謔イ縺励∩縺ョ蟆大・ウ36
「くう、まだ歌えるか?」
空がくうに聞く。
「私の魔法はその為にあるの」
くうは歌い出す。魔力を歌声に乗せて響かせる。
ここが正念場だ魔力の消費仕切るつもりで闘う。
他の魔法使い手はここまで来れなかった。それはひとえにフォールスと言う戦闘のスペシャリストがいなかった事。たまたま乃愛と出逢えたこと。時と歌の起源の魔法が揃っていた事。
全てが運命的だった。
くうは心から力が出る歌を選び歌っている。
楽器でも持たせたら絵になるし効果も上がりそうだと、場違いな考えがよぎる。
「空っ!俺とお前でバックアップだ!」
フォールスがくうの元に駆けながら空を鼓舞するように大声を出す。
空が年相応の悩みを抱いているだろうことを察しての言葉だった。
「分かってる!」
空はネクと乃愛の元に行き、黒霧の龍に動きが無いことを見ると、1枚の紙を取り出して空中に投げる。
半径5mくらいの薄黄色の半円が3人を囲む。
「ネクと乃愛で攻撃を!俺も守りに入る!陣の中なら魔力尽きるまで安全だ!」
「分かった!精霊の数を増やすから時間稼ぎお願いね!」
「そ、空?私は?」
テキパキと動き、体勢を整えるプロ達の動きに動揺し狼狽えながらそれでも強い意志をもって指示を仰ぐ。
「遠距離で攻撃できる?」
「う、うん。あの黒霧の龍?が私のオリジナルなら、その魔力である私ができないどおりは無い!」
目をギラつかせ自分を鼓舞するように大声で答える。
「た、頼もしいな。そんなキャラだったか?」
「うっさい!やらなきゃ死ぬだけでしょ!」
気持ちが追いつかない乃愛の顔は涙でくしゃくしゃだ。
恐怖も怯えも怒りも全て、自分にぶつけなきゃならないのだから心中察する。




