血で人を癒すって不死鳥っぽいですよね?
「皆を捜しにいかないと」
「魔眼封じ、発信器まで反応しないとなるとちょっと危険だな」
俺の魔法でもどれくらい探れるか。
「取り合えず捜しましょう」
「そうだな」
「おい!お前ら!何故ここにいる!」
「え?」
「はい?」
「誘導を無視したのか!」
「誘導?」
「なんかあったか?」
「捕まえろ!」
「なんでです?」
「さぁ?」
何人かが一気に襲いかかってきた。ちょっとイライラしてたので着地点に結界張って体を打ち付けるようにしてやる。
「「「グハ!」」」
あ、やり過ぎたかな。
「やりすぎです」
「すまん」
「あの、渋ってても良いですが、下手な事すれば即死にますのでお忘れなく」
「ひぃ!」
「ソルト達のどこ行ったのか知りません?」
「し、知らない!」
「ギルティ」
「は!?」
「あ、俺嘘ついてるのかどうか位は判るんで」
あ、脅したら気絶した。
「つくづく極星様が尋問下手だって判りました」
「酷い」
やっぱり俺の扱い酷くない?子供にまで言われるってこれ重症っすよ。あ、フェントにもよく言われるからそんなことなかったわ。
「取り合えず、地下水をから見てみるかな」
「え?」
地面に指をおき、水を生成してから地下水まで通す。俺の今入れた水を周囲一帯に広げてから魔力を無駄遣いしないように調節をしながら探知場所を増やしていく。
「くっ……なんだこれ……全然魔力が通らない……!」
力業で無理矢理魔力パイプ押し流してつまりをとる。なんでかは知らないけどある一定の所から一気に水脈が細くなった。下手したら干ばつしそうな。
無理矢理押し広げたからかなり疲れた。額から汗がでてる。
何とか繋がったのはこのバングルのお陰だな。意外とかなり便利だわ、これ。
「いた」
「居ましたか?」
「いたけど、何か幻覚状態だわ」
「だからゴーレム反応しなかったんですね」
「だな。あれ?蒼が居ない」
「おかしいですね?」
「今気づいたんだけどさ、幻覚状態になってないの俺と蒼とレイラだよな?」
「え?あ」
気付いたか。
「神の気質に反発してる……トーラへの反逆に近いものかもしれないな」
ここまでの事が出来る人は多分神力使えないと無理だと思う。翔太さんは未だ少なすぎて何も出来ないだろうし。神力ってコスパ悪いし。
「取り合えずいこう。この町の中心……商人ギルドだ」
「この時間……まだ開いてないか」
「どこで見たんです?」
「倉庫?みたいなとこ」
「裏にそれっぽいところあるので行ってみましょう」
不法侵入だーい。
「居ませんね。本当に倉庫……」
「しっ!隠れて!」
人が来た‼取り合えず倉庫の端にレイラを押し倒す形で連れ込む。バレる。ヤバい。
水の音?あ、給水口から水漏れしてるわ。………水漏れ?これ使える!
足音が近付いてくる。間に合え間に合え間に合え………!
「ん?……なんだ水漏れしてるじゃないか」
「か、間一髪……」
「今何を?」
「水の能力者使って給水口から外に出てる。これマジで便利だ。魔力殆ど使わないから魔力拡散で居場所バレないし」
水と同化して一旦外に。で、どうする?
「あとの可能性は、地下ですかね」
「だな」
でもどうやって入ろうか。
「お邪魔します」
あ。普通にはいる感じですかぁ。うちの子行動力ありすぎだろ。親として誇らしいよ。
「お、お邪魔します……」
『へっぴり腰だな』
あ!今まで呼んでも反応しなかったくせに!
『反応するかしないかなんて俺の勝手ですぅー』
ナニコイツ!むっかつく!
「地下にある倉庫が怪しいですね」
「お、おう」
情報収集はえぇ。
「何とかして入り込めないでしょうか?」
「そうだな……あ」
と言うわけで現在運搬用の箱に引っ付いておりまーす!
「まさか縮小で荷物に張り付くなんて」
「一旦ギルドに入ったらそんなに規制は強くないからな」
レイラがこの方法を思い出せなかったのは先ず、ギルド内への荷物はかなり厳重に規制がしてある。商人ギルドとかは特にな。ただ、一旦入ってしまえば後は殆ど検査はない。
それと、魔法で体を小さくしようとするとかなり魔力を消費する上に維持が大変だ。それに魔力の動きで何処にいるか一発でバレる。
その辺融通きくから特殊能力超便利。
「レイラ。降りるぞ」
「はい」
スカイダイビング!いや、バンジーか?命綱なし、パラシュートなしの最高の絶叫アトラクションだよ!飛べるから問題ないけどね!
