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コーヒーショップ店員の復讐

作者: 豚猫まん

 とある駅構内にあるコーヒーショップ、「珈琲ランド」。ここでは学生、会社員、主婦、老人などの様々な人間がそれぞれゆっくりとした時間を過ごせる場所となっている。毎日たくさんの人間が、ここで安らかなひと時を過ごし、また日常へ戻っていくのだ。

 

 この店に勤める豆田豆男は、世の中に不満を持っていた。なんでこの店に来る連中はみんな楽しそうなんだよ。俺は毎日が嫌で嫌でしょうがない。彼の心は、この店に来るキチガイクレーマーによって極限まで擦り減っていた。ああどうせ今日も来るんだろ。あの糞キチガイどもが。死んじまえ早く。彼の心は荒みきっていた。


 勢いよく店のドアが開いた。汚い格好で店に入ってくる浮浪者風の男。男は真っ直ぐカウンターに来てこう叫んだ。


 「おい!!!コーヒー早くよこせ!!!!!!」


 いつも来るキチガイクレーマーの一人である。この男は周囲に悪臭を放つため、この男が来た日は客からの臭いというクレームが絶えない。注文してから10秒も経たない内に、コーヒーはまだかとカウンターをバンバンと叩いている。

 豆男はクレーマーの放つ悪臭に苦しみながら、コーヒーを注いでいく。クレーマーが近づいてくる。これ以上こっちに来るな。吐き気がする。クレーマーは強引にカップを奪い取るとガバっと大口を開け、その中に一気にコーヒーを流し込んだ。注いだばかりの熱いコーヒーを。


 「熱あああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」


 口の中を大やけどしたクレーマーは豆男に毒霧を浴びせる!!ブシュウウウウウウウゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!汚い男の汚い攻撃が豆男を襲う!!

 毒霧の汚さに耐え切れず、豆男は盛大にゲロを吐いた!!!オゲオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!ビチャビチャビチャビチャビチャビチャアアア!!!!!


 「てめえええええええええ!!!!!!ふざけんなあああああああああああああ!!!!!!!!!口の中やけどしたじゃねえかあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」


 クレーマーはそう叫ぶと、豆男に怨念を込めた右フックを浴びせる!!!ドゴォオオ!!!!ポットを吹っ飛ばし、転がっていく豆男。すぐに警察を呼ばなくては!!携帯を取り出す豆男。そこにクレーマーのタックルが直撃!!豆男に跨ったクレーマーはそのまま拳を振り下ろす!!!マウントパンチ!!パンチ!!パンチ!!!豆男は、他の従業員が呼んだ警察が来るまでの間、なすすべなく殴られ続けていた。


 午後2時。ボコボコに腫れ上がった顔のまま接客&コーヒー作りをこなす豆男。アンパンマンのような面になった豆男を見て、クスクスと笑う客たち。ケータイで写メを撮る輩もいる。

 俺は普通に仕事をしていただけなんだ。なのに何故だ。何故こんな目に遭わなくてはならない。こんな店に来る奴が悪いんだ!!憎い!!この店に来る全ての人間が!!お前達に、この俺が味わった痛みの100倍の痛みを味あわせてやる!!!!


 午後4時。客が少し減り、従業員が休憩に入る。この時を豆男は待っていた。周囲に誰もいないのを確認してから、コーヒーメーカーの容器を取り外す。そしてトイレに向かった。いつも客に美味しいコーヒーを提供している、希望の詰まったコーヒーメーカー。今日からこいつを猛毒を振りまく悪夢のコーヒーメーカーへと変えてやる。豆男は容器の蓋をあけ、それに跨った。そして一気に尻に力を入れた!!!

 ブボオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!ブリブリブリブリブリブリブリブリブリイイイイイイイ!!!!!!!!!!!

 すぐに容器の最大容量まで溜まるウンコ!!!だがまだ終わりではない!!!豆男は素早く別の容器に変え、それに跨り再び踏ん張った!!!

 ブビョオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!ベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャアアアアアアア!!!!!!!!!

 任務を終え、コーヒーメーカーを元の位置に戻す豆男。その顔はかつてないほどキラキラと輝いていた。


 カウンターで客の注文を待つ豆男。客が少ない時間帯のせいか、まだ誰もコーヒーを注文しに来ない。まだか。まだ来ないのか。俺の最高のコーヒーを飲ませてやるというのに。

 店のドアが開いた。上下スーツで、OL風の綺麗な女性が店内に入ってくる。カウンターに真っ直ぐ来てこう言った。


 「コーヒーをお願いします」


 思いっきり愛想良く返事をした豆男。慣れた手つきでコーヒーを注いでいく。熱さを控えめにした豆男特製のスペシャルコーヒーを。豆男からカップを受け取った女性。上品な仕草でコーヒーを飲んでいく。豆男のテンションはどんどん上がっていく。


 突然、金縛りにあったように動きを止め、カップを落とした女性。手足がブルブル震え始める。白目を向き、涙や鼻水、よだれをダラダラ垂らしている。そして店中にその音は響き渡った!!!

 オゲエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!ベチャベチャベチャベチャベチャベチャアアアアア!!!!!!!!!

 土砂降りのようなゲロを吐く女性!!!!尻からは大量のウンコが!!!!ブリブリブリブリブウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!苦痛にのたうちまわり、床を転げる女性。小便をドバドバど流していた。


 豆男は大笑いしていた。これだ。これが俺の求めていた光景。他人が楽しそうに過ごす風景なんか見たくない。この特製コーヒーを使って、この店に来る全ての客に復讐してやる。


 数十分後、警察に連行される豆男の姿があった。防犯カメラに、コーヒーメーカーに細工する豆男の姿が映っていたからだ。


 豆男のした行為により、コーヒーショップ「珈琲ランド」は営業停止となる。皮肉にも、この営業停止という結果により彼の復讐は果たされたという訳である。



  完




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