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堤防
初めて、見たのは、まだ幼い頃だった。川は、広く、大きかった。そして、堤防は、とても高かった。堤防の上は、子供にしても狭く、そこを歩くことは、命懸けだった。こちら側に落ちれば、それほどではないが、向こう側に落ちれば、助からないだろう、と思っていた。そして、いつも決まって、体と心とは、向こう側へと傾くのであった。落ちなかったのは、家へ帰るためには、その堤防の上から降りて、道を曲がらなければならなかったからだ。
初めて、見たのは、まだ幼い頃だった。川は、広く、大きかった。そして、堤防は、とても高かった。堤防の上は、子供にしても狭く、そこを歩くことは、命懸けだった。こちら側に落ちれば、それほどではないが、向こう側に落ちれば、助からないだろう、と思っていた。そして、いつも決まって、体と心とは、向こう側へと傾くのであった。落ちなかったのは、家へ帰るためには、その堤防の上から降りて、道を曲がらなければならなかったからだ。
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