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B‐BOY秘密結社  作者: 東雲 ヘルス
夢みる熱帯魚
17/23

コレクト

「やめろ!!」


何かに取りつかれたように、カトウの首に腕をからめたイチにシンゴが怒鳴った。

ふと我に返ったようにイチがその腕を緩めた。


「なんでだよ。こいつは俺がヤッてやる。後のことは任せろよ」

イチがシンゴをにらみ言い返してきた。


「忘れたのか。俺たちの誓いを」

ナチが言った。


するとイチは腕を解き、悔し紛れにカトウの腰当たりを蹴って言った。

「そうだったな。で、どーするんだこいつは」


すると、カトウがニヤッとしながら言った

「ふん。どうせ、あんたら堅気だろ、なんだかんだ言っても俺を解放するしかないんだぜ。あいつらは素人だからハッタリが通じるかも知れねーけど、俺には通じねーよ。」


「・・・・」


「解ったら早めに解放しろ。」


「・・・・」


カトウに詰め寄ろうとしたイチを手で制し、ナチがカトウに向かって行った。

カトウに近づくとナチは徐に、顔面、それも口のあたりを執拗に10発以上殴った、殴った、殴った

カトウの前歯は折れ、唇は裂け、夥しい量の血が地面にこぼれた。

途中カトウが何か言いかけたが、お構いなしだ。

カトウは気を失った。


「最初は、こいつを本当に殺すつもりでいた。でも、お前らと一緒に行動するようになって、なんかが変わった。」

イチが言った。


「知ってるよ。沖縄の前原組にこいつを渡そうとしたでしょ?」

ナチが言った。


「え?・・・なんで知ってる?」


「お前が、いろんな人脈があるように、俺らもそういう人脈はあるんだよ。」

とシンゴ。

実際、イチが組関係の知人に話をつけると予想したシンゴとナチはイチの昔の知人をかたっぱしからあたって、調べたのだ。すると、イチのセキュリティー時代の先輩に沖縄の前原組に行った人物を一人発見したのだ。

だから、この場でカマをかけてみた。

見事成功だった。

実際、893などシンゴもナチも無縁だ。


「んで、タダで893が動くわけないよね。」

とナチ


「そこまで解ってんなら話ははえーな」

笑顔でイチ


「やめとけ。せっかく仲間になれたのに・・・」


「うう・・・・ぐふっ」

カトウが正気を取り戻したようだ。


イチがカトウを立ち上がらせ、髪の毛を掴んで言った

「おいコラ。俺たちをなめるなよ。お前はこれから、どうなると思う?」


「・・・」


「ヒントをやるよ。俺たちはリサイクル屋だ。お前らには一個もこっちの情報を与えたくなかったけど、もう二度と会うこともないからいーや。」

イチが言った。


「なんだよそれ・・・」


「スハダクラブは人のリサイクルをしてるんだよ。」


「・・・・」


「じゃあ答えを言ってやる。お前はこれからあるところに連れてかれて、ある組織の監視のもと死ぬまで飯場でこき使われる。もちろん親、兄弟には連絡は取れない。お前は失踪者あつかい、そして何年かして、死亡届が出されるんだ。お前みたいな腐った人間のリサイクル方法はこれしかないからな。生きていられるだけでも幸運だと思え。解ったか。」



「・・・・・」


「ん?いやか?嫌ならこの場で処分してやるぞ。そのほうが手っ取り早いしな。どっちがいい?」


「・・・かせる」


「ん?きこえねーな。」


「任せます!」


カトウは涙目でイチに言った。


「よし。じゃあ行くか」


イチの目をみた。

シンゴとナチは、諦めた。今回のイチは止められない。それだけの覚悟が決まった男の目は、誰も寄せ付けないのだ。

黙って、イチとカトウの後に続いて、倉庫を出た。

瞬間の事だった。何やら、一見して「普通の人」ではない人間が4人、こちらに近づいてくる。

思った瞬間、取り囲まれた。

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