この辺りの土地では珍しいのですが
なんなんだ?
あれから、毎日毎日暗殺屋が俺のところに来るようになった。
しかも、全員違う奴等だし、依頼主も違う。
女の暗殺集団が来て色仕掛けしてきたこともある。
俺は女なんだがな。
「多分、名が売れちゃったんすよ」
「?」
「あいつらは、極星の楽器よりも極星自身を狙ってるんすよ」
『どういう事だ?』
分からん。
「前のチンピラを一瞬で黙らせたのを見た人が、あいつは強そうだって自分の方に引き込もうとしてるか、自分の力が極星に通じるか試したいってやつが居るんじゃないすか?」
え‥‥‥?
っは‼
そうか‼前公衆の面前でやったことが裏目に出たか‼
他のチンピラへの見せしめだったんだがな。
「まじか‥‥‥めんどいわ」
「自分でやったんですからね?」
「判ってるよ‥‥‥」
なんで模擬戦形式じゃなくて殺しに来るの‥‥‥?
日本はそれが普通なのか?
次の日。
名古屋を出る。
なんか疲れたな‥‥‥主に暗殺屋への対応で。
「それにしても極星も名前が売れてきたっすねー」
「本名じゃないですけどね」
「確かにそうっすね‼」
お二人さん‥‥‥なんでそんなに元気なんだ。
俺もう疲れた。そう言えばこの世界に来て1ヶ月くらいか?
時間がたつのって早いね。
え?そんなにたってないって?
なんにも書くことがない日の話はすっ飛ばしちゃってるからな‼
なんか荒れ地に出た。
俺の世界じゃ珍しくないんだがこの世界だとここまで荒れ地ってあんまり無いんじゃないのか?
「荒野っすね‥‥‥こんなとこあったっけか?」
「俺らに聞くなよ」
地面の砂がカラカラだ。
干ばつ状態って温暖湿潤気候の日本じゃ珍しいはずなんだが‥‥‥
『感じたか?』
なにが?
『神域じゃない』
‥‥‥‼
本当だ。どうなってるんだ?
『どうやら何年か前に消えたらしい』
まじかー。こっちの世界じゃ珍しくないんだっけ。神様が死ぬのって。
だからこんなに‥‥‥
よし。久し振りにあれをやるとするかな。
「レイラ、東。今日はここで野宿しよう」
「判りました」
「時間がちょっと早くないっすか?」
「ちょっとやりたいことがあるんだ」
「?わかったっす」
二人が準備している間に此方も色々と準備するとしよう。
先ず、石をたくさん集める。
そこに、マークペンと呼ばれる魔法道具で模様を書いていく。
魔方陣を地面に描いていく。
棒でガリガリ‥‥‥
「あの、極星ってなにやってるんすか」
「極星様はこの土地に緑の加護を付ける準備をしているんです」
「緑の加護‥‥‥?」
「この土地に草木を生やす加護をつけているんです」
「凄いっすね。じゃあ青‥‥‥」
とかなんとか聞こえるけど今はこっちに集中だ。
少しでも魔方陣が狂ったりすると最悪の場合、変な物が召喚されて大混乱になるからな。
よし。描けた。我ながらいい出来だ。
石を等間隔で配置し、神力をゆっくりかけていく。
急速にやると土地にダメージがいくからな。
ゆっくり、慎重に‥‥‥。
お、終わった‥‥‥。
疲れた。神経磨り減らすからな、これ。
近くを見るともうレイラたちは寝ていた。
ご飯がおいてある。
さっき寝たばかりなのか、まだ薪に火が着いていた。
火の中に追加の薪を入れ、ご飯を温める。
速攻で完食致しました。
シチューだった。レイラが作ってくれたんだな。
いつも通り、刀の素振りをした後、明日のご飯を狩る。
サクサク倒れていく。
この辺でいいかな。下手にやりすぎると絶滅するからな。
ストレージにさっさとしまって帰る。
帰ったら丁度日が昇ってきた。
レイラのテントからごそごそと聞こえる。
東は相変わらず一旦寝ると起きないんだよな。
日に照らされていく地面をボーっと眺めていたら、地下の流れが一瞬見えた。
‥‥‥?
魔眼‥‥‥使ってないよな?
どういう事だ?
‥‥‥気のせいか。
魔眼を発動させる。元々はいい土地だったんだな。力の増幅が早い。この状態だったら直ぐに植物も生えるだろう。
でも‥‥‥念のため。
ストレージから取り出した木の苗を1本だけ植える。
ストレージって生き物は入らないんだけど、ある手順を踏んだ生き物は入る。
どんな手順かって?企業秘密です。
‥‥‥しっかり生きろよ。
この後、とんでもない大きさの木があると話題になり、この辺がパワースポットとして観光地になったらしい。
新しい神様はその木の精霊らしい。
‥‥‥とんでもないことをした気がする。
まぁ、いいか‼
俺はもう知らんぞ‼
「いやー、極星って何でもできるんすね!」
「本当にうらやましいですよね」
レイラ‥‥‥‥お前も神様だろ。




