてな。魔法の適正があるみたいだから連れてきたんだ」
「そうなの。まぁ、歴史も糞もない世界だから問題ないわよ」
「一応最高責任者だろ」
そうそう、この人は色々と情報収集能力が半端ないので俺が進化したことも知っているらしい。
どう調べたらそうなるのか謎である。
「じゃあ、またいつか」
「そうね‼その子も気になるし、また会いに行くかもね‼」
俺は子どもをちょっとだけ強く抱き締めて下界に転移した。
こちらの世界でも魔法はある。
心置きなく魔法が使い放題なのだ。
転移をする。
転移先を面倒臭がって確認しなかったのが仇になった。
出た瞬間、山賊の夜営地の目の前なのに気づき、早々に離れようと思ったら、
「おいてめえ」
絡まれた。
「‥‥‥なんでしょう?」
「俺の前を通って無事でいられると思うか?」
小物発言だな。
「此処に身ぐるみ全部置いてけ。子供もだ」
「嫌ですけど?」
全部って欲張りだなあ。
「ふん、まあいい。どちらにせよ置いてって貰うからなあ‼」
突然ナイフを持って走ってきた。
子供をなるべく揺らさないよう配慮しながら避けて爪先で鳩尾を軽く蹴る。
‥‥‥軽く蹴ったのに真上に吹っ飛んだ。
1メートル位飛んで帰ってきた。
ベシャっていった。
‥‥‥よえええぇぇぇ!
俺が強すぎるのか?
山賊を爪先でけって全員仕留めました。
そんで、山賊の金を奪って逃走いたしました。
取られそうになったから良いよね‼不可抗力だ!
『これが不可抗力ね‥‥‥』
悪かったな‼加減ができないんだよ‼
因みに。山賊から頂いたお金はかなりの大金だったよ!やったね!‥‥‥こいつら、名のある山賊なのかな?
それにしたら弱かったけど。
町についた。
此処は冒険者の町、《オーグラス》
その名の通り冒険者が作った町であり、腕っぷしの強いやつらが沢山集まる場所。
オーグラスには、学校や教会がある他、首都並みの情報が集まる経済の町。
此処には神様を断絶しようとするやつら‥‥‥《天の天敵》が居ないから、信仰深い人が集まる。
天の天敵に真っ先に狙われそうだけど、此処を潰すとあちら側にも多大なデメリットがあるらしく、襲われない。
隠れるには、丁度良いのだ。
役場に行き、この子の戸籍を作らないと。
「すいません、この子の戸籍を作りたいのですが」
「判りました。保護者の方ですか?」
「はい。と言っても血は繋がってなくて‥‥‥」
俺がでっち上げたのはこれだ。
この子は知り合いの子である村に住んでいたのだが、モンスターに襲われ村が壊滅し、たまたま通りかかった俺がその知り合いにこの子を任せると言われ、ひとまず此処で何とかしようとした‥‥‥。
という、この世界ではありがちな設定だ。
実はこの話し、全てでっち上げではない。
この子の親は借金取りに追われ、この子を茂みに隠し、逃げたらしい。
これは、アマテラスが調べてくれた。
親は借金取りに殺されたらしい。
「成る程、判りました。では此方の書類に記入を」
書類を書いていく‥‥‥あ、この子のなまえ、どうしよう。
適当でいいか‼
結局、《ハヤト・クラウン》になった。
隼人は両親がつけた名前だ。本当は、《小野木 隼人》だったが、流石にそこまで日本名だと気が引けたので、ファミリーネームは俺の世界の神様たちと一緒にさせてもらった。
「家を借りるにはどうすれば?」
「ああ、それならこの先の角に不動産‥‥‥」
色々と説明してもらった。
この人の記憶コピーすれば良かった‼と思ったのは話し終えて直ぐだった。
「失礼します」
「お客様なの‼」
どう見ても子供が店主だった。
こういう店なのか?と、思いつつ家を借りたいと申し出る。
「私はドワーフのユーラなの!いい物件、案内するの‼」
ドワーフだったか。
俺が事の顛末(でっち上げ)を話すと、
「良いお家があるの‼」
ユーラが提案してきたのは、超豪華な屋敷だった。
「いやいやいや!?何で豪邸なんです!?」
「貴方なら払えると思ったの‼」
なんで!?
「‥‥‥おいくらです?」
「白金貨二枚なの‼」
え?
「白金貨二枚?安すぎません?」
「そんなことないの!」
‥‥‥なんか怪しい。
「訳有りだったりします?」
「するなの!」
ええ‥‥‥
因みに、この世界では
銭貨‥‥‥1円
鉄貨‥‥‥10円
銅貨‥‥‥100円
銀貨‥‥‥1000円
金貨‥‥‥1万円
大金貨‥‥‥10万円
白金貨‥‥‥100万円
って感じである。
つまりこの豪邸、200万なのだ。怪しさ満載だ。
「幽霊とか出るんです?」
「ドラゴンの子供が住み着いてるの‼」
そんなにヤバイか‥‥‥?
ドラゴンなんて片手でなんとかできそうだな。
「買う」
「即決なの‼大丈夫なの?」
「多分大丈夫ですよ」
勿論、遠視で確認してある。
これぐらいのドラゴンなら大丈夫だ。
庭にすんでるだけだし。
家に到着。
多分大丈夫だけど、ドラゴンをなんとかできたら此処で金払って住むつもりだ。
自分でも即決だと思うが、かなりこの辺は立地条件が良い。
白金貨二枚は安すぎる位だ。
問題の庭に直行。
隼人はユーラに預けてある。
庭に入ったら、早速ドラゴンの子供が出てきた。
「キュルルルルゥゥゥゥ‼」
かわいい鳴き声してるな。
「お、お客様!今すぐ帰るなの!此処は危ないの‼」
速攻でこの家紹介してたあんたが怖がるなよ。
俺はドラゴンに近付く。
お、ブレスの準備し始めた。喉に魔力がたまっていく。
「ブ、ブレスなの‼逃げるの‼」
俺は構わず近付く。
「キュルルルルゥゥゥゥ‼」
俺がブレスに呑み込まれ‥‥‥そうになったところで魔方陣を作り、ブレスを吸収する。
「え‥‥‥?お客様‥‥‥?大丈夫なの?」
「ちょっと弱いくらいですね。修行が足りないぞ?」
「キュルル‥‥‥」
「俺の勝ちだ。良いよな?」
「キュル‼」
「マジックアイテムなの?」
「さあ‥‥‥どうでしょうね?」
「何か怪しいの」
客に怪しいっていってるけど‥‥‥。
まぁ、わかってますよ。怪しい事くらい。




