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囚われ四重奏11
目には捉えることの出来ない剣技とそれを躱す身のこなし。
時折壁際まで何かの風圧で、立っていられなくなる。
「もう、マジでなんなの?起きたらいきなり訳分からんとこ居るしもう嫌だ……」
「うん。痛いほどその気持ちわかる」
池鳥は歪んた表情で鈴の言葉に賛成した。
「……もう止めてくれよ!」
鈴は絞り出すように止めろと願った。それは誰かに向けたものではなかった。
しかし、その言葉通り、誰もが止まった。
「……なんだ、呪力や金縛りの類……では無さそうだ」
「ホッホッホ、素晴らしい!これこそ吸血鬼の力ですよ!」
「魅力……?しかし、それにしては、強すぎる」
「転生体とはそういうことですよ、劣等種」




