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夏になる頃へ  作者: masaya
二章 from sky
76/112

13

ふわりと体が浮いた気がした。いや、きっと体は今、宙に浮いている。けれどどうしてこうなった?未だに現状を把握することが出来ない。ズキズキと左足に痛みがゆっくりと襲い始める。なにがどうなったのか分からない。数秒前の出来事を思い出してみる。・・・確か、眩い光がこちらに向かってきた?一瞬の出来事だったためよく思い出せない。なにが起こったのか思い出そうとした瞬間、骨に響くほどの衝撃が襲ってくる。

「かはっ・・・」

鈍い音、何かが地面と擦れる甲高い音、水面に何かが叩きつける音、女性の悲鳴。様々な音が静寂で穏やかに包まれていた夜を切り裂く。

「・・・!・・・!!嫌だよ!!!!!ねぇ!!!!!!」

大丈夫だから安心して。そこまで泣き叫ぶ必要なんて無いんだよ。始めてみる表情に微笑を浮かべ、自分は平気だよ。心配しなくてもいいから。平気だからね。告げようと口を開くと冷たい泥水が口の中へと入ってくる。咳き込むと肩甲骨辺りがズキズキと痛む。体を動かそうとするだけで骨が軋む。起き上がろうにも上手く体らが動かなく視界も徐々に定まらなくなってくる。それでも必死に目の前の友人は必死に助けようと汚れを気にすることなく近づいてくる。必死に名前を呼んでくれていることは分かるけど上手く返事が言葉が出てこない。言葉を口にしようとするだけで体全身が痛む。それでも視界に入ってくる友人の表情は見た事もない表情だった。安心させるためにも笑みを作ってみるけどちゃんと伝わっているのだろうか。体を持ち上げようと友人は体に触れてくる。が、全身の痛みに呻き声を発してしまう。

「ごめんね!ごめんね!だけどこのままじゃあ死んじゃうよ!!!救急車呼んでるから頑張って!頑張って!絶対に死んだらダメだからね!ダメだからね!!」

ズルズルと引きずられ冷たかった感触からチクチクと雑草の感触へと変わる。若い女性の声、年輩の男性の声、若い男性の声。先ほどは気が付かなかったが様々な人が周りでなにやら緊迫した会話をし始めていた。何度も、何度も耳元で名前を呼ばれている気がする。大丈夫です。そこまで必死に名前を呼ばなくても聞こえています。心配してくれているのはありがたいけれど大丈夫です。そう口にしたいのに上手く言葉が出てこない。どうしてだろう。自分の体なのに上手に言葉が口にできない。

「・・・じょう・・・ぶ」

やっと発する発した言葉を最後に視界に映る景色が徐々に細くなり最後はなにも見えなくなってしまう。

どうしても以前まで考えていた結末が自分の中で納得できないところがあり更新出来ていませんでした。けれど、やっと決心がつきました。思い描いていた結末で書かせて頂きます。

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