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囚われ四重奏42
「それは僕も知りたいな」
零はレーナ達の元に歩いて振り返りながらレーナに便乗する。
「んまあ、俺もそこんとこハッキリしときたいわな」
鈴が慌ててレーナ達によって便乗の便乗をする。
いかにも総意ですと言わんばかりの態度である。
「説明したいのは山々なのですが転生体についてはよく分かってないのです」
プリンセスは申し訳なさそうにする。
「知らないじゃすまないでしょ?」
レーナが剣呑な雰囲気で問い詰める。
「道中の話し、聞いてなかったの?ヴァンパイアは乗っ取られてるの。知ってるのはそっちじゃないかしら?」
ビアが弱者の振りをやめてフォールス達を見る。
「悪いがここには答えられる奴はいない。が、表世界には居る。だから成功体については後からでもいいかい?嬢ちゃん」
両者を宥めるようにエレが年長者らしくその場を取り仕切った。
「気まぐれでもここに来てよかった」
気苦労するエレの呟きに心底感謝しているのはフォールスだ。
彼はコミュニケーションが下手が故にもしもエレがいなければ険悪な雰囲気で最悪仲違いも有り得ただろう。




