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囚われ四重奏5
「あー、これ現実じゃないな」
鈴が不意にそう言うと、零も賛同する。
「僕もそう思う」
「夢かー、ならしかない」
鈴はウンウンと頷いている。
「なにが?」
池鳥はしたり顔の鈴に聞く。
「いやだってみてみ、この部屋。マジでなんもな
い」
両手を広げてゆっくりと一回転した。
「現実でも作ろうと思えばできるでしょ」
零は冷静にツッコんだ。
「あっ、そーか。でもじゃ、ここどこ?」
鈴は確かにと、納得し逆に聞き返した。
「「………夢か、夢にしとこ」」
2人はめんどくさくなって夢という事にした。
いまいち危機感のない空気が漂う。
「はーやーくー来いっ!」
レーナが今度は部屋に入ってきて池鳥を掴んで連れ去った。
「あ、はい…」
レーナに連れ去られた池鳥を見て、鈴と零が青を見合わせて部屋から出た。
「うーわ、あれ絶対近づいたら動くやつやん!」
鈴が見たのは全長2mありそうな鎧武者だった。




