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調理済みの袋キャベツ

怪人1-33


アルバイトを終えた伸一郎は、その足で近所のスーパーに向かった。

最近は節約のために食費を削っていたが、今日はなんだか気分が良い。体調がいいせいだろうか。


「よし、今日は……贅沢に唐揚げでも作るか!」


自炊の基本は節約だが、たまには気分を上げるためにもごちそうが必要だ。


伸一郎は精肉コーナーへ向かい、鶏もも肉をカゴに入れる。ついでに揚げ物用の油も購入した。


「キャベツも……」


野菜コーナーに行くと、キャベツひと玉400円の値札が目に入り、思わずたじろいだ。


(高すぎる……!)


さすがに手が出ない。


代わりに、すでに細切れになった調理済みの袋キャベツを手に取る。値段も手頃だし、何より切る手間が省けるのがありがたい。


(雪ちゃん、喜ぶかなぁ?)


唐揚げを頬張る雪の姿を思い浮かべ、伸一郎はルンルン気分でレジへ向かった。


支払いを済ませ、スーパーを出たところで、ふと足を止める。


(……ん?)


少し先の歩道で、雪が誰かと話していた。


黒ずくめの若い男。


細身で、無表情。伸一郎と同じくらいか少し上の年齢に見える。


雪が知り合いと話しているだけかもしれない。それか政府の人間なのかも——そう思おうとしたが、胸の奥がざわつく。


雪の表情が硬い。


(……誰だ、あの男?)


気分よくスーパーを出たはずなのに、伸一郎の足はその場で止まってしまっていた。

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