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夏になる頃へ  作者: masaya
二章 from sky
88/112

特別編 七夕前日の日常

「明日は七夕か。一人で短冊作って飾る?でも、それって寂しくない?」

本日は7月6日。明日は誰にでも平等に訪れるイベント?七夕がやってくる。中学3年にもなって七夕の短冊が~なんて言っているのは正直なところ恥ずかしい気もするけれどそれでも尋は内心とても楽しみにしていた。別に特別な出来事(イベント)があるわけではないのだけれど星に関することならば何でも楽しいのだろう。夕方の教室に秋鹿尋は一人背伸びをしつつ野球部の声が響く校庭を眺めつつ笑みを浮かべていた。夕日に照らされる運動部のみんなはなぜここまで格好よく見えるのだろうか。対して答えも知りたくない疑問を浮かべながら腕を組みしばらく眺め視線を黒板の横にかけてあるカレンダーへと向ける。

「七夕って不思議と給食にゼリー出るけどあれ何なんだろう?おいしいからいいけどさ」

他人が聞いていたらきっと彼は少しお疲れなんだね。なんて声をかけられてしまいそうな言葉を教室の隅に吐き出す。誰にも聞かれていないと分かっているから口にしていた独り言。

「尋・・・あんた・・・誰もいない教室で一人ぶつぶつ喋ってるって・・・気持ち悪いっていい加減に自覚したほうがいいよ?」

「なっ!」

声がする方向へと視線を向けると幼馴染もびっくりするどの気持ち悪いものでも見るかのような表情を浮かべ一定の距離を保ちこちらへ視線を向けてくる紫穂の姿が映る。尋も慌てて座っていた椅子から立ち上がり自分のしでかした恥ずかしい言葉を否定するように両手を振るけれど、紫穂の刺々しい視線は相変わらず向けられていた。

「し、紫穂も人が悪いね!中学生男子の独り言を盗み聞きをするなんて」

深くため息をつき肩を落としながら、

「いやいや。聞きたくて聞いたわけじゃあないし。尋がいたから声をかけようとしたらぶつぶつ一人で七夕が~って言ってたんじゃあない。別に一人の世界に入ることは悪いことだとは思わないけど場所を選んだほうがいいよ?外見はいいんだから」

「最後、すごく余計なことだよね!だったら紫穂だって外見はいいのにモテないよね」

「うっさい!」

「うわっ!危ないっての!」

両手で持っていたカバンを投げつけてきたため体で受け止め紫穂の近くへと近づいていく。ギロリと鋭い視線を向けられるが尋は気にすることなく紫穂の手を取りカバンを持たせる。

「はい。鞄は投げるものじゃあないでしょ。ほんとに紫穂はたまに暴力的になるよね。てか、もう帰るでしょ?だったら一緒に帰ろうよ」

「・・・そのつもりだよ!」

語尾を強め教室を出て行ってしまう。尋も驚き目を見開くがすぐに微笑に変わり机の横にかけてあったカバンを取り先に昇降口に行ってしまった紫穂のあとを追う。



----------



「話ちょっと戻るけどさ?七夕の日になんで給食にゼリーが出るんだろうね?やっぱりなにか特別感を出したいからなのかな?そのゼリーがまたちょっとシャーベッド状になってて美味しいよね」

「給食のゼリーの話なんて本当にどうでもいいんだけど」

「まあ、それもそうか」

紫穂の発言に納得したのか頷きながら歩いていると次は紫穂がふと、口を開いてくる。

「そう言えばどうして七夕の短冊に願い事を書くんだろうね?」

「あれって実は願い事を書くものじゃあなかったらしいよ最初は確か・・・」

「へーそうなんだ。やっぱり尋ってものし・・・」

「byウィキペディア」

少しでも感心しかけた自分に落胆したのかそれとも尋に対してなのか分かりやすく大きなため息を吐き出す。尋も紫穂がどのような反応をするのか予想していたのか笑ってしまう。

「いや、でもさ。七夕に願いを短冊に書いて笹竹に結び付けるって考えた人ってすごく素敵だと思わない?」

「どうして?」

「いや、僕だったら笹竹に願い事を書いて結ぼうなんて思わないからさ。冷静に考えたらすごくロマンチックなことだなって思ってさ。そもそも七夕伝説も凄いよね」

尋の言葉に確かにそうかもしれないね。なんて微笑を浮かべながら小さく頷く。

「お互いに思い続けて一年に一度だけしか会えないって実際大変そう」

「確かに」

苦笑を浮かべ尋は頷きながら夕空を見上げてみると一番星が目に映る。

「ねえ?紫穂さ。今日の夜暇?」

「ど、どうして?」

「一緒に短冊作って七夕しようよ」

尋と紫穂の中学時代の一コマです。過去の話もあるにはあるのですがいつ頃、皆さんに見ていただけるのかな~((+_+))なんて思っている今日この頃です。

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