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8.初デート

依頼から戻り、入浴と夕食を済ませると。昨日ステータスの括弧がおかしい事を思い出しミドリはキースの書斎へ向かう。扉をノックし返事を待つ。

「はい、開いていますよ。」

扉を開けるとキースが机の上の書類を処理している最中だった。

「報告書を片付ないといけないので少々お待ち下さい。」

こちらを向かずにそう告げる。ミドリはとりあえずソファに腰掛け部屋を見回す。キースは研究職な為、書斎は数々の本がところ狭しと並んでいる。王国の歴史を綴った本や勇者に関する物語の本、薬物や魔導具に関する専門書など、多岐に渡る本が並べておりキースの知識の深さを裏付ける。

「おまたせしてすみません。どうしましたか?」

「あ、昨日伝え忘れていたのですが、ステータスに表示されている(-40)とか(+50)って何なのか知っているかな?と」

そう伝え事前に用意していたステータスの写しを渡して指差す。

「あぁ、昨日は他の項目に注目しすぎて見逃していましたね。」

紙を見つめて考えを巡らせるキース。少しの沈黙の後、思考の結論を述べる。

「稀にですが、称号にステータスを変化させる内容があるとの事があると聞いたことがあります。これを見る限りだと【神に愛されし者】が関係してそうですね。しかし詳細な内容は検証のしようが無いので推測止まりです。」

「そういうことだったんですね。忙しいところすみません……。」

「いえ、気になった事はすぐに確認していただけるとこちらも助かります。ちょうど今日分の仕事も終わりましたし紅茶でも飲んでいかれますか?」

「はい、ありがとうございます。」

そして紅茶を飲みつつ明日の予定やお互いの世界の話をし、紅茶がなくなるとミドリは自室に戻り眠りに着く。


次の日、ダンジョン攻略の為、準備をしているとノックの音が部屋に響く。

「はい、開いてますよ」

そう告げるとウィリアムが部屋に入ってくる。

「お、おうさ----」

と驚きの声を出そうとするミドリをウィリアムが片手を上げて制止する。

「もっとラフに接してくれて大丈夫だよ。さっき思い出したんだけど、ミドリちゃんって召喚されてからお休みあげてないなーと思ってね。」

「いえ、今は一刻も早く魔王を倒す為に強くならないと……。」

「若いっていいねぇ。けど元気が有り余ってるからって働きすぎると人間ってすぐダメになっちゃうからね。定期的にリフレッシュしないとね。」

そう言いミドリに近づき、いたずらっぽい笑みを浮かべて耳打ちをする。

「おじさんがお小遣いあげちゃうからキースと一緒に街までデートに行ってきなよ。」

「な!?」

真っ赤になるミドリを見て笑いながらウィリアムは続ける。

「若い内に青春しておかないと大人になってから後悔するからねぇ。頑張るんだよー♪」

そう言いながら部屋を後にする。

「あっ!お小遣いあげるんだから今度恋バナ聞かせてね!」

扉から顔だけ覗かせてそう告げると返事を待たずにそのまま歩いて行ってしまった。


嵐の過ぎた部屋には真っ赤になったミドリが無言で佇んでいた。


その後王様専属だというメイドが部屋を訪れ、無表情のままミドリを着飾らせそのまま立ち去る。街で目立たないように庶民的ながら良い生地を村娘風の服に着替えさせられ、いつも下ろしている髪は結い上げられ、化粧を施されている。

「これは詐欺ではないのだろうか……?」

無表情メイドのメイク技術に驚愕しているとキースが部屋を訪れる。

「先程王様からミドリを連れて街を案内するよう言われたのですが……、準備万端なようですね。」

いつもとは違うミドリの姿に少し照れくさそうにキースが目を逸らす。

「キース様、僭越ながら申し上げます。女性が普段と違う装いをしている時は、感想を、できれば褒める形で伝えてあげるのがマナーですよ。」

ミドリのステータスを持ってしても気づかない速度で無表情メイドが突然現れ、そう告げてキビキビした所作でお辞儀をして部屋を後にする。

「あのメイドさんって何者なんですか……?」

「ただのメイドだと聞いているのですが……、明らかに只者ではないですね……。」

無表情メイドの底しれぬスペックに驚きつつ二人は王城を出て街へと向かう。


街へ着くと、概ねミドリの想像どおりの町並みが広がっていた。想像と違う点としては、魔導具を使用した街頭が設置されており、屋台でクレープやアイスなどが売られており、少しチグハグな印象を受ける。

