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黒霧の少女42
笑いが止まらない。この小娘は心が脆弱だ。だが、弱らすだけでは駄目だ。壊さないといけない。その時に備え魔力を体内で過剰に循環させる。
借り物の力如き恐るるに足らないが、驚異ではある。触れたら死ぬなんて化け物そのものだ。だから、欲しい。
もう察しはついてるんだろう両親や、屋敷の人達はもう居ないということは。
小娘は呆然と虚ろだ。ならばちょうどいい。
俺に対しての怒りを感じる。それを利用しないては無い。
俺は杖を顕現させ、反転させる。内に留めた感情全てを解放させる魔法を。
 




