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謔イ縺励∩縺ョ蟆大・ウ31
歌は気分を高める。
歌は感動を呼ぶ。
歌は感情を引き出す。
くうの歌は魔法だ。生まれついての天性の才。
空は立ち尽くし、頬に一筋の線が流れる。
震えた。心に来るものがあった。
人の為を想う慈悲の歌。
空は信じられない思いでくうを見ていた。
再び見せつけられる力の差。
彼女は人を救える。
空は?頭を振る。今は、そんなこと些細な事だ。
心做しか霧が薄くなる。
影響力はこの霧と同格なのか。
羨望の眼差しを嫌でも向ける。
そんな自分が情けなくて、悔しくて、もどかしい。
くうは試練の間でこんな可能性を得て、そして開花させた。
空は可能性は得た。でも、それだけだ。
どうしても悔しい。……今は閉まっておこう。
魔力反応が、3つ。
乃愛も戦ってる。第1目的は黒霧の撃退だ。
「くう、見つけたよ。ありがとう」
くうが空を見て言葉を呑み込んだ。
空は感謝した。言えなかったけど。




