支配趣味の元担任
「"加藤 圭太" さん、 有難うございました。
何か質問のある生徒は挙手を。」
何名かの生徒が手を挙げていた。
「ではー、、、四組の安藤さん。
お願いします。」
当てられた生徒はごく普通の男子生徒だった。
こいつではない。間違い無く。
何故なら俺の人間選別センサーが反応していない。
その男子生徒は社会に出たら今と変わることを具体的に教えて欲しいと質問を投げ掛けてきた。
うん。いい質問だ。
まともな質問に敬意を払い、妥当な返事をした。
社会の波がなんだの、お金の価値観、
上司との関係等を無難に話した。
この生徒は納得した様な顔をして
お辞儀をして、座り込んだ。
ここまでの記憶はハッキリしている。
その後の出来事は正直覚えていない。
確か、次の女子生徒の質問を返したら
この生徒が泣き出し始め先生が来て
外に連れ出され、、、、、、
ここからは思い出さない方がいいのかもしれない。
何故今スピーチをした体育館の
倉庫で寝ているのかなんてもってのほかだ。
「おい、佐藤。」
うっ、嫌な声だ。
寝たふりしよう。
「ガァン!!」
腹に激痛が走った。
この痛みあの人に間違いない。
気を失っていた時点で、見当はすでについていた。
「彩先生でしたか、、、」
「なんだ覚えていたのか。クソガキ」
いやクソガキって逆になんだよ。
女教師が使う言葉かよ。
「いや、もっとおしとやかと言うか、
麗しい口調で声掛けて欲しいんですけど。」
「佐藤が"おしとやか"とか使うって..../////
クソキモいな」
そう。この暴力教師はブレないのである。
この人は高校時代3年間
俺の 数学の教師だった。
まだ転勤してなかったのか。
この高校で、この担任を知らない人はいない。
四年前の高校生活初日。
俺のクラスには中学時代名を馳せた
不良がいたのだ。
この高校は至って平均レベルだったので
いてもおかしくない。
が、、、
3日目で、不良達は完全更生していた。
何があったかは聞いてはいないが
「完全服従」
されていたと囁かれていた。
また、ここら一体の不良を聞き出しては
支配下に置いたそうだ。