囚われ四重奏33
バンッ!
姫の部屋を無礼にも無作法に開けて構えていたのは憲兵達。
やはりコイツらも正気では無さそうだ。目は虚ろで魔力が漏れている。憲兵ほどの実力がある者たちがコントロール出来ないはずがない。
「プリンセス!下がって!」
ここで、コイツらを殺すくらい訳ない。
「行儀がなってないわね。何ようかしら」
「姫、貴女には謀反の疑いがあります。大人しく投降してもらいます」
姫に憲兵の1人が触れそうになった時ビアは憲兵の腕を叩いた。
「汚ぇ手で触れるな」
憲兵達がビアを乱暴に捉えようと動く前に姫は1歩前に出る。
「ビア、ここは大人しく従いましょう」
「で、ですが!」
「ビア、もう始まっているのです」
そう、崩壊は始まった。
暗く光の刺さない場所。聖域の地下、そこは監獄となっている。
しかし、居るはずの囚人たちは一人もいない。
「決定的ね」
「どこにも連絡がついてない状況ではかなり不利です」
「この世界から逃げるのは難しくともこの場所で逃げ隠れするだけなら出来るでしょう?」
「しかしまず、ここから出なくては……」
「どうにかならないかしら」
「全く、無茶な事ばかりおっしゃるんだから。いいですか、作戦は……」




