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いってらっしゃい

作者: あや

1人が出ると、1人が入ってくる。この時間は人の出入りが激しい。それでも、ここで働いているのは今年で30歳になるという店主だけ。そうは見えなくて「お兄さん」と呼んでいる。


両親は共働きで、以前に2人の出張が重なったことがあった。その時に初めて入ってから5年も通っている。週に3回も通っていれば覚えてくれたらしく、半年が経つ頃には言わずとも同じメニューを出してくれるようになった。いろいろ試したけれど、結局、週替わりコーヒーとスクランブルエッグ付き厚切りトーストのセットに落ち着いた。


春休みが明け、授業が始まる。そのまま大学に行こうと荷物を持っていったら、お兄さんは「今年から大学3年生だっけ?早いなぁ。この前まで制服でここに座っていたのにね。」と声をかけてくれた。それから出されるいつものセット。今日のコーヒーは酸味の強いものだった。目が覚めるような爽やかさ、結構好きかも知れない。


代金を伝票の上に置いて「ごちそうさまでした。」と声をかける。お兄さんはどんなに忙しくても必ずこちらに笑顔を向けてくれる。その爽やかな笑顔が私の原動力。

「いってらっしゃい。良い一日を」

「お兄さんも!」私は扉のチャイムを鳴らす。


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