囚われ四重奏43
「どうなるか、それは君達次第だ」
エレがソファで足を組む。ドカりと背もたれに体重をかけながら言う。
「俺たち次第?」
池鳥が確認する様にオウム返しする。
不安材料がまた増えた。池鳥は心拍数が上がっているのを緊張から来てるのに気付くのに随分時間がかかった。
「魔法使いになるもよし、普通の生活に戻るもよしだ。ただし、監視は着くけどな」
エレは可能性の話をする。
「なにそれ!監視なんてありえない!」
レーナは納得行かないようだ。ブワッと魔力が溢れ出し空気が重くなる。
「落ち着いてください、酷なことを言いますがアナタ方は人間では無いのです」
ヴァンパイアらしさが現れた事に驚きつつもプリンセスがレーナをなだめるように言う。
「んー、それってさあ、実感無いんだよね」
鈴は張り詰めた空気に顔を顰め和ますように努めて明るく振舞った。
「確かに、レーナは何となく人外感出てるけど」
池鳥がさり気なくレーナの手を取って冗談混じりにレーナに笑いかける。
「酷いわ、私、人間だと思ってたのに」
レーナが顔を真っ赤にして頬を膨らませてポコポコ池鳥を叩いて抗議する。
レーナはなんでこんなにドキドキするのか全然分からないけし、こんな状況だけど幸せを感じていた。
「普通の人は自分より大きい物を蹴り飛ばしたりしない」
レーナの纏う空気が和らいだのを敏感に察知して零が普段話の延長の様な雰囲気を作る。
ここに居るレーナ以外の皆が零に賞賛を送った。
「……アンタ達がまずはヴァンパイアって確証が得られればいいのね?」
コホンと乾咳をし、ビアが話し始める。
ヴァンパイアとしても転生体ヴァンパイアがどの様な力を持っているのかまた、この状況の打開に期待できるのか知りたいのもあって少し協力的になっている。
「なあ、長くなりそうだしなんか飲みもんとかねーのか?」
空気を読めない子、アックスが本能のままここをよく知ってそうなプリンセスに尋ねる。
「そうですね隣の部屋にあると思いますよ、ワインが」
「酒かよ、まあないよりマシか」
「アックス私の分もよろしく」
「はい、先輩はいるっスか?」
「………いい。………結界を、張ってくる」
静観をしているフォールスは取り敢えず話が落ち着いたと感じ、もしもに備えて建物の内側に細工をしに行った。




