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夏になる頃へ  作者: masaya
二章 from sky
87/112

19.3

腕を組みながらやさしく微笑んでくる尋を視線に少しだけ入るだけでも体が熱くなり鼓動が早くなる。いつもやさしい笑みを向けてくれる彼はどうしてここまで素敵に見えるのだろう。恋をすると景色が変わったりするって誰かが言ってた。けど、それは本当だって気が付かせてくれたのは秋鹿尋(せんぱい)である。いつもと何ら変わらない景色も色が濃く華やかに見える。学校でイラついたりする出来事があったとしても尋を見つけるだけでその嫌なことさえどうでもよくなってしまう。そんな彼が必死に何時間もかけて病院まで必死に来てくれたことは心臓が破裂してしまうんじゃあないか?と思うほど嬉しくて電話越しの声を聴くだけでも泣きそうになってしまった。そんな彼が一つだけ願いを聞いてくれる。と、約束(まほう)を御崎に差し出した。きっと彼女は今の景色をきっと忘れることはないだろう。たった、尋が放った一瞬(ことば)が彼女にとっては永遠に感じてしまった。ふと、俯いていた視線を上げ尋を見てみる。と、ん?なんて言いたそうな相変わらず何も考えてなさそうな表情につい、可笑しくなり笑ってしまう。

「・・・先輩は罪な男ですよ。きっと私のことはただの後輩にしか見てないのにやってくれることは彼氏みたいなことばかりなんだもん・・・でも、それでも私は凄く幸せなんですよ。知っていますか?」

絶対に本人には言えない言葉(ほんね)。心の中だけで言える彼女のわがまま。尋は勘違いさせるために動いているわけではないことぐらい誰だって知っている。きっと事故に遭ったのが御崎じゃあなくほかの人でもきっと同じように彼は必死に何も考えずに同じ行動を起こしただろう。偶然、それが御崎だっただけ。それは御崎自身も分かっている。分かっているからこそ本音を口に出さず心の中で完結させている。分かっている。分かっているけれど、胸の鼓動だけは治まってくれない。ツンと鼻の奥の辺りが痛くなる。おまけに涙まで出てきそうになる。ここで泣いてしまったら卑怯だ。御崎は自分自身に言い聞かせぐっと両手を握り奥歯も噛みしめ必死に涙を堪える。

「御崎ちゃんもしかして眠い?」

「・・・え?」

唐突な尋の言葉に御崎はつい、尋を見てしまう。尋は御崎の目を見つめながら、

「だって、目がちょっとだけ涙目だよ?やっぱり部屋で寝てたほうが良かったかな?無理してない?」

「クスッ」

きっと涙目になっているのはあくびをしたから。と、勘違いしているのだろう。相変わらずの尋の言葉に御崎は笑いながら目を擦り、

「ちょっとだけあくびが出ただけなので大丈夫ですよ。それに少ししか涙出てないですから」

「そっか。ならいいんだけど・・・僕、なんか変なこと言ってないよね?」

眉間にしわを寄せ心配そうに問うてくる尋の表情を見るなり、御崎はもう一度微笑みながら

「変なことなんて言ってませんよ!それに嫌だったら先輩と一緒にここまで来てませんよ。私は先輩と来たかったから来てるんです」

「そ、そっか。ならいいんだ。変に気を使っちゃってごめんね」

「けど、そういう先輩の優しいところは素敵だと思いますよ」

御崎の言葉に尋は照れくさそうに受け取り空を見上げる。真似をするように空を見上げると夏の青々しい空が映る。

明日で7月がやってきちゃいますね。7月は色々と過去の出来事を思い出してしまいます。

昔のことを思い出すことが良いことなのか分かりません。過去は過去なんだと割り切ることはとても大切なんだって思います。絶対に戻ってこない時間ですしね(笑)分かっているけれど、それでも思い出しちゃう自分はあまり好きじゃあない・・・けど、思い出しちゃいます(笑)

過去は優しくて暖かい。じゃあ未来は?きっと過去よりも優しくて暖かくて笑顔になれる!と、信じて毎日過ごしています。みなさんもこれから本格的に熱くなってくると思うので体には十分気を付けてお過ごしくださいね!

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