ARCHIVE FILE#7「インサイドデバイスウェポン」
・インサイドデバイスウェポンとは
メタルヒューマが腕部インターフェースの指先を延伸する事で生成する様々な武装である。人間が扱う銃器類のように銃弾の補充という概念は無く、構造体が崩壊するまで射撃可能である。
構造体の崩壊後に継続使用する場合、武装を砂鉄状へ霧散させた後、再度生成する必要がある。武装によってレシーバー内部構造は異なり、気化金属高圧ガス、電磁加速、円周加速やそれらの複合等、様々なメカニズムが存在する。
放たれる砲弾は一般に烈弾と表現されるが、実態は高圧縮高質量の中心物を溶岩質の流体金属が覆うという特殊な構造をしている。メタルヒューマを人工物で破壊できない理由の一つが、研究途上であるインサイドデバイスウェポンが放つ弾体の特性にあるが、活性化している弾体サンプルの確保が困難である等から未知の領域に包まれている。
コードネーム- カクサ
生成可能脊椎種別- シングリティ/デュアリティ
最大連続発射記録- 5ラウンド
平均生成速度- 7秒
最大射程記録- 26km
有効射程- 10~20km
弾体- メタルコアハイドロニクス
・概要
斧のような外観であるが、先端部分が砲口となっている。戦闘稼働をある程度こなした駆体が自然学習するとされる武装、長射程で誘導が可能な弾体を発射し、ドライバーが標的を視覚認識している間、約7G程度での最大旋回機動を持つ誘導を行える。
威力も申し分なく、直撃すれば大抵のメタルヒューマを継続戦闘困難な状態に至らしめる。生成と発射に際してドライバーへの負担が大きいのが難点であるが、部隊運用する事で真価を発揮する。
コードネーム- グラウダ
生成可能脊椎種別- シングリティ/デュアリティ/トリニティ
最大連続発射記録- 4ラウンド
平均生成速度- 8秒
最大射程記録- 15km
有効射程- 10km
弾体- メタルコアハイドロニクス
・概要
ブローミステガが初期学習している事例が多い武装。無誘導の高い爆発力を持つ弾体を発射する、比較的弾速が遅いため、メタルヒューマに対して直撃させるにはかなりの接近が必要。
最大連続発射記録が4ラウンドであるが、大抵は2-3発を撃つと構造体に亀裂や破断が見え始める為、現場では2発撃った後は霧散させて再生成が行われる事が多い。高質量メタルコアハイドロニクス弾体の特性上、一定以上の飛翔で放物線を描いて自由落下する為、高高度から撃ち下すなど戦術が効果的。複数機で運用し空爆任務に用いられる事が多い。
コードネーム- レクシャ
生成可能脊椎種別- シングリティ/デュアリティ/トリニティ
最大連続発射記録- 8ラウンド
平均生成速度- 5秒
最大射程記録- 12km
有効射程- 800m
弾体- ラヴァジェットプロジェクタイル
・概要
ネメグドバーターが初期学習しているケースの多い近接散弾武装。ドライバーによる任意で発射数は8-19の間で調整可能であるが、大抵は12-14での射撃が最も集弾と威力においてバランスが良いとされている。
生成速度も5秒程度と全体的に扱いやすい傾向である。
コードネーム- バルパシロ
生成可能脊椎種別- シングリティ/デュアリティ
最大連続発射記録- 28ラウンド
平均生成速度- 3秒
最大射程記録- 8km
有効射程- 4km
弾体- ラヴァジェットプロジェクタイル
・概要
高い連射力と安定した弾速、貫徹能力を持つ武装。出土直後の駆体であっても初期学習されているケースが多く、優れた射撃特性から対メタルヒューマで積極的に使用される。
最大連続発射記録は28ラウンドであるが、大抵は20発程で構造体に問題が発生する。
コードネーム- マーヴェリック
生成可能脊椎種別- シングリティ/デュアリティ
最大連続発射記録- 23ラウンド
平均生成速度- 5秒
最大射程記録- 16km
有効射程- 7km
弾体- ラヴァジェットプロジェクタイル
・概要
ハーストイーグルが主に初期学習しているケースが多いとされる武装。非常に優れた連射、貫徹、弾速を持つ特性から、対メタルヒューマの戦闘で高い優位性を得ることが可能。
射撃性能が高水準でバランスが取れている反面、生成に時間がかかる事に加え発射時のドライバーへのパワー負担が高い事が難点とされる。しかしそれを差し引いてもお釣りの来るハイパフォーマンスと扱い易さは、この武装の存在が、ハーストイーグルドライバーの多くが別種への転換を拒む理由の一つとなっている。
コードネーム- ケンギス
生成可能脊椎種別- シングリティ/デュアリティ
最大連続発射記録- 6ラウンド
平均生成速度- 5秒
最大射程記録- 28km
有効射程- 13km
弾体- ハイプレッシャーラヴァパーティクル
・概要
駆体がかなりの戦闘稼働をこなす事でようやく学習するとされる武装。高威力、長射程、高弾速の優れたマークスマンライフルであり、この武装を学習するまで生き抜いたベテランの駆体がようやく手に成す事から「ケンギスを構えた駆体を目の当たりにしたのであれば猛者と見よ」とドライバー達の語り口となっている。
生成に時間がかかる事と少ない連続発射数、高いドライバー負担等のネガティブな面も確かに存在するが、この武装は大抵の場合熟練が使用する為に対峙する相手は覚悟が必要である。名称は初めて該当武装を生成した駆兵の名が由来。
コードネーム- ラーカ
生成可能脊椎種別- シングリティ/デュアリティ/トリニティ
最大連続発射記録- 60ラウンド
平均生成速度- 6秒
最大射程記録- 12km
有効射程- 5km
弾体- ラヴァジェットプロジェクタイル
・概要
プテロダウストロが初期学習しているケースの多い武装。砲口が上下二連となっており圧倒的な最大連続発射数と連射力、貫徹力を持ち、至近距離で相手を圧倒する事が可能。
発射時のドライバーに対するパワー負担も少ないが、生成に時間がかかる事から武装の切り替えや撃ち切りでの武装再生成、至近距離で臨機応変な対応が必要な状況でドライバーは隙を生まないよう戦局を先読みして扱う等、高いテクニックを要求される。
コードネーム- ナイトアリア
生成可能脊椎種別- デュアリティ
最大連続発射記録- 1ラウンド
平均生成速度- 4秒
最大射程記録- 10km
有効射程- 8km
弾体- メタルヒューマ本体構造の可能性あり
・概要
出土直後に初期学習済みの駆体が存在した記録は無く、生成可能とする駆体種別にも共通点が無く、生成に成功した実例も極端に少ないために情報が乏しい。発射時は本体円錐構造が裂けて帯状の7枝が乱れ飛び、多角的な複雑機動を描き誘導しながら目標へ突入する。
着弾時は一般的なラヴァジェットプロジェクタイルのような特性は無く、貫徹と切断効果によって標的に被害を与える。発射された弾帯のサンプルを分析した結果、メタルヒューマ構造体とほぼ同一のものではないかという見解がある。
高弾速、複数同時攻撃能力という優れた要素を持つがドライバーへのパワー負担が極めて高く、使用時はオールアウトの危険性が非常に高まる。該当武装の検証に協力したドライバーは「死に際に一矢報いる程度の使い道しかない」と言い残している。