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囚われ四重奏8
階段を下るたびカツカツと音が響く。
階段はそれほど長くなく直ぐに降り着ることが出来た。
「うーわ、ゲームだったらボスいるぜ」
鈴が階段降りたすぐの扉を見て言う。
若干の怯えが伺える。
扉は両開きで真ん中には球体のクリスタル。縁を彩るように黒い宝石が組み込まれている。
「この黒いのダイヤじゃない?」
池鳥が扉の宝石をまじまじと見て言う。
「さて、どうする?」
「どうするも……」
零が言い淀む。
「いや、まあ、うん。ここしか道ないし行かないと拉致あかないよねー」
鈴は脱力して言う。
ギィィィィ……。
「ちょっ!」
鈴が焦ったように扉を見る。
案の定レーナが扉を、押して開けているところだった。
「俺この先不安しかない」
池鳥は目の前の光景に白い目をした。
「大丈夫、僕もだ」
零も冷静沈着に見えて顔は真っ青だった。




