電気ってこの時代ってありました?
・・・評判ねぇ。
「暗殺家業に評判はとっても大事だからねぇ」
俺は笑顔で言う。
そう、こいつらは凄腕と呼ばれる暗殺集団。
こいつらが凄腕ならこの世界弱すぎんだろって思うけど一旦どうでもいいことだから放っておく。
「死ねぇぇぇ‼」
あらら。
話も聞かないで。
俺は鞘に収まったままの聖十刀を一閃。
それだけで何人か吹っ飛んでいった。
長い武器ってこういう集団戦の方がつかえるんだよな。
さっきの奴らはやはり精鋭だったらしく、こいつらは数で押そうとしてくる。只の身の程知らずにしか見えない。
「遊ぶのも良いが・・・」
1人に掴みかかり、前方へ投げる。
「俺は生憎急がしい身なんでね。早々にケリを付けさせて貰おう」
飛んでった奴は後ろの奴を巻き込み、俺の位置から一直線に延びる道ができる。
『な!な!殺っていいだろ?』
嬉しそうな声色で邪神が話し掛けてくる。
・・・駄目だ。少なくとも今は。
パチパチ
誰かが奥の部屋から拍手しながら出てくる。
・・・こいつが、依頼主。
「いやー、素晴らしい戦闘屋ですね」
笑顔で依頼主が話してくるので記憶をコピーする。
・・・ふぅん。
「私は貴方と取引がしたく、このような形で合わせていただきました」
「ふざけんな」
「仰りたいことは判りますが、今私に手を出すと大変なことになりますよ?」
「そんなのはどうでもいい。連れを返せ」
威圧する。殺気も出しておこう。
「おお、怖いですねぇ」
ケラケラと笑う。
・・・何だこいつ。
『不気味だな』
背後に何か視線を感じてその場から跳び退く。
すると、跳んだ瞬間に地面に銃弾が撃ち込まれた。
『こえー』
笑うな、バカ。
「おお。これを避けるとは」
こいつ・・・何がしたいんだ?
「でも・・・これならいかがかな?」
照明が落ち、真っ暗になる。
これは、ボーっとしてられないな。
暗視眼と先視眼を発動。真っ暗だけど、色以外ははっきり見える。
すると、また銃弾が飛んできたので全部避ける。
それにしても相手はこっちが見えているのだろうか。
たまに何発か検討もつかないところに飛んでくるので、適当だと見た。
このままじゃ埒があかない。
おい、邪神。
『殺っていいのか?』
撃ってるやつのみ、殺さない程度に。
『ヒャッホー‼』
すると、ずっと鳴り響いていた銃声が少しずつ減っていく。
何人居るんだよ。
暫くすると銃声が無くなった。
『いぇい‼最高‼』
・・・さいですか。
ジジ・・・と聞こえたので暗視を切り、片目を瞑る。
こうしないと明かりに目が直ぐに慣れてくれない。
少しのタイムラグの後、電気がつく。
ん?この時代って電気が通ってたっけ?
ま、いいか。
「なんで・・・?」
依頼主が驚いている。
「撃ってきた奴はみんな始末したんで、そのつもりで」
邪神がな。
さてと、レイラを迎えに行くかな。
因みに、依頼主は地面に座り込んで俺の顔を見て震えてくる。
さっきと別人にしか見えん。
俺を殺る気はないっぽいので一旦無視。
奥の部屋に続く扉は頑丈な鍵(南京錠っていうの?)で封鎖されている。
透視してみる。
・・・特に問題なし。行くかな。
南京錠を持って片手で曲げる・・・あれ?壊れた。
この世界のものは脆いな。
なかに入る。
レイラが鎖でガッチガチに椅子に固定されている。
その周りには、ムッキムキのマッチョが3人。
なんでレイラは逃げようとしないんだ?
あれくらいなら引きちぎれるだろ。
「遅いです」
「悪かったな。なんで逃げようとしない?」
「今、方天画戟出すのはちょっと・・・」
あー。極力内緒にする感じか。
「じゃあ、お姫様を助ける王子様のごとく助けてやるよ」
「性別は違いますけどね」
お互いにくつくつと笑う。
マッチョ達はなんでこんな状況で笑ってられるのか、不思議で仕方ないらしい。
・・・そんなことより。
「・・・で、後ろのやつ。何時までそこに隠れてるつもりだ?」
「気付くとはな・・・驚きだ」
そう、レイラの周りにいるやつは全く驚異ではない。
その後ろにいるやつこそ、今回のレイラの拉致事件の首謀者。
俺はさっきの偽依頼主から得た情報を思い出す。
「・・・戦闘屋同士、楽しくやろうぜぇ」
気持ち悪い笑みを浮かべて本当の依頼主・・・《戦闘屋 東 恭一》がゆったり出てきた。
「どうせならレイラが自分でやってよ」
「私はか弱いのです」
・・・どこが?




