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偽物の登場から断罪まで
私の妹は死んだ。
そのはずだった。
でも、魔法の師匠が私の前に妹を連れてきた。
どうして?
死んだはずなのに、生きているなんて、おかしい。
その子は見た目は妹にそっくりだったけど、まるで別人みたいだった。
おとぎ話に出てくる、邪神の巫女みたいだ。
世界を滅ぼす邪神は、命が尽きた人間の死体にもぐりこみ、その死体を自らの巫女として操るらしい。
だから私は、帰ってきたその妹を受け入れる事ができなかった。
妹はそのまますくすく愛らしく育って、私から全ての物を奪い去っていこうとした。
「さあ、後はお姉様の命を奪うだけよ」
そう、全て。
私の命すらも、妹に、いや妹の偽物に奪われるのだ。
処刑台に立たされた私に向けて、もうじき断罪の刃が落ちてくる。
このまま死んでしまうのだろうか。