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旧式 時と歌  作者: 新規四季
123/220

黒霧の少女、乃愛3

どれだけ時間がたっだろう。パキパキっと氷が砕けた。黒霧の龍は上空から地面に落下したのと同時に霧を撒いた。

「駄目か」

空はポケットに手を突っ込みため息を着く。

「フォールス、どうする」

ネクが冷や汗をかきながらも残りの魔力で光の精霊だけを召還した。

もうネクの魔力は限界値に近かった。

「負けだ。空が無茶してようやくあそこまで持ってけただけで、消耗仕切った俺達では無理だ。撤退する」

フォールスは冷静に打つ手なしと判断する。

空が青の魔法使い並の魔法を行使して精霊使いのネクの全力のバックアップで引き分けだったのに黒霧はさっきよりも魔力を増しているのが分かる。勝てない。次元が違うのが分かる。分かるからこそ撤退の判断だった。

「あら、逃がしませんわ」

フォールスが背中を取られた。背中から聞こえる声は乃愛の声だが、まるで別の生き物に感じられた。

「アンタ乃愛じゃないわね」

黒霧の攻撃はしかし、フォールスにあと一歩で届かなかった。

くうが呪詛体術での一瞬の間合い詰めとハイキックを繰り出した。

「心外ですわ、私こそがオリジナルです」

黒霧は受け流さず、遠い位置に回避した。くうの物理攻撃はダメージが入る事を理解した上での回避だった。

黒霧は苛立った声で自分こそが乃愛その者だと言う。

「取り込まれたのか、不味いな」

ネクが黒霧を睨みつけ悪態を着く。

「邪魔しないで」

黒霧は一言呟いて悠然と歩いてくる。

「通させない。もはやお前は魔族だ」

フォールスは剣を構えて剣に魔力を加える。

「人間です」

人外と言う言葉に動きを止めて訂正を加える。

人間だと。

「その姿で出てきたのは失敗だったな。契約の指輪により、汝に縛りを与える」

空は策なしと、燈火より譲り受けた指輪を右手薬指にはめて、右手を黒霧に突きつける。

「なに、痛い!」

もう片方の指輪が黒霧の右手薬指に造り上げられる。

拒絶のできない禁忌の魔術具。

「命をリンクした。俺が死ねばお前も死ぬ」

「なっ、空!それは禁止指定魔術具だぞ!どこでそんなものを」

ネクが叫ぶ。空の身を案じて。

「眠れ」

空は無視して指輪に魔力を与える。そして、黒霧の乃愛がその場に崩れ、空も意識を手放した。


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