謔イ縺励∩縺ョ蟆大・ウ2
「なあ、空黒くないか?」
街中でとあるカップルの男が呟く。
「えっ?天気予報じゃ晴れるっていってたのに」
カップルの女は不安そうに言う。
「これ……雨雲か?」
よくよく見れば太い1本の線の様にも見える。
それは突然地面に向かって降りてくる。まるで意志を持つかのように蛇のようにうねりながら。
周りの人がパニックに陥り、倒れる人も出ている。
「おい、おいおいおい!なんかやべぇって!」
男は焦った様子で女の手を引く。
「う、うん。建物の中に入ろ」
2人がこの場所から出ようとした時視界が黒一色になる。
力が抜ける。繋いだ手の感覚が徐々に弱くなっていく。
男は女の場所を予測して弾き飛ばす。
女は辛うじて訳の分からない黒色から離れることが出来た。それでも繋いでいた右手の感覚がない。
恐る恐る自分の右腕を見る。
干からびたミイラのような腕が見える。
咄嗟に自分の腕だとは受け入れなれなかった。
しかし、確かに自分の1部だったものだ。
「いやああああああああああああああぁぁぁ!!!!」
女が叫ぶ。その声は周りの阿鼻叫喚で掻き消える。
謎の黒色が通り過ぎた。
女はそれでも精神をどうにか正常に保っていた。
極わずかな冷静な部分で男を探す。
辺りは地獄のようだった。
泣き叫ぶ声。怒号。動かない人が大勢いる。
女は男を探す。
「そんなに遠くに居ないはず……」
女は歩き出してなにかに躓いて転ぶ。
躓いたものを見ればそれは干からびた人だった。
女は声のない叫びを上げ瞳から涙を溢れさした。
 




