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夏になる頃へ  作者: masaya
二章 from sky
68/112

10.2

「お邪魔します・・・おお!」

「ん?いらっしゃい。もう少しでできるからこっちで待っててよ」

「凄く良い匂いだね。お腹すいてきたよ!」

尋の言葉に笑いながら紫穂は台所へと戻って行き尋もリビングへと向かい歩いて行こうとする。と、

「尋!ちゃんと手洗いとうがい済ませてきなよ!外から帰って来たんだから」

「紫穂って本当に母親みたいな事言うよね」

ソファーへと座ろうと曲げた腰を伸ばし洗面台へと向かう。久々に来たせいかどこか少しだけよそよそしくなってしまったせいか急ぎ手を洗いうがいを済ませリビングへと戻りソファーへと座る。昼から歩きっぱなしだったせいか意外にも疲労がどっと肩へとのしかかってくる。自然と深いため息をつきながら背もたれにもたれかかり目を閉じる。視覚を閉じたため聴覚が敏感になったのか紫穂が料理をしている音が聞こえてくる。何かを焼いているのだろうか?心地よくお腹が空いてくる音を奏でつつ手際よく動く足音が聞こえてくる。相変わらず紫穂らしい。そんな事を思ってしまったせいか口元がにやけてしまうと同時にあることに気が付き目を開きソファーから立ち上がり紫穂の近くへと向かう。

「何か手伝うことある?夜ご飯作ってもらってるのに何もしないのは駄目だったね!ごめん、ごめん。ちょっと家みたいにくつろぎ過ぎた」

尋の言葉に紫穂は笑いながら振りむいてくると、

「いいよ。私が夜ご飯食べに気なよ。って言ったんだし。一応、私が誘った的な?」

そう言うと木べらを持ちながら首を曲げ再度笑ってくる。尋もつられるように笑いながら台所へと向かうと洗っていないボールなどが流し台にあったため洗いものを勝手に始めてしまう。紫穂も一瞬、止めようとしたが好意でやってくれようとしているのに止めるのはどうかと思ったのか尋の横顔を見つつ微笑むとボールに入っていたレタスを手でちぎり始める。

「そう言えばさ?今日、尋は何してたの?」

「午前中に雨谷に頼まれたおつかいを御崎ちゃんと一緒に行って昼からは一人になっちゃって家に帰るのもなんだったからぶらぶらしてて・・・知らぬ間にちまちまと飲み物買ったりお菓子買ったりしてて無駄遣い・・・小銭を消費してしまった日だったよ」

「おつかい?二人っきりで?」

少し驚いたような声色に視線を紫穂へと向けてみるが視線は野菜の方に向いていたため尋も食器の方へと向け直す。

「そうそう。なんか、雨谷の友達が入院しててあるブツを取るミッション」

「あるブツって・・・ホント男子ってそう言うところ子供っぽいよね。あるブツとか言っちゃったりして」

「まあ、否定しないよね。男って浪漫(ゆめ)を追いかけるのが好きだからさ」

「浪漫ね・・・女の私には分からないや」

「でしょうね」

「そう言えばさ?さっき家に来た時、私を見ておお!って驚いたけどアレなんだったの?」

紫穂の言葉に尋は先ほど紫穂に頂いた気持ちが恥ずかしかったのか、ああ。なんて相槌を打ちつつ

「紫穂に誤魔化したり適当に返答してもばれそうだから言うけど、紫穂が出迎えてくれた時にエプロン姿が似合ってて可愛いな!って思ってしまったからおお!って声が出ちゃったんだよ。ははは・・・」

照れ隠しなのか苦笑を浮かべつつ紫穂へと視線を向けた瞬間、顔は茹でタコのように真っ赤になり照れ隠しなのか無言のまま足を数回ほど蹴ってくる。

「紫穂って照れたらたまに暴力をしてくるよね。子供はどっちだか」

「ひ、尋が変な事を言うからでしょ!」

「本当の事を言わなくても怒るくせに」

丁度、溜まっていた洗いものを終え、捨て台詞のように言い放つと先ほど座っていたソファーへと小走りで戻り座り身を隠す。紫穂も手が止まっていた事に気が付いたのか先ほどよりも忙しい音が聴こえ始める。が、すぐに呼ぶ声が聞こえる。

「お箸とか出してもらってもいい?」

「うん。了解した!」

久々の更新で文字数が驚愕的なほど短く、読んで下さる方には本当に燃焼不良だとは思いますがご理解いただけたら幸いです。明日も更新させていただこうと思っておりますのでよろしくお願いします。本当にすみません。

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