囚われ四重奏7
「とりあえず歩き回ってみるか」
鈴がそう提案すれば皆賛成した。
「どうだった?むん!」
レーナは、エッヘンと胸を張って褒めてほしそうにしている。
鈴はこれに気づかず、「あまり無茶すんなよー」
と言い、レーナの不満を買った。
「す、すごいね!でも、よく相手しようと思ったね」
レーナから不穏な空気を感じとり池鳥が慌ててフォローする。
「行ける気がした」
えへへーと笑いレーナはそういった。
「よく見れば窓はないし、異様に静かだね」
零は一同が盛り上がってる時に周りを見渡し、思ったことを口にした。
「ん、ホントだ。まるで牢獄みたいだ」
池鳥は零に習って周りを見てそう感想を述べた。
「ちょっ、やめ、止めろ、怖いこと言うの!」
鈴は監獄だったらという想像をしてしまい怖くなった。
「なあに、怖いの?」
レーナが鈴を下から覗き込むようにして挑発する。
「怖いだろ!冷静に考えたら1番可能性高いの誘拐だよ!?」
「そうか、誘拐のパターンなら監視されてるかもね」
零は鈴の言葉を聞いて自分たちは何かしらの事件の被害者になっている可能性を示唆した。
「誰に」
レーナは珍しく会話に参加して、犯人を知りたがる。心做しか目付きが殺人鬼のそれになっている。
「えっ、そりゃ誘拐犯だろ」
鈴は反射的にそう答えた。
「まあ、歩こう」
一同はなるべく静かに進み始めた。
窓はなく一直線の道。しばらく歩くと下に続く階段があった。
「これ下行くよね」
池鳥が最初に沈黙を破った。
「まあ、どう見てもね」
零は下の方は暗くて分からない階段をみて言う。
「怪しいっちゃ、怪しいけど」
鈴は腕を組み、何やら考えている様子。
「敵がいたらぶっ飛ばせばいいよ」
レーナは脳筋思考だった。
「君なら出来そうなのすごいよね」
鈴は男子2人の心中を代弁した。




