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夏になる頃へ  作者: masaya
二章 from sky
74/112

12.9

沈黙のまま二人はしばらくの間、夜空を眺めていた。心の中で一体何を考えているのだろう?いつもなら紫穂(おさななじみ)に対してそのような疑問は抱いたりしないのだけどふと抱いてしまう。気が付かれないように視線を向けた瞬間、見つめ合う形になりお互いがすぐに視線を逸らしてしまう。いつもならこの辺りで紫穂が恥ずかしさを紛らわすため頭を叩いたり会話をしてくるのだけど、今回はそのような反応もなくただ、ただ沈黙が流れる。窓から流れてくる夜風が火照った頬には心地よい速度で通り過ぎていく。しばらくすると沈黙を破るように紫穂が口を開いてくる。

「なんかちょっと失敗したな」

「失敗?なにが失敗?キャラ作り?」

違うわ。と、すかさず頭を叩き視線を夜空へと戻す。何故叩かれたのかよく分からなかったけど、先ほどから感じていた雰囲気では無くいつもの知っている紫穂の雰囲気に戻った気がして自然と笑みがこぼれる。ふと、今さら感がある疑問が頭の中に浮き出てくる。

「そう言えばさ?どうして紫穂って雨谷とか他の男子には暴力というか叩いたりしないのに僕だけ殴ってくるの?っていつもこの質問してるか」

唐突に変な質問をしてくるね。なんて尋の疑問に笑みを浮かべてくる。問うた本人も確かに唐突な質問だったかも。と、つられ笑ってしまう。きっと問いの答えなんて本心では求めてはいないだろう。ただ、なんとなく口に出してしまっただけの感情(ことば)。しかし、問われた側はそうでは無かった。紫穂は尋へと視線を向けてくる。蒼白い月光に照らされる紫穂はいつもよりも儚く映る。

「理由が無いって言ったら尋に悪いよね。でも、なんだろうね?やっぱり気心知れた数少ない人だからかな?」

まさか返答が返ってくるなんて思ってもみなかったしそんな理由で叩かれていたのか。なんて思ってしまうとつい、吹きだして笑ってしまう。

「気心知れた人だったら紫穂は殴っちゃうんだ。とんでもない破壊神だね」

「破壊神って言うな」

反射的に殴りかかろうとしたが寸前で止め不貞腐れたようにそっぽを向いてしまう。懐かしい光景につい、頭を数回ほど軽き叩き立ちあがる。と、どこか名残惜しそうな表情を浮かべる紫穂に気が付く事もなく一度大きく背伸びをしつつ、

「よし。そろそろ家に帰ろうかな。寝ちゃっててごめんね。あと、ご飯も凄く美味しかった。ありがとう」

「あ、ううん。気にしなくていいよ。よっと。これ一応持って帰るでしょ?」

机に置かれていたアルバムを近くにあったバッグに入れ差し出してくる。尋も借りていいのか問おうとしていた所での申し出だったため驚きつつも差し出してくるバッグを手に取る。

「あ、ありがとう。実は借りてもいいか聞こうと思ってたのに・・・やっぱり凄いね。幼馴染の以心伝心って」

「・・・そ、そりゃあ長年付き合ってますから」

そう告げると、ぎこちない笑みを浮かべまるで自分の表情を見て欲しくないのか背中を押してくる。違和感を覚えたけれどそこに今は触れるべきではないと察し部屋を後にする。

どうしても今日この話を上げたかったので短いですが投稿させて頂きました。遅くなってしまいすみません。やっと体調も戻りつつありますのでこれから更新させて頂こうと思っておりますのでよろしくお願いします。

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