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宇佐物語  作者: 中塩屋 治


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8/12

いし

               同じ所に居る、ということ。同じ所に居たということ。同じ言葉を(しゃべ)っていた。今では、もう、聞くことの出来ない言葉。喋ることの出来ない言葉。


 祖父が、いつも言っていた。田舎に帰ると決まってだ。鰻を穫ろう。あの川で、いつか鰻を穫ろう。願いは、叶わず、(抄)。確かに、堤防の石積みには、鰻が潜んでいそうだ。下流には、いくつもの石が積み上げられた。鰻の寝床が作られていた。いつも、川面(かわも)を明るく照らすのは、シラス()りの火だった。

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