「あそこのクレープは美味しいですよミドリ、買ってきましょうか?」

「ハイお願いします。わたしは向こうのベンチで待っていますね。」

そんなやり取りをし、キースはクレープを買いに向かい、ミドリは噴水の近くのベンチに腰を下ろす。周りを見回すと追いかけっこをする子供や買い物帰りの女性など、平和な日常が広がっていた。

ふと目をやると狭い路地で二人の人物がなにやら揉めているのが見える。

わたしのステータスなら大丈夫かな……?と思案しミドリは揉め事を解決するために二人に近寄る。近寄ってみてわかるが、見えていた二人が揉めていたわけでは無く、二人が一人の少年を蹴っている状況だった。

「あなた達何やってるの!」

そう声を上げると二人の人物がこちらを怪訝そうに睨みつけて舌打ちをして路地の奥へと走りさる。

「どうしたのですかミドリ?」

気がつくとクレープを両手に持ったキースがすぐ後ろに立っていた。男たちは多分キースを見て分が悪いと思い逃げたのだろう。

そしてミドリは少年を起こすために手を伸ばし、気がつく。

夢で見た少年だ……!

今の今まで夢の事は忘れていたが、少年の顔を見て突然思い出し硬直する。少年はこちらを見て固まり、その瞳はみるみる憎悪に染まり、苦痛に歪む。そしてミドリの手を払い除けそのまま路地の奥へと走り去る。少年を追いかけようとするミドリをキースが止める。

「彼の手に罪人の焼印が見えました。関わらない方が良いと思いますよ。」

そう言われ視線を路地に戻すがすでに少年の姿は見えない。仕方なく諦め、キースからクレープを受け取る。

「この国では犯罪者は牢に閉じ込めないんですか?」

「軽犯罪者等は法に則り牢の中で刑期を全うしますが、重罪人になると焼印を押されて放逐されます。」

「重罪人を外に出したら危ないんじゃないんですか?」

「特殊な焼印を、もはや一種の呪いのようなものを刻み込むのです。あの焼き印を刻まれたものは、人に対して悪意を持った瞬間に激痛を与えます。大の大人でも身動きを取れなくなる程の激痛のため、人に危害を加えることはできません。」

「それなら犯罪者全員に施せば良いんじゃないですか?」

「倫理的な問題でそれはできない状態です。人に対して悪意を持ったらと言いましたが、人間なら誰しもが持つであろうちょっとした不満などにも反応する為、一度刻まれると普通の生活も難しくなります。」

「そんなに回りくどい事せずにずっと牢に閉じ込めるか死刑にした方が早いんじゃないですか?」

「理由が2つほどありまして、1つ目は犯罪の抑止になるという点で苦しむ犯罪者を見ることで他の人間が犯罪を犯す心理的なハードルを上げています。2つ目は宗教上の理由です。この国の国教では『人間を殺してはいけない』という教えがあるので死刑制度は存在しません。」

詳しく説明を受けミドリは納得する。


その後街を巡りキースに選んでもらった服を買ったり、露天でアクセサリーをプレゼントを買ってもらったりと、初デートを満喫し王城へと戻った。

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名前:サトウ ミドリ

職業:勇者

STR:128   CON:157   DEX:186

INT:84(-40) POW:60(+50) LUK:15

スキル:身体強化  Lv.8    

    剣術    Lv.9    

    魔力強化  Lv.8    

    雷魔法   Lv.6    

    光魔法   Lv.6    

    生活魔法  Lv.1[MAX]

    異世界言語 Lv.1    

    鑑定    Lv.1[MAX]

    無詠唱   Lv.1[MAX]

    転移魔法  Lv.1

    高速移動  Lv.1

称号:召喚されし者   忘れし者     勇者やってます

   元JK       裏切り者     恋愛体質

   チート万歳    神に愛されし者  異世界恋愛道中

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