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薄桜色の花嫁  作者: 春月みま
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忍び寄る影

 「花、今日も外出するときは千代子と共に行くんだよ」

 「はい。分かりました」

 軍服を身に纏っている燈夜が玄関で見送りをする花に声をかける。

 見送りで燈夜が今のように忠告をするのが日課になっていた。

 それは最近異形の力を感じ取っているかららしい。

 強力な力をもつ帝や燈夜が姿形を現さないものの徐々に力を増す異形の力に警戒していた。

 花は忍び寄る影については何も分からなかったが何故か最近の天気は晴れることがなくどんよりとした曇天が続いていた。

 しかも今日は遠くで小さく雷鳴が響いており今にも雨が降り出しそうだ。

 (この時間から雷だなんて……。偶然かな……。それとも異形のせい?)

 不安になりながらも傘を燈夜に渡す。

 「雨が降りそうなので……。こちらもお持ち下さい」

 「ああ。ありがとう。行ってくる」

 燈夜が小さく微笑むと外に止めてある車に向かって歩いていった。


 「こうも天気が悪いと洗濯物が乾かなくて困りますね」

 「そうですね」

 花は千代子と共に洗濯物を室内で干していた。

 とはいっても部屋干しも限界がありそんなに多くは干せないし乾きも悪い。

 困らせる天気に若干の嫌悪感を抱きながら廊下から空を見上げる。

 その時ポツリと雨が降り出したのだった。


 洗濯物を済ませ各々他の家事をしていると玄関から戸を叩く音が聞こえた。

 千代子もその音が聞こえたのか顔を出したが花が止める。

 「私行ってきます」

 「ありがとうございます」

 花が部屋を出て行き玄関に向かう。

 この時花に行かせてしまったことを千代子はのちに後悔する。

 ガタンとした大きな物音が聞こえ千代子が慌てて玄関に向かうとそこには花の姿はなかったのだった。

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