「こっちのへやだな」
「先に戻っちゃいましょう」
縮小を解除して部屋を覗く。
おぅふ。スッゴいことになってる。いや、特に何がとかはないんだよ。ただ、全員が恍惚とした顔で正気を失ってる様を見るとどうも……。
「幻覚状態、ですね」
「取り合えずみんな探そう」
「はい」
レイラのメンタル本当に強いな。
「あ、居ましたよ!」
「お、ほんとだ。ラテー」
嬉しそうな顔してぼんやりと中空を見つめている。
………何考えてるんだ?
「それはラテ……極星……あぁ!ダメ……ラテのなの」
「「……………」」
え、俺?
あとで知ったんだが、俺と巨大なケーキをラテに作ってあーんとかしてた夢だったらしい。やだそれ気持ち悪い。
「ラテさーん。朝ですよー」
「おーい、ラ――――!!!レイラ!この人達の真似をしろ!誰か来る!」
「そ、そんな!」
「早く!」
ガチャって音がして戸が開く。俺もレイラも正直恍惚とした顔を作れとか難易度高すぎて無理だからちょっと顔が見えないように位置調節して立っている。
「こい」
「―――――」
何人か連れていかれた。こえええぇぇ!俺もうやだ!帰る!
「ああ、いい……最高だよ、マリー……」
何か目の前のおっさんがめっちゃ嬉しそうに気持ち悪い声だしてるぞ!ああああああ!ちょ、近付くな!
カチャン。扉がしまって人の音が消えた瞬間におっさんから目逸らして逃げた。
「極星様!」
「極星!」
「ラテ、起きたか」
「うん!さっき起きた!」
「ここにいるのはラテだけだったみたいだ」
「捜しましょう」
「ああ!」
別の扉に。ここいもいることは判っている。
「鍵しまってるな」
「魔法で……」
「これぐらいなら魔法使わなくてもいけるよ、多分」
腰にある多機能ナイフを取り出してピッキング開始。おし!外れた!
「極星様って本業神様じゃないですよね?」
「神様だよ!?」
入った。血の臭いがする。俺の危険察知がビンビン反応している。
「ここは……」
「―――!――!――――――僕は」
「ソルトの声だ!」
音がでないように走る。声も勿論最小限だ。
そこには、血をダラダラと流したソルトと放っておけば死んでしまいそうな位弱った奴隷娘達、同じくかなり弱った知らない人が数人だった。
「ソルト!」
「ご主人様!?」
手に力が入らないのかだらんとたらしてソルトがこっちを見る。
「大丈夫か!?」
「僕は放っておいてください!皆が………!」
「ごちゃごちゃうるせぇな!こっちは神様だぞ?敬えよ!」
暗がりから一人の男が出てきた。尻尾が生えていて耳もある。4本だな。
「狐神か」
「おお、俺の事知ってるのか?」
「狐神の一番上の立場の人と知り合いでね」
「ああ、蒼鈴様か?あの人はダメだ。頭が残念すぎる」
「そんなことは知ってる。黄鈴がカバーしてるからそれはいいんだよ」
「呼び捨てかぁ?俺あんた見たこと無いけど?」
「この世界のものじゃ無いからな」
周囲を見ると命の光が消えかけてる子が居た。知らない子だけど見捨てられない。ここで見捨ててたら神様失格どころか生き物やってはいけない。
魔方陣で水の球、大体直径一メートル位のを作る。
「何をする気だ?」
持っているナイフで腕をざっくりと斬る。いってぇ!
まだ、これぐらいなら全然耐えられる。俺の傷から紅く光る地が滴り落ちて、水の中に入り、混ざりあって色を失う。
「光る血……」
「ソルト!これをコップ一杯飲め!それ以上もそれ以下も駄目だ!絶対に分量間違えるなよ!」
「は、はい!」
ストレージからいつものコップを取り出して浮いている水から掬って飲んだ。傷が逆再生するかのように血まで綺麗さっぱり無くなっていく。
「血まで戻るなんて……!」
「怪我してるやつに飲ませろ!ただし、一杯だ!」
さて、こっちはこっちで落とし前つけてもらおうか?
「あ、貧血が……」
「「早!」」
「俺の血は特殊だからあんまり体を循環してないんだよ……」
『最初の頃なんて数滴使っただけで貧血起こしてたもんな』
そんなこともあったな……。




