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6.謎のおじさん登場!


 翌日、王城の図書館で王国の歴史書を読みながら過ごしているとギルバートが入ってきてミドリに伝える。


「ミドリ様、キース様がお呼びです」

「あ、はい。今行きます」


 読んでいた歴史書を棚に戻しギルバートの後ろをついていき、キースの書斎へと通される。中に入るとソファーに腰掛けるキースと同じく向かいに腰掛ける初老の男性が居た。机には地図や何かしらの書類が広げられており、その書類をキースが棚や机に戻している最中だった。


 少し困惑気味で立っているミドリを見て、初老の男性が柔和な笑顔で手招きし、向かいのソファーへ腰掛けるよう促す。ソファーに腰掛け男性を見るミドリ。男性は顔の横や額に深いシワが刻まれており、よく笑う人間である事が伺える。男性の優しい雰囲気に安心しつつ用意された紅茶を手に取ると、書類を片付終わったキースがミドリの隣に腰掛ける。距離の近さとキースの匂いにドギマギしているとキースが口を開く。


「急にお呼び立てして申し訳ありません、この度召喚された勇者ミドリに関して緊急の対応が必要な事態が発生した為、この場を開かせていただきました」


 そう言って丁寧にお辞儀をしてからキースは続ける。


「また、内容が内容であり、間者に漏れると国家間の戦争が発生する可能性がある為、秘匿性を重視して狭いながらも私の書斎での会議となる事を重ねてお詫び申し上げます」


 再度頭を下げようとするキースを初老の男性が手で制止して言う。


「大丈夫だよ。もっとラフに行こう。初めましてだねミドリちゃん。我々大人の都合に巻き込んでしまってすまないが、これから宜しく頼むよ」


 ニコッと笑いながらミドリに手を差し出す。その手を取り握手を交わすと男性は満足そうに頷きキースへ尋ねる。


「で、今回はどうしたの?ダンジョン攻略は順調で問題ないって聞いてたんだけど?」

「昨日の夜ミドリとの会話で問題点が2つ程発覚しまして……。1つ目はスキルの発現頻度が異常だということで、正確にどのタイミングかはわかりませんが、召喚後にステータスを確認してから昨日までの間で3つのスキルが発現した状況となっています」

「それは……、ちょっと異常だねぇ……。けど悪いことじゃないし、勇者である事を考慮すれば想定の範囲内じゃないのかな?流石に戦争ってのは考えすぎじゃないか?」

「問題点の2つ目ですが、今回習得したスキルに【鑑定】と【転移魔術】がありまして……」

「……!それは、ちょっとダメだね……」

「ダメですか!?」


 ガタンと音を立てて立ち上がるミドリ


「あぁ、ごめんごめん、ダメって言うわけではないけど少し慎重に動く必要があるねぇ」


 男性が舌を出しながら会釈する形で謝るジェスチャーをする。


「はい、それで今後の対策ですが、まず国内外の【鑑定】スキルを持つ者に監視を付け、ミドリと接触しないように取り計らって頂きたいのが一つ。そしてミドリに【鑑定】スキルの魔導具を常備させ、発覚した場合の言い訳に使わせて頂きたいです」

「オッケー、魔導具の方は時間かかるかもだけど監視の方はすぐ取り掛かってもらうよ」

「ありがとうございます。それとミドリのステータスは問題ないのですが、戦闘経験が少ないので魔王討伐にはもう少しばかり時間が必要なので、各方面への説得をお願いします」

「うーん、結構お金かかっちゃってるからなぁ……。そうだ、各地の困り事とかの依頼を受けて人助けしながら戦闘経験を積むってのはどうかな?それなら説得できそうだけど」


 ミドリに確認するようにキースと男性が目を向ける。


「はい、わたしはそれで大丈夫です!」


 男性が満足そうに髭をさすりながら頷く。


「じゃあ、ちゃっちゃと取り掛かろうか、こういうのは早い程良いからね♪」


 そう言い立ち上がるとミドリを手招きする。ミドリは立ち上がり近寄ると男性はキースに聞こえないように小さな声で言う。


「ところでミドリちゃん、キースとはいい感じなの?」


 「え……!?」と驚くミドリに男性は楽しそうに続ける。


「見てればわかるよ。おじさんこれでも奥さんいるしね♪」


 そう言い左手の指輪を見せる。


「その……。いずれはと思ったり思わなかったり……?」


 顔を真っ赤にさせてそう答えるミドリを満足そうに見て男性はドアへ向かう。


「いやぁ、若いっていいねぇ!おじさんも昔を思い出しちゃったよホント!」


 いたずらっぽく大きな声でそう言いながら男性は部屋を後にする。


「何の話をしてたんですか?」

「なんでもありません!!」


 不思議そうな顔をしているキースの質問に大声でそう答え、追求を逃れる為にミドリは質問を続ける。


「そ、そういえばさっきのおじさんは誰だったんですか?随分とかしこまってましたが……」

「そういえばミドリはまだ会ってなかったですね。彼はウィリアム様と言ってこの国の王様でだよ」

「えーーー!?」


 ミドリの叫び声は部屋を超えて廊下まで響き渡り、それを聞いたウィリアムはカッカッカと笑いながら廊下を歩いていく。


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名前:サトウ ミドリ

職業:勇者

STR:128   CON:157   DEX:186

INT:84(-40) POW:60(+50) LUK:15

スキル:身体強化  Lv.8    

    剣術    Lv.9    

    魔力強化  Lv.8    

    雷魔法   Lv.6    

    光魔法   Lv.6    

    生活魔法  Lv.1[MAX]

    異世界言語 Lv.1    

    鑑定    Lv.1[MAX]

    無詠唱   Lv.1[MAX]

    転移魔法  Lv.1

    高速移動  Lv.1

称号:召喚されし者   忘れし者     勇者やってます

   元JK       裏切り者     恋愛体質

   チート万歳    神に愛されし者  異世界恋愛道中

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