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愛すべき人々 ~Lサイズはない…~

作者: ひ~にぃ

あれは30年くらい前になるだろうか、私が大阪で暮らしていたころの話。




ある日、後輩のカトウ君と会社帰りに晩飯を食べに行った時、




カトウ君: 「先輩…ちょっと相談があるんですけど…」




私: 「金はないけど晩飯くらいならおごったるで!」




カトウ君: 「違うんです…教えて欲しいことがありまして…。」




私: 「なんや!なんや!暗い顔してから!どないしてん?」




カトウ君: 「先輩…彼女とは…その…ですね…。」




私: 「なんやねんな!はっきりせんやっちゃなぁ!」




カトウ君: 「いや…その…避妊…してます?」




私: 「あったりまえやがな!男の責任っちゅうやっちゃ!」








カトウ君: 「…やっぱり自分で買いに行くんですよねぇ?」




私: 「そらそやないかい!そんなもん、誰が買うてきてくれんねん!」




カトウ君: 「うちの近所、自動販売機が無いんですよ…。」




私: 「自動販売機なんか無うても、そんなもん薬局で買うたらええがな!」




カトウ君: 「その…薬局で…変な目で見られませんか?」




私: 「なんで変な目で見られなあかんねん!」




カトウ君: 「なんかツレに聞いたんですけど、サインとかあるんですか?」




私: 「そんなもんあるかい!!」








カトウ君: 「どう言って買うんです?」




私: 「そんなもんお前、『3ダース1000円のコ○ドーム、Lサイズ頂戴!』って言うねや!」






カトウ君: 「…とりあえず1ダースもあればいいんですけど…。」




私: 「何を言うとんねん!若いんやから、すぐ使いよるやろが!まとめて買うたほうが安いねん!」




カトウ君: 「はぁ…。…なんか恥ずかしくないですか?」




私: 「なんでやねん!『この子、若いのにしっかりしてはるわ♡…』ぐらい思われるくらいや!」




カトウ君: 「そうですかねぇ…。」








カトウ君: 「Lサイズって…サイズがあるんですか?」




私: 「薬局で売っとるやつはサイズがあんねん。」




カトウ君: 「はぁ…。」






私: 「なんやお前、Mサイズかいな?」




カトウ君: 「い、いややっぱりLサイズかなぁ…。」




私: 「せやろ!サイズはハッキリと言わなあかんで!」




カトウ君: 「わかりました。明日さっそく買いに行ってみます。」








2、3日経ってカトウ君が




カトウ君: 「先輩、おかげさまで無事買えました!」




私: 「おう!無事買えたか!」




カトウ君: 「けど、Lサイズは無いって笑われました…。」




私: 「そうかぁ?…その店、品揃え悪いんちゃうかぁ?」










カトウ君、あの時は悪かった。サイズは無いねん…。






現在、彼は前の会社をやめて陶器の店を経営している、立派な社長さんである。






追伸、最近はサイズのあるコンちゃんも出てきましたネ♪

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