ARCHIVE FILE#14「クレトクシリナ」
コードネーム-クレトクシリナ
駆体種別-CXR
脊椎種別-シングリティ
出土深度-1200m
全高-225m
全長-670m
インターフェース数-2
・特徴
カテゴリー3に区別される巨大メタルヒューマ。
一人で稼働させる事が不可能なパワー負担をドライバーへ強いる為、稼働時には10人以上で構成されるドライバーチームが必要である。
コックピットシェルの内部面積も広く、力尽きたドライバーを席から降ろし、直ちに交代する為の補充要員も常にシェル内で待機させた上で作戦行動を取る。
カテゴリー3に分類される戦略駆体の中で、随一の戦略機動性の低さが問題点となっており、目的地まで到達する為の巡行能力に欠ける。その為に行動は必然的に待ち伏せや特定エリアでの活動に限られてしまう。
インターフェースが両腕に二か所存在するが、生成可能な武装が存在した記録は無く殆ど意味を成していない、取扱い企業の研究機関では通常のメタルヒューマとは別な武装や生成手段があるのではと調査が進められているが結果は得られていない。
クレトクシリナが持つ攻撃方法の内、駆体両脇にある巨大な板状構造物を変形させて放たれる空間射爆撃と呼ばれる攻撃は対象を中心とした半径50~90km以内の球形範囲に対し、脅威が存在する可能性のある場所全てのポイントへメタルコアハイドロニクス弾体のペアを空間に生成し、衝突をさせる事で甚大な爆発現象を引き起こす。
この特殊生成されたメタルコアハイドロニクス弾体のペアが衝突した際の爆発力は驚異的であり、超高密度のラヴァパーティクル波が爆心地より半径3kmを満たすように瞬時に球形へと広がり、加害範囲に存在するメタルヒューマを無数の小さな穴だらけにしてしまいスポンジ状にして構造体を崩壊させる威力を持つ。爆心地より半径10km以内の人間は放射熱により生存不可能とされている。
空間射爆撃と呼ばれる攻撃の特性は非常に特殊であり、一般に攻撃とは標的を確認して狙いを定めて放ち、直撃した場合相手に被害を与える。しかし空間射爆撃は「標的が存在する可能性のある場所」全てを同時に破壊する為、攻撃が行われた後のエリアは「標的が存在する可能性が無い場所」となる。
ドライバーチームによって攻撃範囲をある程度選定する事は可能だが、空間射爆撃を実行時、具体的にどこが破壊されるかを事前に確める術は無く、敵味方の区別も無い為に攻撃範囲の味方の駆体は全て退避させる必要がある。
標的の存在に対し攻撃を行うのではなく、標的が存在する可能性をゼロにするメタルヒューマ、それがクレトクシリナが戦略駆体として扱われる理由である。
・概要
前大戦で軍事標的に限らず人口密集地にも使用され、本駆体による被害だけで延べ七百万人を超える犠牲者を出した。
地表、地中、空中、海中問わず引き起こされる空間射爆撃により、クレトクシリナが稼働し作戦行動を行った各地には葡萄の房のように連なった独特なクレーターが残されている。
前大戦末期ではカテゴリー3およびカテゴリー4の国家殲滅戦駆体を含む戦略級メタルヒューマが連鎖的に使用され、世界各地には巨大メタルヒューマによる破壊の爪痕が刻まれた。
各国は対策の為これらの巨大メタルヒューマを専門に始末する為の部隊の錬成や、相手国へ対し戦略級メタルヒューマの使用を妨げる、または躊躇させるドクトリンの構築を行い、現時点においては各陣営がある程度理性的な運用を行っている。が、しかしこの均衡がいつ崩れるか、いつまで保つのかは誰にも予測がつかない。
・取扱い企業
イーオンフラッグス社 [USアータシア]
・奇形種の存在
奇形種の存在は報告されていない。




