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囚われ四重奏51
「池鳥、待ってて。必ず迎えに行くから」
レーナには分かっていたのだろうか、昨日とは一刻前までとは違う体、違う力を扱う事を。
プリンセスの胸に手を当てて何かを引き摺りとる。外傷は見られない。
内部の何かに干渉したらしい。
「………こんな結末にさせてしまうとは」
フォールスは残念とは思うも、それ以外には何無い様子。
フォールスの心は別にある。
エレだけは何も言わずとも、レーナと残るだろう。厳しくもお人好しな人物であった。
レーナが次元を開く、その破れた空間は何処ぞの森のよう。
レーナ、エレ、プリンセス、ビア以外が次元へと入っていき脱出する事に成功する。
「フォールス、始末を任せたよ」
「はい、応援を向かわせます。戦争です」
「ああ、今回ばかりは死ぬかもしれないねぇ」
フォールスは何か言いたげだったが、その言葉を発する前に次元は閉じてしまった。




