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4.透明な日々

挿絵(By みてみん)


中学に進学すると、私は突然、人間関係がよくわからなくなった。小学校の頃は、それなりに友達がいて、毎日楽しく過ごしていたはずなのに。


中学の新しい環境に適応しようとする私に、周りの人たちが何を考えているのか、どうしても理解できなかった。


休憩時間になると、いつものように数人の友達が私の机の周りに集まってきた。みんなで笑い合い、おしゃべりするその時間は、私にとって本来なら楽しいはずのものだった。しかし、次第にその笑い声や話の内容が、遠く感じられるようになっていった。


「麗、今日の放課後どこへ行く?」友達の一人が尋ねたが、私はぼんやりとしたまま答えられなかった。


「うん…後で考えるよ。」私は曖昧な返事を返すだけで、心はどこか別の場所にいた。


時間が経つにつれ、私は友達との距離を感じるようになり、その距離を埋める方法がわからなくなっていった。友達が笑っている時も、私だけがその輪から外れているような気がした。


「麗、なんで最近話してくれないの?」ある日、親友だったはずの子が真剣な顔で尋ねてきた。


私は答えに窮してしまった。自分でも理由がはっきりとはわからなかった。ただ、人との関わりが急に重たく感じられ、逃げ出したいと思うようになっていた。


その日以来、私は友達との縁を少しずつ切り始めた。話しかけられても、適当に答えるだけで、心の中で距離を置いていった。そして、ついには誰も私の机の周りに集まらなくなった。


休憩時間になると、私は一人で本を読むようになった。最初はその静けさに安堵を感じたが、次第にその静けさが私を蝕んでいった。学校が…面白くなくなってきたのだ。何のために学校へ行くのだろう?何のために…。


朝起きて、制服に着替えて、教室に入って、授業を受けるその繰り返しが、ただのルーティンに感じられてしまう。


教室の窓から外を眺めると、他の生徒たちが楽しそうに過ごしているのが見えた。私もかつてはあの中にいたはずなのに、今ではその輪に入ることができない自分が、どこか遠い世界にいるように感じられた。


その時、私は初めて孤独を知った。人との関係を切り捨てることで、自分自身もどこかに置き去りにしてしまったのだと気づいた。しかし、どうやって戻ればいいのか、私にはわからなかった。問いかけても、答えは見つからない。


毎日がただ過ぎていくだけで、自分がどこへ向かっているのか、わからなくなっていった。


そのようなことを思い出しているうちに、私の体はとうとう地面に接触した。

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